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剣と魔の誓い  作者: Peta
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第三話 不思議な感覚

揺らめく炎。燃え落ちる村。アレンはその中で立ち尽くしていた。


「何してんのよ!」


アレンは突然手を引っ張られた。


「うわぁ!」


悪魔しか眼に入っていなかったアレンは驚いた。


「しっかりしなさいよ!」

「ルナ!」


手を引いたのはルナだった。


「お前!どこ行ってたんだよ!」

「そんなことより!早く逃げないと殺されるわよ!」

「分かってるよ!」


アレンはさっきのことを考えていた。足がすくんで動けなかった訳ではない。ただ、


″この剣を抜いて悪魔と戦わなくては″


と思っていた。その事しか頭に無かった。


(何考えてんだよ俺)


「うわあぁぁ!」


アレンは悲鳴で我に返った。悲鳴のした方を向くと少年が悪魔に襲われていた。


「カイル!」

「!」


アレンは走り出していた。


「やめなさい!」


もはやルナの声は聞こえていなかった。


オーガ型の悪魔の鋭い爪がカイルに向かって振り下ろされようとしていた。


「危ねえ!!!」


間一髪、呆然としていた親友に飛び付いてかわした。


「カイル!しっかりしろ!」

「ア、アレン・・・」

「おい、大丈夫かよ!」

「!!!後ろ!」


血のように紅い眼が二人を見ていた。再び悪魔の爪が迫る。


(やられる!)


そう思った瞬間、


‐ガキィィン‐


見えない壁が二人を守った。

(ま、魔法か?一体誰が・・・)


アレンの耳に呪文を詠唱する声が聞こえた。


(ルナ!アイツ魔導士だったのか!)


「聖なる光よ、今ここに邪を貫く剣と成れ!」


悪魔の周りに光が集まり無数の剣を造った。


「- ホーリーソード -」


無数の剣は一斉に悪魔を貫いた。


「グォォ」


オーガ型の悪魔はうめき声を上げながら倒れた。


「「すげぇ・・・」」


二人が関心していると、


「早く逃げなさい!」


ルナの声が聞こえた。今の騒ぎで他の悪魔が集まって来ていた。ルナは悪魔の方にむけて呪文を唱え始めた。


「やべぇ!逃げるぞ!」

「・・・わりぃ。カイル、お前だけ逃げてくれ。」

「なっ、何言ってんだよ!」


アレンはルナと悪魔の所へ走った。


(馬鹿な事を言ってるのは分かってるよ。でも・・・)


アレンの中で何かが叫んでいた。‐戦え!‐と。


†††††


「多過ぎるのよ!」


ルナは愚痴った。


「揺らめく炎よ、焔と成りて邪を焦がせ!- フレア -!」


巨大な火柱が5、6体の悪魔を呑み込んだ。


(くっ、これ全部となると魔力が持たないわね・・・)


「ルナ!」

「!」

「大丈夫か!」

「馬鹿!何で逃げなかったのよ!」

「うるさいな!俺の勝手だ!お前だってこのままじゃ魔力が持たないだろ!」

「!うるさい!まだまだイケるわよ!」

「それだけ元気なら大丈夫だな。お前は飛んでるヤツを片付けてくれ。」

「他のはどうすんのよ!」

「俺がやる!」

「そんなの無理よ!」


アレンは、なぜこんなに自信があるのか分からなかった。剣を持つのも初めてである。しかし自分の中の何かが言っていた。


「無理じゃない!」


アレンは悪魔に向かって走った。剣の柄に手をかけると剣の振りかたや身のこなしを知っているような感覚がした。その感覚のままにアレンは剣を引き抜いた。


「はあぁぁああ!」


金色の閃きが眼の前の悪魔を一刀両断した。


「すげぇ・・・」


アレンは、この時初めて剣を眺めた。蒼い柄に銀の装飾、刀身は金色でアレンには読めない文字が刻まれていた。


「!」


剣に魅了されていたアレンに悪魔が迫っていた。


「チッ!」


アレンは避けながら斬り臥せた。そして地上の悪魔を次々に倒していった。


「すごい・・・」


アレンの様子を見ていたルナは上空の悪魔を魔法で打ち落としながら呟いた。


(それにあの剣。やっぱりアレンが剣聖アランの・・・)


二人は悪魔を倒し続けた。


†††††


「お前で最後だ!」


アレンは最後の一体を斬り臥せた。


「はぁはぁ、終わった。」


アレンが言った。


「あ、あれだけ、いたの、ぜ、全部倒したのね。」


ルナは悪魔を倒した後、炎の消火までしたので息を切らしていた。


「・・・」

「・・・どうしたのよ。」


浮かない顔をしているアレンに、ルナが尋ねた。


「俺、何でこんなことできたのかなって思ってさ。」

「それは多分・・・」

「!何だよ!何か知ってんのか!?」

「アナタの家で話すわ。リリィさんに聞かないと分からない事もあるし・・・」

「姉さんに?」

「そう。だから早く帰るわよ。」

「んだよ、勝手だな!」

「うるさいわね!さっさと帰るわよ!きっとリリィさん心配してるわ!」


そう言うと、ルナはスタスタと歩き出した。


(何であんな元気なんだよ)


アレンは少し関心しながらルナを追い掛けた。

第三話を読んでいただきありがとうございます。今回はバトルでした。アレンがなぜ戦えたかは次の話です。次の話もお付きあい下されば幸いです。

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