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第51話 真っ赤な顔をしながらエプロンを

「姫川さん、制服の上着を脱いでも大丈夫だったらロッカーに預けた方がイイよ。イヤじゃなかったら俺が一緒に預けるけど」

 お店に入ってちさと先生が「4名で予約していた水元だけど……」と人の名前で予約して人のお金で食べる気満々だったことが丸バレの会話をしているので、その間キョロキョロしてるとコインロッカーを見つけた。

 あれに服を入れておけば服に煙の臭いをつけずに済むらしい。


 自分の制服を預けるついでだから陽菜の分も預けておこう。

 刑事さんのスーツが焼き肉臭いと大変だろうからみなもさんの服も預かって……タダ肉を堪能する気満々のちさと先生は明日焼肉臭が染みついた服で出勤して肉食系の印象を持たれてしまえばいいと思う。


 結局、当然のようにちさと先生の服も預ける羽目になったが、借りたロッカーのお金をみなもさんが出してくれたのでこっちに損はなかった。


 ……冬服の上着を脱いでこっちに渡してくる陽菜が変な顔で悩んでる。

「多々良くん、セーター着たままだとやっぱり焼き肉の臭いついちゃうよね?」

 制服のブレザーの下に着ていたのが毛糸のセーターだったのでちょっと悩んでしまったらしい。


「ああ、毛糸は臭いが付くって言うよね。カゴに入れて一緒にロッカーに入れられるから脱いだ方がいいんじゃない」

 と脱ぐことを勧めておいた。そうだよね……とつぶやくとクルッと後ろを向いてセーターを脱ぎ始める陽菜。


 一生懸命セーターを脱ごうとする陽菜……小動物みたいだけどおっぱいが大動物でセーターに引っ掛かって罠にかかった生き物みたいになってる。

 えいっ、頑張ってセーターを脱いだ陽菜。


 ぷるんッと大きく揺れる胸。思わずガン見してしまう。


 こっちの世界の陽菜の方がおっぱいが大きい気が……いや気のせいじゃなくて間違いなく大きい。こっちは陽菜の専門家。いうなれば陽菜ソムリエである。


 ブラウスが可哀想なことになってて、ボタンとボタンの間の生地が思いっきり引っ張られて隙間が出来て下の薄い水色のブラが見えちゃってる。


 セーターはこれ(ブラチラ)を防ぐためだったのか……ガン見したいし何なら写真も撮りたい気持ちをこらえて陽菜の方を見ないようにしながら店員さんに油跳ね防止用の紙エプロンを貰ってきて無言で陽菜に差し出す。


 陽菜は席に行く前にエプロンをつけるのが恥ずかしいのか真っ赤な顔をしながらエプロンをつけていた。

 この貞操逆転世界ではあの巨乳だけが作るブラウスの隙間って男にとっての社会の窓的価値観なのか? 悪徳教師がニヤニヤしながら肘でウリウリしてくるのがめちゃくちゃ鬱陶しい。

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