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いろいろ予想外の事が起きました

「おい、あれじゃね!?」

「うわ! 本当だ! 急げ急げ!!」


 なんだ!?

 俺とシリウス、マルコが二年生の出方を伺っているとどこからともなく生徒が現れ、あれよあれよという間に、闘技場の時みたいに大勢の観客が姿を現した。


「これは……」

「なんだ?」


 突然の出来事に俺だけじゃなく、シリウスやマルコも驚いている。

 そして、リーゼルたちの方を見ると、向こうも何が起きているのか分からないといった表情で突然の出来事で戸惑って動きが止まっている。


「すまない、遅くなった」


 そう言って現れたのはアレクだった。

 あいつ……また何かしたな!?


「おい! 遅くなったじゃないだろ! 何なんだこれ!?」


 俺の言葉にシリウスは一瞬、怒ったような表情を見せたけど、シリウス自身もこの状況が何なのか気になるようで何も言ってこない。


「あいつらがこの決闘に負けたからと言って素直に言う事を聞くとは思えなくてな。だから、ちょっと声をかけて呼んだのさ」

「おいおい……」

「安心しろ、正直にすべては言っていない。ただ『二年生が魔法戦士の強さを見たくて決闘を申し込んだ』でも、ライトは『どうせなら、チーム戦でやって、もし先輩たちが負けたら一年生に絡むのはやめてくださいよ?』って言って決闘を受けたと言っておいた。その理由なら闘技場を使わないのも不自然じゃないだろ? 勝手に一年生と二年生の取り決めをしてる訳だし」


 そう言ってアレクはニヤリとする。

 こいつは……。


「アレックス様、勝手なことしてもらったら困りますね」


 リーゼルは不快だと言わんばかりにアレクに抗議する。

 まぁ、そりゃそうだろうな。

 状況的に見れば自分たちが悪役みたいなもんだし。


「あぁ、すまない。でも、リーゼル先輩としても負ける気がないならみんなの目がある方が実力のアピールにもなるでしょ?」


 アレクはすかさず嫌味で言葉を返す。

 あいつの口は本当に……。

 

 リーゼルはアレクを見据え小さく「チッ」って舌打ちすると「いいですけどね。……さぁ続きをするぞ」と言って視線を俺の方へと移してきた。


「――と言う事でお膳立てはしたから、さっさと片付けろよ」


 そう言って,、アレクはリノア達のところへ向かっていく。

 あいつは本当に転んでも、ただでは起きないような奴だな。

 でも、これでリーゼルたちも負けても言い逃れできないか。それにアレクがみんなに言って回っている以上、リーゼルも負けたら、むやみやたらに突っかかってこれないだろうしな。

 ……なんだか、アレクの掌で踊らされているような気がするな……さすが王子といったところか?

 王子のくせに腹黒いなんて……っと今はそれどころじゃないな。


 俺はシリウスとマルコに目線を送る。

 すると、二人とも頷いた。


「さて、リーゼル先輩、続きをしましょうか?」


 俺は挑発するように、リーゼル先輩に言葉を放つ。


「チッ、ほんと生意気な一年ばっかだ。……行くぞ!」

 

 そう言うと二年生三人は一斉に詠唱を開始する。

 さて、何をしてくる?

 三人一斉に誰かに的を絞って魔法を放ってくるつもりか?


「「風の精霊よ、風を巻き起こし、荒れ狂いたまえ、ヘル・トルネード!!」」

「炎の精霊よ、集え、猛る灼熱の炎よ、全てを焼き尽くしせ、ヘル・ファイヤー!」


 取り巻きの二人が風魔法を、そしてリーゼルが火魔法をそれぞれ詠唱し放つ。


「っ!? 危ない!! みんな魔法障壁を張れ!!」

 

 俺は咄嗟に集まった生徒に叫ぶ。


「えっ? なに? きゃやあああ!」

「いかん! 早くみんな魔法障壁を!!」


 俺の言葉の意味が一瞬分からなかったみたいだけど、みんなはすぐにそれを理解し魔法障壁を張る。

 特にアレクは危険を感じて先頭に立って、みんなに魔法障壁を張るように言いながら、距離を取って避難するように促している。


「なんだこれは!?」

「こんな事が……」


 二年生が魔法を放つと、俺達の目の前に突如として竜巻が発生し、そこにリーゼルの火魔法が加わって、炎をまき散らしながらこっち向かってくる。


「シリウス! マルコ! 下がれ!」


 俺は二人に向かって叫ぶ。

 あの魔法は普通の魔法じゃない。

 リーゼルの強力な火魔法が、取り巻きの二人の風魔法によって酸素を送られ、威力が上がっているし、その風魔法によってその炎を撒き散らしながら俺たちの方へ向かって来る。

 

 二人は俺の指示に気に入らないような素振りを一瞬見せるが、自分達では対応できないと感じ後ろに下がる。


 よし、素直に下がってくれたか。

 でも、これをどうする……?


「ははは!! どうだどうだ!! いくらお前でもこれはどうする事も出来ないだろう!!」


 リーゼルは高らかに笑ってこちらを見ている。

 なんて奴だ、こんなに人がいるところでこんな魔法を使いやがって!!

 下衆の極みのような奴だ!!


「リーゼル!! おまえは絶対許さない!!!」

「ふん、本当むかつく奴だ! やれるならやってみろ!!」


 言われなくてもやってやるよ!


 俺は心でそう思いながら、この目の前にある炎の竜巻とでも呼ぶものに対抗する為に行動を開始した。


 この作品の物語を元にした別作品「俺、自分の書いた小説の主人公に憑依したようです 〜自分の書いた小説の主人公に憑依したら設定とか台詞とか展開とかいろいろ悶えた件〜」を投稿しました!


 これは主人公ライトに作者が憑依して、自分の書いた小説を味わうという、何とも自分がなったらと思うと拷問に近い形を作者目線で、この物語を体験し味わっていくという物語です!

 内容は一緒ですが、作者が自作品に悶える様子を書いていきますので、おそらくは笑えるかとは思います。

 もし、暇な時に読んで頂けたら嬉しいです!


 あと、こちらの方の本編ですが、もうストックが切れますので、近日中に週1〜3話の投稿ペースになるかと思います。

 その際は、次の投稿が予想でき次第、最新話のあとがきに次回投稿予定日を入れたいと思いますので、よろしくお願いしますm(__)m

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