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第15話 お見舞いに来てくれるのは嬉しいけど

 スマホで情報を収集するにつれ、ここが異世界だということに確信を抱くようになっていく。

 ()()という年号が発表されたとき、発表したのは()()()()()()()()()()、のちにその人は()()()()()()になっている。

 流石にいくら俺が政治に疎い高校生でもガラスの天井という言葉や日本の政治家に極端に女性が少ないことくらいは知っている。


 それに母親が話していた小学生の頃に俺が陽菜におちんちんを触られたというエピソードだが、それはこの世界では女子から男子に対して結構一般的に行われてしまっているイタズラで、元いた世界でのスカートめくりみたいなものらしかった。

 逆にいくら検索しても「スカートめくり」という言葉は出てこなかった。


 そうこうしているうちに心療内科の先生との面談やテストを受けて、PTSDの診断が下った。

 車、特にトラックに対する緊張と特定女子(つまり陽菜だ)に対する強い拒否が見られるということで二ヵ月ほど入院が延びてしまった。

 陽菜には申し訳ないが母親から連絡を入れて貰いお見舞いに来ないように伝えることになった。


 というような流れだったのだが、他の女子に対しては問題ないということが明らかになるとちょこちょこクラスの女子がお見舞いに来てくれるようになった。


 最初にお見舞いに来てくれたのはクラスの委員長である岩清水しずくだった。ちなみにこの世界でも俺の所属クラスは1年5組で陽菜の所属クラスは1年4組らしい。

 らしいというのはこの世界で一度たりとも教室に通っていないからだ。岩清水しずくは元の世界でも俺のクラスの委員長だった。


 コンコン……ノックされた後カラカラと軽い音を立てて病室の扉が開かれる。

「多々良くん元気? テスト範囲の発表があったから持ってきたんだけど」

 岩清水がプリントを渡してくれる。授業内容は教科書などを見る限り元の世界とあまり変わらない。


 岩清水からの胸元への視線が気になって何となく病衣の前の合わせをしっかりしめてしまう。ベッド脇に金属のカゴに入って使われずに取り付けられてる尿瓶しびんをガン見しているのがなんとも気恥ずかしい。

 岩清水、お見舞いに来てくれるのは嬉しいけどその荒くなった鼻息をどうにかしてくれ。

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