第23話 二人がかりで女子高生を口封じ
丸川がノックもせずに扉を開いたことで真っ赤な顔をして見つめ合ったまま固まっている俺とあさかさん。
ノックしないアホの子は後で説教コースなのだが、今日だけはアイスでもおごってやりたい気分だった。
「あ~……きょーちんと看護師さんがエッチな事してる~」
人聞きの悪いことを大声で叫ぶアホの子。ゴメンなさい、こんなのでも俺の友達の女子高生なんです。
慌ててあさかさんと二人で丸川の口を塞いで被害の拡大を防ぐ。あさかさんが丸川を羽交い絞めして俺が両手で丸川の口を押えている。
……この状況、二人がかりで女子高生を口封じって確実に事案です。元の世界なら確実に通報案件。
「ぷはぁ……ナニするのさ二人とも。息が苦しいよ」
真っ赤になりながら抗議する丸川に「ここではエッチなことは何も行われていない。イイね?」と念を押してからコクコク頷く丸川から手を放す。
放すときにこっそり手のひらに丸川の方からキスされてちょっと舐められた。
クソ……アホだけどやっぱり丸川もこの世界の女子だけあってドスケベだ。チャンスを見逃さないのは元の世界の男子高生と一緒か。
手のひらについた丸川の唾液をこっそりベッドのシーツで拭いながら
「ああ、まる。俺来週退院だからもう見舞い来なくていいぞ。今までありがとうな。
3月から学校に行くから教室で会おうぜ」
そう、退院の日が決まったのだ。長かった病院生活もやっと終わって退院できる。
病院がこんなにエッチな場所だと思い知らされることになるとは思わなかった。
三バカトリオをはじめとするクラスメイトが遊びに来ていたせいで話が伸びに伸びてしまい、いい加減退院したいと思っていたのだが、どうしてもナースだけは外せないという謎な理由で退院がさらに延びたのだ。
なにを言ってるか分からないと思うが俺にもよく分からない。やはり俺の事故のショックは相当大きかったらしい。
病院に女医さんが少なかったのが唯一の救いか。この貞操逆転世界で男子高生が妙齢の女医さんの診察を受けるとかもう淫靡な匂いしかしない。
だって調べたらそういうエロ小説とかエロ漫画山ほどあるんだよこの世界。ってこればっかりは元の世界にもありそうな気がする。どっちの世界でもエロそうなシチュエーションだもん。
ただし元の世界だと痴女医か積極的なお猿さん男子高生だと思うけどね。
※やっと次回から病院を出ます。これでメインヒロインルートも進行できる。