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幼馴染を寝取られたが貞操逆転世界でハーレムを作って幸せになりたいと思う【完結済】  作者: みどりの
第一部 六章 デートでドキドキ? 誤解でハラハラ?
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第85話 ボーイッシュで可愛い人だった(陽菜視点)

 岩清水さんと小烏こがらすさんとのお弁当係の買い物が終わって、それぞれ解散して駅に向かっていたら改札をくぐろうとしたところで恭介くんの姿が見えた。


「きょ…」声をかけようとした瞬間、恭介くんが女の人と向き合っているのが見えたので思わず口を押えて柱の陰に隠れてしまった。

 距離があんまりないけど気付かれてないと思うからなんとなく悪いことをしてるみたいで私の心臓がバクバク言っていた。

 こういう時私の心臓がいうことを聞いてくれないのは私に心臓をくれた人が私に警告してくれてるのかなって思う。


 距離はあんまり離れてないけど駅の中のアナウンスや雑踏で恭介くんの声は全部は聞こえないけどところどころは聞き取れた。聞いちゃダメだって心臓が警告してくれてるのにズルい私は一生懸命耳を澄ませてしまう。


「……サンゴのイヤリングで……俺……サンゴ…………好きだから。

 ……誕生日おめでとうございます……また部室で会いましょう……さんご先輩」

 聞き取れたのは単語がいくつかと誕生日をお祝いしていたこと、何か包みを渡しているところを見て柱に隠れたからあれが誕生日のプレゼント? あのさんご先輩って人が恭介くんの心の中を占めてる人? サンゴが好きってそういうことなの?

 頭がグルグルするけど……深呼吸して心臓が落ち着くのを待つ。


 ドキドキが治まってから柱の影から出ると恭介くんはもうホームに移動していた。

 盗み聞きしちゃった疚しさから電車を一本遅らせて別の電車に乗って恭介くんに会わずに帰ろうかとも思ったけど、せっかくお話しできるチャンスを逃すのもイヤだったから頑張って声をかけて挨拶した。


「恭介くん、こんにちは。今日はこっちの駅の方に来てたんだ」

 普通に笑えてるかな? ちょっと自信がない。

 恭介くんが私の買い出しした食材の荷物を見て、持ってくれるというので素直に持ってもらう。これからのお弁当についての遣り取りをした後でホームに滑り込んできた電車に乗り込み恭介くんのカメラについて詳しく聞いた。


 二人で溺れかけたあの日、川に落ちてカメラを壊しちゃったらしい。知らなかったからビックリした。

「光画部……えっと……つまり写真部なんだけど、そこの部長さんに付き合って貰ってカメラを選んでたんだ。前までは新品を使っていたんだけど今回は中古で、それも10年くらい前の機種になっちゃったけどこれからカメラも覚えたいから」


 ふ~ん……さっきの人は、さんご先輩は光画部の部長さんなのか……ボーイッシュで可愛い人だった。

 私とは正反対な感じ。恭介くんはああいう人が好きなのかな? 胸がチクチクするしモヤモヤが止まらない。

 こんな気分になるなら今日はお出かけなんてするんじゃなかったなってへこんでしまう。楽しい一日だったはずのに……

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