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幼馴染を寝取られたが貞操逆転世界でハーレムを作って幸せになりたいと思う【完結済】  作者: みどりの
第一部 十二章 どうしてこうなった? マズくて白いあの液体!?
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第191話 今一番傷ついてるのは恭介くんの心

「はい、私の大好きな恭介くん、あ~ん♡」

 今俺は駅前のオープンカフェのあるケーキ屋さんに来ている。陽菜の考えた「恭介くんと陽菜ちゃんはラブラブな恋人見せつけ大作戦」のためである。

 今日は水泳部の部活が休みだったので、光画部の方は自主練ということにさせて貰ってカメラだけ持って来ている。


 あ、現実逃避していた。パクッ……モグモグ。ケーキ屋さんだけのことはあってケーキはとても美味しい。

 うちの高校の生徒が一番駅を利用するこの時間帯に駅前のオープンカフェでイチャついて陽菜一筋の姿を見せつければ少しは俺の悪い噂が払しょくできるのではないかという作戦だ。


 俺たちからテーブル一つあけて離れた席に小烏こがらすがボディーガードとしてついて来ているが正体を隠すためか広げて読んでいる新聞がプルプル震えている。

 そもそも女子高生がオープンカフェで新聞を読むのか、小烏が用意した新聞が英字新聞(横文字苦手なのにムチャしやがって)なのと新聞の上下がさかさまになっていたりとツッコミどころが満載でツッコミたいのに他人のフリをしないといけないのが辛かった。


 陽菜にいたっては席に着くと同時に「ひよりちゃんも一緒にお茶したらいいのに」と作戦をまるで無視した天然発言をしていたし。天然の陽菜も可愛い。


「陽菜も、あ~ん」

 二人とも若干演技が入っちゃってるからいつも無意識で食べさせ合っていた時よりも表情が硬い。特に恋人の演技をしている陽菜の方が顔がちょっと引きつるぐらい頑張ってくれちゃっていて見ていて申し訳ない。

 大好きとか言われるのは本当に幸せだけど、一生懸命言ってる感じがするのはちょっとエッチの時にイってる演技されてるみたいで心が傷つく。

 せっかく恋人同士でもやっぱり設定だと陽菜も難しいみたいだ。


 近くで下手な演技でイチャイチャを聞かされてる小烏の方もいたたまれないのか腕のぷるぷるが止まらないし。

 駅を使う女子生徒が俺たちのことをチラチラ見て言っているのは分かるが、結局この作戦って俺が最初に心配していた変態ビッチ男子と付き合ってる趣味の悪い女子ってことで陽菜の評判を落としてるだけな気がする。


「なあ陽菜、この作戦って結局陽菜の評判が悪くなるしあんまりよくないんじゃないか?

 見せつけても俺みたいな変態性欲男子と付き合ってあげてる慈善事業みたいに見えてるだろうし……」

 俺が言うと陽菜が怒ったように返してくる。


「何言ってるの恭介くん! 私の評判なんて気にしちゃダメだから。

 今一番傷ついてるのは恭介くんの心で、恭介くんの名誉なんだから。それを少しでも守れるんなら私は何でもするし誰とだって戦える。

 それはひよりちゃんだってそうだしここにはいないけどしずくちゃん達だって同じ気持ちだから」

 必死な陽菜にちょっと泣きそうになる。そばのテーブルでもう泣いている刀剣女士がいる。涙もろいな小烏は……


 よし、これ以上こうやって縮こまっていても問題は解決しない。

 そろそろ自分から打てる手を打たないと。とはいえ今回ばかりは女子の噂だからどこから手を付ければいいか悩んでるんだよな。

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