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南瓜の魔法使い  作者: 栗木下


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第63話「南瓜と海月-1」

「おいーっす。元気にしてたか」

「あっ、パンプキンさん」

 クヌキ伯爵と会談した翌日。

 リオがクヌキハッピィに居ると言うので俺はレイギを連れて会いに行き、リオにリョーコさん、それからスラムの人たちにスパルプキンについて説明しておく。


「カボチャだー」

「おもしろーい」

「ヨロシクデース」

「「「わいわいがやがや」」」

 で、説明の結果として無事にレイギはスラムの方々に受け入れてもらい、今は子供たちと一緒に踊って遊んでいる。

 ああうん。やっぱりと言うか良い人揃いだなぁ……。


「そろそろ買い出し行くぞー」

「アーイ」

 そして1時間ほど遊んで親交を深めた所で俺はレイギと一緒に今回クヌキハッピィに来たもう一つの理由である買い出しを始める。

 まずお金に関しては前回来た時に余っていたお金に加えていつもの様に猪の毛皮などを売って確保すると共にハンティングビーの蜜も協会の依頼と言う形で納品してお金と貢献度を稼いでおく。

 で、買い出しの内容としては……まず料理用の鉄鍋やフライパンの様にサンサーラエッグ村で収集できる素材ではまず作り出せず、かつ俺単体で持ち帰ることが出来る物品だな。

 次いで村で待っているスパルプキンやハンティングビーたち、そしてミズキとリーダーのためのお土産として飴を主体とした各種お菓子類。

 ついでに道中でプレインさんを見かけたので魔力酔いについて報告をしておくがこれは買い物ではないので脇に置いておいて、最後に俺個人が使うインクや羊皮紙を買う。

 と言うわけで……


「ココガソウデスカ?」

「そうそう。ここが『ウミツキ文房具店』」

 他の買い出しが終わったところで『ウミツキ文房具店』に行く。

 外観は……まあ、相変わらずの謎のクラゲ看板であるが、ここで売っていた羊皮紙に使われていた魔法がミズキ曰くこの世界の魔法ではないらしいし、その事を知ってから改めてこの店の外観をよくよく観察してみるとおかしなものを感じる。

 何と言うかこの建物だけずれている感じがするのだ。

 外見的なものでは無く、うーん……何て言えばいいのか……魔法的と言えばいいのか存在的にと言えばいいのか……まあ、とにかく何かがずれているのだ。


「レイギ。お前の目から見て違和感の様な物は感じるか?」

「少シオカシイデス。デモ、何ガオカシイノカハ分カラナイデス」

 ふむ。事前に『ウミツキ文房具店』についての情報として俺の使っている羊皮紙の出所と言う情報しか与えなかったレイギの目で見ても何かがおかしいと感じるようだな。

 となると俺の気のせいと言う線は消えたか。


「まあいいや、入店するぞ」

「了解デス」

 まあ、いずれにしてもここの品物が良い品物なのは確かだから警戒はしても購入はするんだけどな。

 と言うわけで俺はレイギと一緒に店の中に入って行く。


「ちわーっす」

「オ邪魔シマス」

「あらいらっしゃい。久しぶりね。そしてそっちの子は初めましてね」

 店の中に入った俺を店主が出迎えてくれる。

 うん。相変わらず綺麗な紫色の魔力をしているな。


「それで今日の用件は?」

「前回と一緒で羊皮紙とインクを買いに来た。あ、それとこっちの紹介」

「れいぎト言イマス」

「よろしくね。レイギちゃん」

 店主さんはレイギの方を見てにっこりと笑う。

 その笑みを見る限りではやはりヒューマンっぽい感じだが……まあ、ヒューマンではないな。ヒューマンには無い特徴が多すぎる。

 さて、問題にならない程度に探りを入れておきますか。


「レイギ。店の品物でも見てて少し待っていてくれ」

「ハイ」

「あら、品物以外で何か用かしら?」

 俺はレイギにそう言うと品物を取り出している店主の方を向く。

 考えてみれば俺はこの店主の名前すら知らないんだよな。


「その顔から察するに色々と聞きたい事があるみたいね」

「まあな。この前の羊皮紙のに掛けられていた魔法についてちょっとあってな」

「ああ、そう言えば貴方からは精霊の魔力の残滓を感じるわね。それなら分かってもおかしくないか」

「ーーー!?」

 店主の言葉に俺は思わず驚く。

 魔力の残滓って……俺はミズキから何か魔法を掛けられた覚えは無いから、それこそ人間で言うなら他の女の匂いが残っていましたとか髪の毛が付いていましたとかそう言うレベルの発言だぞ……何でそんなのが分かるんだ?


「もうヒューマンでないことは分かっているでしょうから言っちゃうけど種族特徴みたいな物よ」

 何と言うか……それはまた変態的な種族特徴で……。

 まあ、本人が気にしてないなら別にいいか。


「と言うか俺はアンタの使う魔法がこの世界の物ではないという事も聞いたんだが……」

「ああ、それも知ってるんだ。ええそうよ。有体に言ってしまえば私は異世界人と言う訳ね。正確に言えば世界(アウター)()外側(ワールド)を知るものと言った方が正しい気もするけど」

 異世界人……ね。どうしてこんなところに居るのかは知らないが転生があるなら生きたまま異世界を渡る方法があってもおかしくは無いか。


「あ、どうやって世界を渡ったとかは企業秘密だから聞かないでね」

「聞かないっての」

 実際の所世界を渡る術については知っておきたい気持ちもあるが、今知ると対処しきれないレベルと量の厄介事を抱え込む気しかしないから聞かないでおく。

 ついでに言えばこの店主がリーン様とその敵、どっちの側についている存在なのかも分からないから迂闊な事は口走れないと言うのも有るが。


「お待ちどうさま。」

「ん。ありがとさん。ああそうだ。今後の為に名前ぐらいは聞いておいてもいいか?」

「ああそう言えば名乗ってなかったか。ロウィッチよ。今後とも是非ともご贔屓に」

「そうだな。いずれにしても世話にはなるだろうしな。じゃ、レイギー帰るぞー」

「ハイデス」

 と言うわけで俺は支払いを済ませるとロウィッチに別れを告げ、レイギと一緒に『ウミツキ文房具店』を後にすると、その足でクヌキハッピィの外に出てサンサーラエッグ村に戻るのであった。

バラしました


03/29誤字訂正

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