表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/331

第26話 セクハラをブチかましたくらいの案件

 ドタドタドタドタ

 すごい勢いで陽菜が階段を駆け下りてくる。外出も出来そうな白いワンピース。陽菜は自宅でも綺麗な格好をしているらしい。


「お母さん! 恭ちゃんに何言ってるの!」

 すごい剣幕で母親につかみかかる陽菜。


 さちえさんの襟の辺りを掴むようにして、奥のキッチンの方に引っ張っていく。

「じゃあまたね~恭介く~ん♡」

 ハートマークがついていそうなさちえさんの声に、陽菜は「お母さんはこっち!」と強く言いながらキッチンに引きずり込んでドアを閉めた。


 ああ、これあかんヤツや。

 元の世界の女子高生で例えると、昔お医者さんごっこをして遊んだりしていた女の子が久しぶりに家に来たと思ったら先に対応した親父が「おっぱい大きくなったね。今度揉ませて」とセクハラをブチかましたくらいの案件である。俺がその光景を見たら親父をぶっ転がす自信がある。

 幼い頃とはいえおちんちんを揉んだり、おちんちんの写真を撮ったりしていた陽菜にとっての大事な幼馴染であるこっちの多々良恭介にセクハラかましたさちえさんの命は大丈夫だろうか。


 30秒も経たずにドアが開いて白いワンピースのままの陽菜が出てきた。

 30秒で始末するための包丁を手にするためにキッチンに向かった可能性もゼロではないが、白いワンピースが血で汚れていないからきっと大丈夫と判断する。

 陽菜はいい子なのだ。


「お、おまたせ、きょう……多々良くん」

 恭ちゃんと呼びかけて訂正する陽菜。そういえば病室では凄く久しぶりに陽菜に恭ちゃんって呼ばれたなと思いだす。


「えっと……家にはお母さんがいて落ち着いて話せないから外で話してイイかな? すぐ裏に公園があるからそこで」

 元の世界でも小さい頃俺たちが遊んでいた公園、そして前の世界で6月の雨の中、西田にフラれたヒナが泣いていたあの公園だ。

「イイよ。懐かしいな」流石にあの公園にはこっちの世界の多々良恭介も訪れたことがあるだろうと予想して返事をする。


 二、三分の道中だが二人の間に会話はなかった。

 公園に着いたが、元の世界と同じようなごく普通の公園だった。

 遊具の代わりに()()()()とか置いてあったらどうしようと思ったが本当に普通のジャングルジムや地球儀のある公園だった。


やっとヒロイン登場です。

誤字などあったら報告いただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ