表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/61

フランと手合せします

「さぁフランかかってこい!!」


 俺はあの後、とりあえずここに来た目的を果たすために、ジャグナル君たちに話をしてこの場所を譲ってもらうように頼んだ。

 じゃないと計画を狂わされたフランが怒るかもしれないからだ。


 最初はドーラ君がちょっと渋っていたけど、ライア君が、「魔法戦士とそれと同じくらいの実力の妹との戦いって見て見たくない?」って言うとドーラ君も「確かに……」と言って譲ってくれた。

 そして、元々フランに会う目的だったジャグナル君は、「もちろんだ!」と言ってくれたけど、その言葉の後に「フランちゃんをゆっくり見てられる……」とかいう身の毛のよだつ発言をしていた。

 

 俺はその言葉にハッとなってフランを見たけど、フランは今日はちゃんとスカートではなく、ズボンだったので安心した。

 どうやら、俺が昔に魔法の特訓の時はスカートをやめるように言ったのを守っているようだ。

 空飛んだり、走ったり、風魔法の影響でスカート捲れる事もあるからな。


 俺が昔フランのスカートの中を見てしまったのは、そのせいだ。

 決してやましい気持ちはない。

 やましい気持ちがあった忠告してないからな。


 とまぁそんなやりとりがあり、他の子供らも大半……いや、ほぼ全員がフランのファンとあってすんなりと譲ってくれた。

 ある意味フランはスーラ村の女王的存在だ。


 話している中ではあまり気づいてなかったけど、どうやらみんな俺とフランの特訓を見るという事で、知らぬ間に俺とフランは観客のいる中で模擬戦をする事になった。

 フランは最初、少し嫌そうな顔をしていたし、「じゃぁ、またこんどにするか?」って言ったら少し考えて、「いいよ、お兄ちゃん。やろう」と言ってきた。

 どうやら久しぶりに魔法を使って戦えるのが嬉しいらしい。


「いくわよ、お兄ちゃん!!」


 俺と対峙するフランはそう言うと、小言でなにやら言っている。

 きっと、身体強化の魔法を詠唱で使っているのだろう。

 あれだけ詠唱の身体強化の魔法は近くで使うなって言ったのに……。


 まぁ大丈夫か。

 これだけ他のみんなから離れていれば詠唱してるかわからないだろうし、そもそも詠唱の身体強化があるなんて思っていないからな。

 身体能力が上がったとしても、気候を使っていると思ってくれるだろう。


 それにしてもフランの奴……詠唱の身体強化を使うなんて本気だな。

 俺も対応できるようにしとかないと……。

 俺は詠唱の身体強化ではなくて闘気を発動させる。


 すると、俺の様子にフランは目を見開いて驚いたかと思ったら、口元だけ笑っていた。

 もしかして戦闘狂なのだろうか……?


「はぁぁぁぁああああああ!!!!」


 次の瞬間、フランは地面を蹴って俺へと向かってくる。

 このまま突っ込んでくるか?

 

 と思ったらフランは右手を前に出す。

 魔法か!?


 俺はそれに対応する為に、マルコ戦に使った『秘儀 たたみ返し』を使用する。

 本来なら魔法障壁を使用出来たらいいんだけど、まだ完璧じゃないしな。

 それと、俺が氷の壁ではなく、土の壁にしたのはフランが雷魔法まで使えるからだ。


 俺がたたみ返しを発動させると同時に、土の壁に衝撃が響く。

 フランの奴、容赦ないな……。


 俺の発動したたみ返しはフランお魔法の衝撃で一部が崩れ落ちる。

 それを見た俺は上空へと飛ぶ。

 

「甘いわよ、お兄ちゃん!!」

「おわっ!?」

 

 俺が飛び出すのが分かっていたのか、上空に飛ぶと同時にフランが飛んできてパンチを繰り出してくる。

 俺はそれを首を捻って躱す。


 ……これは本当に容赦がない。

 リノアと付き合った恨みだろうか?

 ……いや、きっとそうじゃない、フランは久しぶりに自分の実力を試したいだけなんだ。

 うん。


「フランちゃん頑張れ!!」

「フランちゃん負けるな!!」


 すると、下からフランの事が好きな子供たちがフランに向かって声援を送っている。

 それに紛れてジャグナル君の声で、「フランちゃんファイト!」と聞こえる。

 ジャグナル君よ……。


「お兄ちゃん、あれなんとかして」

「ゴメン、無理」


 たぶんフランが言っているのはジャグナル君の事だろう。

 でも、俺にはそれを止める術はない。

 というか、会話の内容とは別にフランは攻撃の手を緩めない。

 右、左と拳を繰り出し、そして時に蹴りを入れてくる。

 俺はそれを避けたり、または腕で防いだりする。

 なんだろう……おそらくこの光景は魔法の世界というより、ドラ○ンボー○のような感じな気がする。

 

 俺とフランは空を飛びながら、魔法ではなく肉弾戦を繰り広げる。

 でも、どこかのタイミングでフランは魔法を使ってくるはずだ。


「お兄ちゃん、とっておきいくよ!」


 フランは距離を取ると、ニヤリとしてそう言って俺に宣言してくる。

 その顔は可愛いけど、やってくる事はとっておきっていうくらいだからえげつないんだろうな。

 何をしてくるのか……。


「いいぞ、来い! フラン!!」


 俺はそう言ってフランに対応すべく、闘気に魔力を送り強化を図る。

 それと同時に何をしてきても対応できるように魔法も放てるように心の準備をする。


「じゃぁ……」


 フランがそう言うと同時にフランの身体に黄色の電気が走る。

 なんだあれは!?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ