第十四話 予選開始
「そろそろ新しい町ですか!?」
「早すぎるわよ!!!ι」
三人はアイフリードを出て次の町を目指して歩いていた。照りつける日差しが体力を奪っていく。しかしそんな中、
「とにかく急ぎますよ!」
(・・・テンション高いなι)
ハルナのテンションが異常に高い。
-1時間前-
「ちょっとそこのにいちゃん!」
「俺?」
ホテルを出ようとしたとき見知らぬ男が話しかけてきた。「隣町のクライムで武道大会が開かれるんだけどにいちゃんも参加してみないかい?」
「武道大会があるんですか!」
食い付いたのはハルナだった。
「おうよ!勝敗を決めるのは己の拳だけ!にいちゃんは、なかなか強そうだ。俺の眼に狂いは無い!にいちゃんなら優勝出来るぜ!」
「そ、そうかな・・・!」
「何乗せられてんのよ!あんたが優勝出来るわけ無いでしょ。それにそんなものに付き合ってる暇は無いわ。」「そこまで言わなくても・・・ι」
「と言うわけでアレンは出場しないから。」
「そうか、もったいねぇな。優勝賞金は100万Aなんだけどな。」
「出場するわ!」
「おい!」
(お前も乗せられてんじゃねぇか!)
「私も出ます!」
ハルナが眼をキラキラさせながら言った。
「ハルナちゃん!あなた戦えるの?」
ルナが聞く。
「はい〜!ちっちゃい時から武術をやってました〜!今まで一人で旅してきたんですよ!戦えないとやっていけませんよ!」
「それもそうね。自信はある?」
「ありますよ!優勝狙いです!」
「よし!わかったわ!この二人が出場するわ!」
「はいよ〜!そんじゃ参加費一人10万Aね。はいこれチケット。」
「絶対にどっちかが優勝するのよ!」
「もちろんです!」
「お前らな〜ι」
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「早く着かないかな〜♪」
「ハルナ〜、なんでそんなにテンション高いんだよ。」
アレンが聞いた。
「いやぁ、最近運動してないか体がなまっちゃって。久しぶりに武術をやれると思うとつい〜♪」
(付き合わされるこっちはたまったもんじゃないよι)
「ハルナ、ちょっと休憩・・・」
「なに言ってるんですか〜!早く行きましょう!」
「ハルナちゃん!待ちなさい!」
「置いてきますよ〜♪」
ハルナはニコニコしながら二人を急かしている。
「「・・・ι」」
アレンとルナは顔を見合わせて溜め息を着き、歩き出した。
†††††
「着きました〜☆」
「ここか・・・」
「ようやく着いたわね・・・」
「?どうしたんですか二人共!元気ないですよ〜?」
「この炎天下の中、5時間ぶっ通しで歩き続ければ元気も無くなるわよ!!!」
結局三人は炎天下の中を急ぎ足で歩き続けた。「登録は向こうですね!行ってきます!」
「・・・」
ルナはハルナの笑顔になにも言えなかった。
「ほら!アレンさん、行きますよ!」
「ち、ちょっと休憩・・・」
その言葉も虚しく、アレンはハルナに引きずられていった。
†††††
ルナは二人がいなくなったのでどうしようか迷っていた。
「私一人待たせるなんて!」
ルナは一人でブツクサ言いながら立ち尽くした。
(なにしてろっていうのよ!)「ルナ様・・・?」
「えっ?」
ルナは突然後ろから名前を呼ばれて驚いた。
「あなた誰?」
振り向くと白髪の老人が立っていた。
「覚えておられないのも仕方ないかもしれません。私はルナ様が御幼少の頃、教育係を務めさせていただいたルドゼブという者です。」
「あっ!ルド!!久しぶりね!」
「お綺麗になられて。見違えましたぞ!」
「褒めたってなにも出ないわよ?それにもう王族は滅んだのだから、そんなに堅苦しくしないで。」
「いやいや、これは私が王族ではなく貴方に忠誠を誓っている証です。そして貴方は本当にお綺麗ですぞ。」
「ふふっ、ありがと!」
ルナは照れてはにかんだ。
「それにしても、ルドは元気ね!」
「これでも貴方の教育係ですからな。貴方にはかなり手をやきましたよ。」
「もう、ルドったら・・・それより、よく私だってわかったわね!」
「!・・・貴方のその蒼い眼と、美しい金色の髪を・・・私が間違える筈がないでしょう。」
ルドゼブはそう言ってやさしく笑った。
†††††
「受付はどこなんでしょう?」
「見当たらないね。」
アレンとハルナは武道大会が開かれるらしい広場にいた。広場は早くも飾り付けられ、出店が並び、まさにお祭りムードだった。
「賑やかだな。」
「そうですね〜。」
二人がそんなことを話していると、
『あ〜、あ〜只今マイクテスト中、あ〜』
拡声器による放送が流れた。
『武道大会に出場予定の皆さんにお知らせでーす。』
響いたのは軽薄そうな男の声。
『武道大会出場予定者が全員この町に集まったのを確認しました。只今から武道大会予選を始めます!ルールは簡単、出場予定者が8人になるまで皆さんで潰しあって下さい♪出場予定者じゃない人に攻撃を加えた場合チケットが爆発するから気を付けてね♪』
「何て適当なんだι」
「面白そうじゃないですか♪」
「そ、そう?」
「はい♪♪♪」
『皆さん用意はいいですか?そんじゃあ始めてくださーい!』
ピーという機械音が拡声器の向こうで響き、始まりを告げた。
どうもぺたです!
久しぶりの更新です。楽しみにしてくれている読者の方(いるのか?)には申し訳ありませんでした。
最近忙しいですι次も遅くなると思います。
最近新しい小説を書こうかと思っています。だからますます更新速度が落ちると思います。次もお付きあいいただけたら幸いです。