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01.始まりはここから

 (ずっと、ずっと待っているから――――)


 もう幾度となく繰り返して見た夢から覚めた真尋は、重い身体をゆっくりとベッドから起こす。

 途端に、カーテンの隙間から溢れた朝日が真尋の顔を照らす。

 その眩しさに目を細めながら覚醒する。


(今日は入学式か……)


 自分より寝起きの良い幼馴染みが準備を万端に済ませてもうすぐやって来るなと思いながら真尋はベッドから出て洗面所に向かう。




 全天88星座開発研究機関日本支部―国立12星座学園


 そこが今日真尋とその幼馴染み、愁夜(しゅうや)が入学する学園。



 この世界の全ての者は生まれ落ちたその時から88星座のうち必ず何れかの星座の加護を受ける。

 その中でも黄道12星座の星の加護を受ける者は全体の2割にも満たない。

 極めて少ないのである。

 国立12星座学園はそんな稀少な星の加護を受けた者だけを、日本中から集めた学園である。

 稀少という理由故に下は15歳、上は25歳までという幅広い年齢層の学生が在籍している。

 黄道12星座の加護を受けていて15歳から25歳までの年齢なら何歳でも入学が可能だ。


 真尋と愁夜は共に17歳で入学する。




 顔を洗い終えた真尋は制服に着替え、共同リビングのドアを開く。

 そこには予想していた通り幼馴染みの姿があった。


 愁夜は部屋の真ん中にある大きなテーブルの端に座り雑誌を読みながらコーヒーを飲んでいた。


「おはよう。今日は流石に早いな」


 真尋の姿を確認すると言った。


「はよう……。またあの夢を見た」


 言いながら真尋は同じくコーヒーを淹れて愁夜の向かい側に座った。


「だんだん夢を見る感覚が狭くなってきているな。前は月に一度見るか見ないかくらいだっただろう?」


「ああ。今は週一のぺースで見るようになった」


 小さい頃からずっと見続けている夢。

 同い年か幾らか年下くらいの女の子がずっと真尋を呼び続ける。

 それが何なのか全く分からないが、何故か会いに行かなくてはならない気がしていた。


「タイムリミットがあるのかもな」


 読み終わったのか雑誌を閉じ、コーヒーを飲み干して愁夜は立ち上がった。


「とにかく何も分からないんじゃ対処のしようがない。12星座学園ならたくさんの資料があるから調べれば何か分かると思う。でもまずは入学式だ。……行くぞ」




 二人が学園に入学するのには二つの理由がある。

 一つは真尋が見る夢について調べる為。

 夢を見る周期が短くなってくるにつれてだんだん現実味を帯びてきた。

 まるですぐ目の前にあの女の子が居て自分に話し掛けているような。

 それと共に真尋の中に訳の分からない焦燥感が芽生える。早く、早くと。


 二つ目は単純に力を身に付けるため。

 追われる身である彼等は追手から逃げるためにも強く有らねばならない。

 国立12星座学園に在籍している間は学園に守られているため比較的安全なのだ。

 また学園に在籍する上で他の星座持ちより優遇されることが多々ある。


 真尋も立ち上がり二人でシェアハウスを出た。

 その後近くの喫茶店で朝食を済ませ、学園へ向かった。

初めまして、小説を読んで下さりありがとうございます。

この小説は私の初めての作品となります。なのでいろいろと拙い部分や矛盾点があるかも知れませんが、何卒ご容赦下さい。それでも読んで頂けるのであれば今暫くお付き合い下さい。

誤字・脱字・誤った文章など見つけた際は指摘して頂けると有り難いです。

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