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幼馴染を寝取られたが貞操逆転世界でハーレムを作って幸せになりたいと思う【完結済】  作者: みどりの
第一部 十三章 みんなの恭介くん? 告白までは何マイル?
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第208話 恭介くんに寝顔みられちゃったかも(陽菜視点)

 宿泊訓練の一日目の夜、張り切り過ぎた私は電池が切れるみたいに疲れて動けなくなってしまった。

 みんながキャンプファイアの周りで騒いでいるけど抜け出して横になれるところを探す。

 確かオリエンテーリングでチェックポイントだった東屋に木でできたベンチがあったはずだ。

 ベンチに横になって目を閉じるとあっという間に意識に靄がかかったように眠りに落ちてしまう。子供は限界まで遊んで電池が切れたみたいに寝ちゃうっていうけど私も体力を使い切る前にセーブする練習をしてきてないから張り切り過ぎちゃったみたい。


 寝ている間に夢を見た。恭ちゃんと一緒に遊んでて遊びの途中で恭ちゃんに背負われて家に連れて帰られた小学生の頃の夢。

 あの頃、私の限界に気付くのはお母さん以外だと恭ちゃんだけだった。心配かけまいと私は笑ってるつもりなのに笑顔の私を見て「ゴメンみんな、用事が出来ちゃったから俺たち帰るから」っていうと私の手を引いて友達からの輪から連れ出される。

 自分が付き合いが悪いとか思われても構わないとばかりにきっぱり帰る恭ちゃんになんだか悪いなって思いながらも手を引かれるのが嬉しかった。


 今にして思えば、人気者の恭ちゃんが病弱な私のせいでしょっちゅう抜けて帰ってるなんて皆にバレたら私が邪魔扱いされちゃうかもしれないから自分の責任にしてくれたんだって分かる。

 みんなから見えない場所まで来たら私をおんぶして家まで連れて帰ってくれるのが恭ちゃんっていう男の子だった。

 限界を迎える前に連れて帰ってくれるのでまだちょっとだけ元気が残ってる私はいつもおんぶして貰うのが嬉しくてはしゃいでしまう。


「恭ちゃん大好き!」

 嬉しくておんぶされたまま恭ちゃんの首に後ろから抱きついたりとかあの頃は平気だったなぁ……今は恥ずかしくてできないよ。

 なんでだろう……恭ちゃんじゃなくて恭介くんだからかな。あ、でも桜祭りの一回恭介くんの背中におんぶして貰ったけどすごく大きくて力強い背中だった。やっぱり別物だからなぁ。


 なんだか途中で一度起きて寝言を言った気もするし恭ちゃんがいたような気がするけど結構深く眠っていたからよく分からない。でも恭ちゃんからすごく嬉しいことを言われた気がした。

 お別れする直前の元の世界の中学生になりたての恭ちゃんでも言ってくれなかった言葉。

 その言葉があれば一生頑張れちゃいそうなくらい嬉しかった。夢の中だからなぁ。恭ちゃんはそばにいないのにいまだに私は恭ちゃんのことが忘れられないみたいだ。


 気が付いたらキャンプファイヤーが終わっていて探しに来たしずくちゃんとひよりちゃんに連れられて部屋に帰ることになったけど何故かすぐそばに恭介くんもいた。

 部屋では今見た夢のことをお話しようかと思ったけど疲れているからすぐに休んだ方がいいと二人にお布団に押し込められてあっという間に眠ってしまった。


 そういえば恭介くんに寝顔みられちゃったかもって思った。変な顔してなかったよねと思うけどこればっかりは自分じゃわからないし。


 朝起きて宿泊施設の共同の大きな洗面所(学校の手洗い場みたいに長い石の流しがあって蛇口がいっぱい付いてた)で歯を磨いていたら、恭介くんと同じ班の女子の野田さん、早川さん、松本さんが来ておはようの挨拶をした。


「ゴメンね、姫川さん。昨日キャンプファイヤーの時、恭介くんがいなくなったから三人で探しに行たの。そしたら見ちゃった。二人が抜け出して膝枕しながらその……お話してるところ」

 松本さんがもじもじしながら話しかけてくる。

「私たち姫川さんが抜け駆けして恭介くんに膝枕されてたとか誰にも言わないから」

「だって二人が恋人のフリじゃなくて本当の恋人だったなんてぜんぜん知らなかったから」

「今まで邪魔しちゃってゴメンなさい。愛を囁き合うようなカップルを妨害するなんて私たちが馬に蹴られて死ぬべきって分かっちゃった」

「「「今日も二人きりになりたかったら私たちがこっそり協力するから!!!」」」


 ビックリして歯を磨いていた歯磨き粉を飲み込むところだったよ。

 愛を囁き合うってどういうこと!? 三人で集団幻想でも見ていたの?

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