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第75話 俺の病気についての相談になる(陽菜視点)

「えっと……凄く似合ってます。か、可愛いです。

 それとお弁当ごちそうさまでした。美味しかったです」

 恭介くんが真っ赤な顔をしてお弁当の袋を差し出す。


「まあ、私の気持ちのこもったハート全部食べてくれたのね。嬉しいわ」

 お母さんが本当に嬉しそうに言うので恭介くんが真っ赤になっている。私は恭介くんがデレデレしてるのが正直言って面白くない。

 あの桜でんぶのハートマークのお弁当も最初から狙ってやったんだ……今日すぐに使えるとは思わなくてもいつか生きてくる布石として。

 相変わらずお母さんは何手先まで読んでいるんだろう。


「あら、お返事の手紙がないようだけど……それに、ものさしは使わなかったの?」

 お母さんが受け取った袋の中を探した後、思いっきり袋からはみ出している30㎝ものさしを取り出して何故かクンクンと臭いを嗅ぎながら聞いた。

 高校の授業で30㎝のものさしを使ったことなんてないし、数学の授業で使う用事もない。いったい何を測るんだろう。


「えっと……一応自分で測ったことがあるんで……四捨五入して20㎝です」

 と恭介くんが返事をすると、「あらあら24㎝もあるの? 凄いわね」とお母さんがからかい、「20㎝未満です」と顔を赤らめた恭介くんが答えている。


 何のことだかか分からないけど、恭介くんは完全にお母さんのペースに飲まれている。

 多分お母さんに言いたいことがあって来たんだろうけどこのままじゃお母さんのなすがままに取り込まれてしまうことが確実だと思う。この流れは絶対断ち切らないと。


「お母さん、とにかく立ち話も恭介くんに失礼だからリビングでお茶でも飲みながら話そうよ」

 一旦場を仕切り直そうとした瞬間、お母さんがものすごくうれしそうに笑う。

「あらあら、陽菜ったら恭ちゃんのことを「恭介くん」って呼ぶようになったのね。どういう心境の変化なのかしら。その辺の話をお茶でも飲みながらゆっくり聞かせて貰おうかしら」

 しまった……この場では今まで通りに多々良くんって呼ぶべきだったか? でも恭介くんに怒ってるとか思われたくないし……もう、どうすればいいの?


 お母さんの攻勢に二人揃ってタジタジで、このままだとジリ貧になるのが分かっているからリビングに移動して三人で椅子に腰かけてこの後どうしようかと一生懸命考えていると恭介くんが声を上げた。

「さちえさん、陽菜、俺の病気についての相談になるからこれからのことを一緒に考えて欲しい」


 え? 恭介くんて何か病気だったの?



 20㎝>恭介のちん長≧15㎝ 数学的にはこういうことですね。

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