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南瓜の魔法使い  作者: 栗木下


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第85話「南瓜とセンコ国-15」

 俺に向かって突き出される尻尾には今まで爪に込められていたのとは比較にならない量の魔力が込められており、もし喰らえば今の俺の防御力でも致命傷を負うのは間違いないであろう一撃だった。


「知ってたよ」

『なっ!?がああぁぁぁ!!?』

 だが、俺はその一撃を前にして一度笑うと冷静に身を反らして回避し、伸びきった尻尾を横から右手の剣で切断。


「これで本当のトドメだ。【共鳴魔法・胡瓜刀】」

『ぐっ……ぎいやああぁぁぁ!』

 そして一度解除してからずっとマントの中で別に腕を作って準備を進めていた【共鳴魔法・胡瓜刀】を発動して俺は神官を切り付ける。

 切りつけられた神官は聞くに堪えない悲鳴を上げながら後退する。

 流石の強度と言うべきか『ディザスカス』の効果で強化された皮膚は旬で無かった上に装填した魔力量が少なかった為に神官が防御のために上げた両腕と首の皮を浅く切ったところで【共鳴魔法・胡瓜刀】を止めてしまったが、それでももう大勢は覆らないだろう。


『何故だ!貴様の挑発に乗ったと見せかけて完璧に不意は打ったはずだ!?なのに何故完璧なタイミングで反撃できる!?』

 神官は両腕と尾から大量の血を流しながら自分の攻撃がなぜ防がれたのかが分からないと喚き立てる。


「誰が教えるかよ。【オーバーバースト】」

『があっ!?』

 そんな神官に対して俺は大量の魔力を流し込んだナイフを顔面に向かって投げつけて【オーバーバースト】によって爆破し、神官は爆発の威力によってその身体を大きく仰け反らす。

 まあ、どういう風に乞われても攻撃が分かった理由を教えてやる気は無いけどな。単純に魔力視認能力で尻尾に魔力が集まっているのを見ただけだし。

 ついでに言うと今も頭の左側から生えている大量の角に魔力が集まっているのを見たので接近せずに投げナイフで攻撃した。

 恐らくだが油断して近づいた所をグサリとやるつもりだったのだろう。


「それにしてもしぶといな……この分だと首を刎ねた程度で死ぬのか怪しそうだ」

『ぐっ……』

 俺は手の内で効果時間が切れて消滅していく【共鳴魔法・牛蒡細剣】を確かめつつ神官の様子を窺う。

 一見すれば完全な死に体。だがその目にはまだ諦めや絶望の色は見えず、また自暴自棄となって破れかぶれに突っ込んでくる雰囲気も無い。

 こりゃあ何かまだ狙っているものがあるな。

 そう判断した俺は残りの触媒を確かめてから構えを取る。


『はぁはぁ……こうなれば……止むを得ませんね』

「?」

 神官の言葉から戦いの最中にあった荒々しさが抜け、その目はまるで何かの覚悟を決めるような目に変わる。

 何となくだが俺はその目に嫌なものを感じ取る……。


『くっくっく……当初の予定とはだいぶ異なりますがそれでもいいでしょう』

「っつ!?まさか!」

『はへまへんよ!』

「ぐっ……」

 そして俺がその目が自らの信ずるものに殉じる意思と覚悟だと気づき、急いで神官にトドメを刺そうとするがその前に神官が足場に落ちていた第四王子の杖を拾い上げて発動した結界系の魔法によって近づくことが出来なくなってしまう。


「何をする気だ!」

『くふふふふ。既に『ディザスカス』の実験データは教団本部に送ることが出来ましたし、上にある王都の方で大量の人死にが出てくれたおかげでこれから行う魔法の贄も十分に集まりました。ああ、本来の道筋で無かったことが本当に憎らしいです』

 神官は狂った笑みを浮かべながら無数の目で俺を睨み続ける。


『ええ、本来ならば破壊神様の全身を御降臨させたかったのですよ。ですが、この腕ではそれは無理……ならば私が後為すべきなのは今後、我々(破壊神信仰者)にとって有害で不確定な要素である貴方を確実に消す事でしょうし、余波だけでも王都程度なら十分吹き飛ばせるでしょう……ふふふふふ。喜びなさい。貴方はこれから我等が主の片鱗に臨めるのですから……』

「まさか……」

 俺は神官の言葉に自分が嫌な汗を掻き始めていることに気づくと同時に眼下に存在している大量の魔力がいつの間にかどす黒くなっていることに気づく。

 そしてゆっくりと宙に浮かび上がる第四王子の杖。


『さあ見るがいい……これこそが我等が主である破壊神様の右腕なり!』

「!?」

 神官がそう発すると同時に宙に浮いた第四王子の杖が神官の左胸を勢いよく貫き、神官の全身から黒い魔力が噴き出すと空間の底に有った魔力が神官へと殺到する。


「おいおい……マジかよ……」

 やがて底に僅かな量を残してこの地下空間中の魔力は神官が居た場所に集まり、集まった魔力は凄まじいプレッシャーを放ちながらまるで繭の様にひとまとまりに収束して行く。


「【共鳴魔法・結界桜】!ぐっ……!?」

 そして、収束が終わった瞬間。

 虫の知らせの様なものを感じ取った俺は全力での防御を行い、そんな俺に対して目に留まらぬスピードで何かが放たれると、俺は全力の防御すらも殆ど無視するようなその勢いと力に押されて堅牢なはずの壁をも突き破って上へ上へと押し上げられていき、やがて……


「がああああぁぁぁぁぁ!?」

 大穴を開けて地上へと押し上げられた。

さて来ましたよ

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