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第54話 レズ風俗と男娼風俗……イクならどっち?

「だからね、絶対レズ風俗の方がイイっての……女同士が一番気持ちいところが分かってんだから」

「ちさとはそういうけど、やっぱりあの男の逞しい腕に抱かれたら女じゃ満足できなくなるわよ」

 陽菜の前で拉致られるように連れ去られた俺は、みなもさんの部屋での部屋飲み二次会に連れ込まれていた。


 この貞操逆転世界で初の女性の部屋にドキドキする暇もない。

 俺にはコーラを渡して乾杯を始めた二人がレズ風俗 vs 男娼風俗という俺にとっては死ぬほどどうでもいい話でレスバじみた口論を始めたので俺はさっきから台所を借りておつまみを作っている。

 本当に死ぬほどどうでもいい……お家に帰りたい。


 あっちの世界でヒナとの夏休みの旅行代金のために、居酒屋の厨房でバイトしたことがあるからおつまみくらいなら作れるのだ。

 幸いみなもさんは刑事という忙しい職業なのに自炊派で冷蔵庫の中に()()含めて色々あったので食材には困らない。


「だから~、男娼なんて勃起薬飲ませたって一日二、三人の相手が限界じゃん?……それに勃起薬使わないと抱いてもらえないみたいでかえって女としての自信なくすでしょ?」

「でもゴム越しとはいえ、本物の感触ってイイと思わない? 人によって全部太さも長さも硬さも違うんだから。

 それに胸板とか男の乳首とか、女同士だと味わえないし」

 ちさと先生が言うと、みなもさんがまたそれに言い返す感じで……あ~あ~あ~……俺はなんにも聞こえてない~


 優しい担任の先生と頼りになる女刑事さんが給料の余裕分をほとんど風俗につぎ込んでるとか絶対知りたくなかった。この世には()()()()()()()()ことがある。

 元の世界で憧れのお兄さんが風俗店に入っていくのを見てWSS(私が先に好きだったのに)をこじらせる女子高生みたいな気分になっている。


 まあこの貞操逆転世界でも女性が風俗に行くのは、元の世界で男性が風俗に行くのと同じで法律的に何にも問題がないことなので、それぞれの趣味ということでしかないのだ。

 だけど二人ともギャンブル大好きで風俗通いって……本当に婚期逃がすぞ?


 二人の前にとりあえず簡単に準備した冷ややっこと濃い目の塩水で湯がいた枝豆、ウインナーのベーコン巻きをおつまみとして出してあげる。


「多々良ありがとう……。アンタ、アタシのうちに嫁に来ない~? イヤ来るべきでしょ~」と、ちさと先生。

「るぱん~たいほだ~」俺の腕を掴みながら()()()さんも口調がおかしくなってる。かなり酔ってるな。


「はいはい、水元警部、お水を持ってくるからちょっと待っててくださいね」

 適当に流して台所に逃げようとすると反対の腕をがっしりちさと先生に掴まれた。


 ん……国語教師なのになんでこんなに力強いんだこの人。筋トレする前の元の多々良恭介だったら全く抵抗できそうにない。


「結論はこいつに出してもらいましょう。こいつが票を入れたらどっちに票が入っても2対1で決着よ。

 多々良! レズ風俗と男娼風俗……イクならどっち?」

 どっちの風俗りょうりショーかよ!?

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