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第257話 3人には完全に胃袋を掴まれちゃってる

 陽菜には元の世界のさちえさんとの関係を話しただけという説明をしておいた。

 嘘をついているわけじゃないし、陽菜に俺の精通の直接の原因が元の世界の(本当の陽菜の生み)さちえ(の親のお母)さんだと話すのはちょっと恥ずかしかったから。


 さちえさんに不倫を(親子丼)させるようなことは絶対にしないって陽菜に誓う。陽菜のお父さんのことは娘の病気のために本当に頑張ってると思うし尊敬しているから。


 そんなこんなで朝から家を出るのが少し遅くなったが、光画部でさんご先輩と村上(妹)と会話する。

「今日は暑いね。あ、そうだ。水着持ってきたんだけど水泳部に混ざってプールで泳いでいい? 光画部の部長のみおちゃんが来てないから今日は私とゆうかちゃんだけど」

 さんご先輩が俺の想定外に常識を外れたことを言い出す。この人は常識人だと思っていたんだけど。

「え!? プールで泳げるんですか? さんご先輩に水着持って来いって言われた時はどういう意味かと思っていたんですけど学校のプールって自由に使えるんですね」

 いえ、普通は使えません。水泳部が練習してますから。


「えっと、更衣室も女子更衣室の方を通って貰うことになりますし女子水泳部の許可が出ればいいんじゃないですか」

 そう言って女子水泳部のゆかり部長に伝えるとびっくりするほどあっさりと二つ返事で許可が下りた。

「桜島だろ、県体直前の調整にちょどいいから」


 そう言って何本かさんご先輩とゆかり部長が競争するように泳いでいた。タイム的にはゆかり先輩の方がいいけど、あの人は地区大会優勝で県体でも上位を期待される有望な選手なのに。

 やっぱりあのスリムな体形が早さの秘密か? ちなみにこの日のさんご先輩と村上(妹)の水着はスク水でした。ちなみに村上(妹)はカナヅチみたいでプールの隅っこでちゃぷちゃぷ水浴びしていました。ゆうきと同じ顔だし可愛いかも。

 写真旅行で着てくれる予定の2人のおニューの水着がちょっと楽しみだったりする。


 陽菜のリハビリ? のおかげでずいぶんと本調子に戻ってきた気がする。今までみたいに強迫観念から思考が硬直化することもなくなったみたいだ。

 こうしていろいろと解き放たれると自分がいかにおかしくなっていたか分かる。陽菜さまさまというしかない。

 陽菜には感謝しかないから陽菜の望むことなら何でも叶えてあげられればって思う。いや、こういう考え方が良くないんだよな。

 陽菜が望んでくれるならしっかり受け止めて自分で判断して実行しよう。


 ゆかり部長とさんご先輩の泳ぎを見ていると自分のやる気も刺激されて何本も泳いでしまった。

「きょーすけ、自己ベスト更新だよ! すごいよ」

 プールから上がった俺にゆうきが抱きついて祝福してくれる。

「ありがとう、ゆうき。やっとタイムが伸びてきたよ」

 ゆうきを抱きしめたままプールサイドでくるくる回っていると、さんご先輩にはなんだか冷たい目を向けられて村上(妹)にはゆうきから引きはがされ、ゆかり部長は鼻血を出しながら四つん這いになっていた。


 そんなこんなで部活を終えて家に帰る。

 陽菜の考えてる俺のためのリハビリから考えると今日はしずくかひよりだろうな。

 うん、貞操逆転世界の可愛い女の子たちが慕ってくれて陽菜と俺の友人でいてくれる。本当に幸せなことだと思う。

 みんな本当に俺たちのことを好きでいてくれるし、受け入れてくれてる。なんであんな風にみんなに裏切られるイメージを持っていたんだろうか。


「ただいま~」


 ガチャッ


 陽菜の家のドアを開ける。

「「「おかえりなさいませ、ご主人様」」」

「ご飯の準備が出来ているよ、恭介さん。みんなで作ったらからお弁当よりも温かくて美味しいよ」

「恭介、お風呂は私が沸かしたんだ。道場のお風呂と違って()()()一つなんだぞ。やっぱり陽菜ちゃんちはすごいな」

「えへへ、恭介くん、今日は3人でお出迎えだよ? びっくりした?」


 玄関で陽菜としずくとひよりの3人が三つ指をついて俺の帰宅を迎えてくれた。

 ひよりはいつもの白の道着と紺袴で、しずくはお嬢様然とした着物姿、陽菜は家にあった浴衣を着たらしい。

 浴衣の陽菜なんて小学生の頃に夏祭りに一緒にいって以来だから、可愛さにちょっとドキドキしてるとしずくとひよりから抗議の声が上がる。

「「陽菜ちゃんばっかり見てズルい」」


 いや、ある意味3人でのお出迎えは度肝を抜かれるくらいびっくりしたけど2人のイメージに元々ピッタリな道着と着物よりも、いつもは着ていない陽菜の浴衣に目を奪われれちゃうのは仕方なくない?

 その上、三つ指つくしぐさも1人だけ不慣れで不安な感じがバレバレになっちゃっててめちゃくちゃ可愛いし。


「なんか失礼なことを考えられてる気がする。とにかく恭介くん、今日はしずくちゃんとひよりちゃんもお泊りだからよろしくね」

 はいはい、なんだか慣れてきたよこの展開も。って、慣れたなんて言ったらしずくとひよりに悪いか。この2人が泊まるって聞くとやっぱりドキドキするものがあるし。


「ほら、恭介。今日は私も洋食に挑戦してみたんだ。みんなでそれぞれに作って()()()料理みたいになっているから楽しんでくれ」

 そう言われるとしずくとひよりに手を引かれて食卓へ。

 さちえさんがのんきそうにナイフとフォークを片手ずつ握って嬉しそうにテーブルについている。


「恭介くん、これってすごくいいわね。いつ3人と結婚するの? 私はお義母さんとして一緒に住むから。うん、これって最高に楽しいわ」

 さちえさんがとんでもない妄言を言っているんだが……元の世界の日本が重婚や一夫多妻制を認めていなかったようにこの貞操逆転世界だって重婚や一夫多妻制は認められていない。


 この世界だと性欲が強いのが女性の方だから一妻多夫制かな? 元の世界のハーレムと逆ハーレムが入れ替わってる感じかも。

 どっちにしても、俺が結婚するのは陽菜だから。陽菜一択。しずくとひよりには悪いけどちゃんと交際をお断りした二人だから。


 晩ご飯はビーフガーリックステーキにカキフライにアサリのスープ、ご飯じゃなくてフランスパンが焼いてあってそのパンにはレバーペーストを付けて食べるらしい。

 ニンニクの食欲をそそる臭いにガッツリした牛肉の厚み。絶妙の焼き加減に溢れる肉汁。

 さちえさんがフォークとナイフを握りしめている気持がわかる。


「「「召し上がれ」」」

「「「「「いただきまーす」」」」」

 3人が声をそろえて勧めてくれて、その3人も含めた5人でいただきますの挨拶をして食べ始める。

 めちゃくちゃ旨くて食が進む。この3人には完全に胃袋を掴まれちゃってるよね。

 しかし今日のメニューは完全に洋食だからひよりも本当に洋食の腕が上がったんだな。しずくのお料理教室おそるべし。


 どんどん食が進んであっという間に平らげてしまった。

「ごちそうさまでした」

 本当に大御馳走だった。あとはお風呂に入ってひよりとしずくが泊まる陽菜の部屋に行けばいいんだよな。


 お風呂に浸かる。流石にあの二人の前で陽菜とエッチすることはないだろうけど体をいつも通り綺麗にしてからしっかりと歯を磨く。

 陽菜の家の洗面台に俺用の歯ブラシとマウスウォッシュ用のイソジンが置いてあるのがちょっと照れる。

 いつものパジャマに着替えるとなんだか下半身がいつもより元気になっていることに気付いた。

 ん? 昨日の夜陽菜とあんなにエッチしまくったのに俺の下半身元気だな。


 コンコンッ


「はいってイイよ」

 ノックをして陽菜の返事を確認してからドアを開ける。


 そこに待っていたはもちろん陽菜としずくとひよりだったが、その格好は俺の予想と全然違うものだった。

 しずくはちょっと透けてしまうような薄い肌襦袢、ひよりは水垢離用の薄い行衣ぎょうえ、陽菜は透けるように薄いネグリジェだった。

 ちょっと待って……流石に3人にこんな格好で添い寝されたら一睡もできない自信があるんだけど。


「恭介くん、覚悟してね。たっぷり精力が付くものも食べてもらったんだし。朝まで一睡も出来なくても抗議は聞かないから」

 俺の前まで近づいてきた陽菜がそう宣言すると俺にキスをした。

よく見ると今回もスタミナメニューですね。

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