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幼馴染を寝取られたが貞操逆転世界でハーレムを作って幸せになりたいと思う【完結済】  作者: みどりの
第一部 十三章 みんなの恭介くん? 告白までは何マイル?
205/331

第205話 それなり以上に責任を感じてしまっていたらしい

 そんなこんなでどうにかGWを乗り切り最終日、明日から学校が始まる。

 むしろ学校が始まった方が楽じゃないかとと思うようなGWだった。

 今は夜の居酒屋でのバイト。実はこの居酒屋は元の世界でもバイトしたことがある店で、ここでのバイト経験があるから選んだんだがお店には当然その事実は伝えられない。


 もっとも前回は厨房でおつまみとかの調理担当だったが、今回はなぜかホールスタッフとして働かされている。面接で初めてこの店に顔を出した時、前の世界では男性だった店長が今の女性の前田店長になっており、即ホールスタッフとして採用が決まってしまった。

「いい体してるね。高校生じゃなかったら系列店でボーイズバーとかで働いて欲しいくらいなんだけど」

 う~ん、前田店長の言ってることがちょっと怖いけど性的な目で見られている感じはしないし、一応ホールの仕事はただお酒を運ぶだけだし未成年でも問題ない時間帯と内容で働かせてくれてるから困ることはないんだけど。


 カラカラカラカラ~ シャランシャラン♪

 引き戸を開けてお客さんが入店されると涼しげな風鈴みたいな音のするドアベルが鳴るようになっている。

 ちょうどお店を出られたお客様の机をダスターで拭いている最中だったのでそちらに目も向けずに叫ぶ。

「いらっしゃいませ、こんばんはー」

 ホールスタッフはとにかく明るくキビキビだ! 明るい声を上げると入口の方から聞き慣れた声がしたような。


 入口で案内してる先輩バイトにいいからいいからって言いながら俺の片づけ終わったテーブルに来て座る女性が二人。

「いらっしゃったよ、こんばんは」

 ちさと先生と刑事のみなもさんだった。国語教師とは思えないほど狂った日本語の挨拶をしてくる。

 くるりと踵を返して後ろを向きデシャップにむけて移動しようとする。次の卓に持っていく料理を運ばないと……

 ガシッ! 両側から首に手を回されてさっきまで拭いていた机に連れ戻されて座らされる。


 前田店長助けて~と店内を探してアイコンタクトで助けを求める。

(ムリ~……ゴメン、多々良くんは休憩ってことで)

 逆にアイコンタクトと口パクで俺に休憩を伝えた後でタイムカードを切って休憩にしてしまう前田店長! 売られた!? しかも休憩扱いだから未成年が接触をともなう接待をしていないという言い訳付き!


 みなもさんの顔を見るとニッといい笑顔で笑って「前田さんは私のレディース時代の後輩だったり」その上、「あの子はレズだから私寝たことあるし」とちさと先生のカミングアウト!

 ああ、バイト先選びで失敗した! ここでバイトすることを学校に申請する際にちさと先生がニヤニヤしていたのはそういうことだったんだ。


 と、絶望してたのだが今日の二人はちょっと違った。

 お酒が入ってないのだ。奥側の席で他のお客さんから見えないようにパーティションで区切られてるのを確認してからちさと先生が頭を下げる。

「多々良、今回は本当にすまなかった。教師なのに何の力にもなってやれなくて」

 GW前に風評被害を俺たちが自分で解決したことでちさと先生はそれなり以上に責任を感じてしまっていたらしい。

 こっそり店長が持って来てくれた俺の上着を羽織って目立たない格好をしてから本腰を入れて話をする。


「それこそ俺たちがバカみたいに騒いでいただけだから先生たちが気にすることじゃないですって」

 俺が言うとみなもさんが伝えてくれる。

「いや、ちさとは多々良くんのことで毎日悩んで電話くれてさ、力になるには何をしてやったらいいのかって聞いてくるから困ったよ。流石に警察でも学校の噂話をどうにかできるわけじゃないし」

「そうなんですね……でも俺は本当にちさと先生が担任で救われましたよ。この人は何があっても俺のことを信じてくれて俺たちのことを守ってくれるって思えたから不登校にならずに頑張れたんです。

 ちさと先生じゃなかったら本当にどうなっていたか分かりません。ありがとうございました」

 俺がこの最近思っていたことをしっかり伝えて頭を下げる。


「た、多々良! 結婚しよう! もちろん学生と教師じゃ結婚なんて無理だから多々良の卒業を待ってから! その時でもまだギリギリ20代だし……うん、結婚しよう! 私が養ってやるから」

「……お断りします。気持ちは嬉しいですけど俺には好きな子がいるから本当にごめんなさい」


 その後、ちさと先生は店のお酒の在庫がなくなる勢いで飲んでいた。明日から学校が始まるのに大丈夫なんだろうか。

 午後9時でバイトを上がることになっている俺にはその後のことは分からなかった。

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ちょっとした小話

ちさと「フラれた……多々良にフラれた! 明日から学校に行きたくない~」

みなも「もう、こんなに酔っぱらって……ちさとが明日学校に行かなかったら多々良くんが責任感じちゃうかもしれないでしょ」

ちさと「だって、だってぇ……グスン」

みなも「うんうん。その歳になっても男が苦手でずっと処女だったあんたが勇気を出して初めての告白する所を見れて私は感動してるよ。本当に頑張った」

ちさと「みなも、みなも~」ぎゅぅぅ「もうみなもでもいいから結婚して」

みなも「(コイツ30歳が近づいて焦ってるだけなんじゃ)ヨシヨシ。今日は朝まで付き合ってやるから。うちにおいでグチでも何でも聞いてやるし」

ちさと「優しく抱っこして寝てくれる? 明日の朝ちゅぅで起こしてくれる?」

みなも「(ヤバっ、こうやって見るとちさとって可愛いな)うん、ずっと一緒にいてやるから」

ちさと「みなも~、大好き、愛してる~」ぎゅぅっ

 その後親友二人が初めて一線を越えたとか越えなかったとか。

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