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南瓜の魔法使い  作者: 栗木下


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第65話「南瓜と徴税官-1」

 さて、冬の間細々とした実験と新しい共鳴魔法の開発を進めていたらいつの間にやら雪が融け始め、春が近づいて来ていた。

 と言うわけでサンサーラエッグ村全体としては新しい建物を建てたり、農作業の準備を始めたり、冬眠明けの猪や熊対策に装備品を改良したりと言った作業があるのだが、それとは別に俺には村の為にやらなければいけない事がある。


「貴方がパンプキン殿ですか」

「そう言うアンタが税務官でいいのかな?」

 現在俺はマウンピール村に来て一人のバードマンの男性に出会っていた。


「その通りです。私の名前はタックス・ホワイトアイと申しまして、クヌキ伯爵様よりサンサーラエッグ村について調べる様に仰せつかりました。あっ、一応爵位として男爵位を持ってはいますが名ばかり貴族ですのでお気になさらず」

「なるほど。俺がサンサーラエッグ村の村長を一応務めさせてもらっているパンプキンだ。これからよろしく頼む」

 タックス・ホワイトアイと名乗った彼は黄緑色を基調とした翼を背中に持ち、腰には護身用と思しきレイピアを差しており、その服装は動きやすさを優先してなのか見た目よりも実用性を優先した感じである。


「それでは。村までの案内をお願いできますか?」

「ああ、任せておけ」

 そうして俺はタックスさんをサンサーラエッグ村へと空を飛んで連れて行くのだった。

 なお、バードマンと言う名は付いているが、彼らの羽はどちらかと言えば保温のための物であり、空を飛ぶものでは無いそうだ。出来て滑降ぐらいだとか。

 そんなわけで連れていく際にタックスさんは聞いているこっちが気持ち良くなるぐらいいい悲鳴を上げてくれましたとさ。


「はぁはぁ……も、もう少しゆっくり飛んでも良かったのでは?」

「いやー、この時期は森に住む魔獣たちの関係であまり村を空けておきたくなかったものでして……つい」

「そうでしたか……」

 で、無事に村に到着した所で一応の言い訳をしつつ着地。


「ゾクチョー」

「ん?レイギか。何かあったのか?」

「ああ、これが……」

 と、ここでレイギがやって来て俺に話しかけてくる。

 レイギを見たタックスさんが何か書類の様な物を見て頷いているが、きっと情報通りかどうかを確かめているんだろう。

 それよりも大切なのは今日はタックスさんを連れて来て案内するので一日取られるのが分かっているのにレイギが話しかけてきたと言う事実である。

 レイギの性格的に……うん。何かあったな。


「猪キタノデ、カエリウチ。今カイタイチュー」

「ああなるほど」

 そう言ってレイギが指さした先には村を囲う柵の残骸と現在進行形で解体されている猪の姿、それにそれらに関連する作業を進めているスパルプキンたちとハンティングビーたちの姿があった。


「折角ダカラ、オ祭リシテイイデスカ?」

「そうだな。タックスさんが来たお祝いも兼ねて越冬成功祭でもやるか」

 で、そうして祭りを行う許可を出したところ……


「キョカガデター!」

「ヤッター!」

「サワグゾー!」

「ノムゾー!」

「ウタウゾー!」

「何デモイイカラヤルゾー!!」

「「「ブンブブブンブーン!!」」」

 レイギの言葉と共に一気に全員が湧き立った。

 ああうん。冬の間はあまり大騒ぎとかは出来なかったもんな。たぶんだけどその鬱憤が出たなこりゃあ。

 ちなみに、この時点でタックスさんの方に目を向けると……


「えっ……クロイングボアが普通に来て……しかも狩られてる……それにハンティングビーの巣がどうして村の中に……?あれ?あれれ?」

 と、こんな感じにフリーズしていた。

 まああれだな。スパルプキンと言う種族について聞き齧っていただけの初心者には少しばかり刺激的な光景だったかもしれない。

 ただ、タックスさんが猪の解体風景程度なら問題なく見れると言うのは良い情報だな。

 ぶっちゃけ、この村ではこのぐらいは日常風景だろうし。

 ついでに言えばこのレベルでフリーズしてくれるような人なら無闇に村の外に出て命を危険に晒すような真似もしないだろう。

 いやー、ありがたいありがたい。彼に万が一があると俺が責任を取られるからな。


「まあアレです。まだまだ作っている途中ですが、一つ一つ説明をしていきますよ」

「あっ、はい。よろしくお願いします」

 と言うわけでタックスさんを連れてスパルプキンたちがお祭りの準備をしているサンサーラエッグ村の中を二人で回り始める。

 なお、祭りについては今までにした教育で大体こんな物だと言うのを伝えてあるので、多少カオスにはなるだろうが、心配をする必要は無いと思っている。

 ちなみに楽器については木琴に似た何かや太鼓に似た何かが作られ始めている。こちらについては作り方を教えた覚えは無いのでリーン様の入れ知恵だろう。


「何と言いますか未開の地に来た気分ですね……」

「その認識であまり間違っていないと思いますよ」

 で、一通り見せても問題ない物を見せた所でタックスさんの口からそのような発言が出たので、それもそうだと思って俺は同意の返事を返す。

 そして……


「とりあえずあれですよ。『常識に捉われないでください』」


 とだけ言っておく。

 小さく『肝に銘じておきます』と言う声が聞こえたので納得はして貰えたのだろう。きっと。

例のAAは無しですよ


03/31誤字訂正

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