第128話 きょーすけは僕とパートナーだね
陽菜と二人して寝不足で朝のランニングをサボり一日中寝て過ごしてしまった日曜日があっという間に終わり、月曜日になった。
今日はうちの高校の終業式なので午前中で式典が終わり、午後からは水泳部のトレーニングと光画部のイベント打ち合わせに参加する予定だ。
明日からの春休みは部活を中心に日々を送れればと思っている。
陽菜とは天気が雨でない限りは毎日朝のランニングに付き合ってもらう予定になっている。
あと今週末の日曜日、桜祭りが開催される。
元の世界でもあったイベントだと思うのだが今まで一度も参加していないのでちょっと楽しみだ。その日は姫川家と多々良家で夜花見をする予定になっているし。
そして実は桜祭りのステージイベントに小烏が参加する予定になっていてプロデューサー(?)としてその手伝いをすることに決まっている。
桜祭りの会場の一つである神社の前の特設ステージで当日12時から小烏が巫女に扮して奉納舞をすることになっているのだ。
刀剣女士としての公式イベントと位置付けて地元に小烏道場を売り込むのが一つの目的だ。
祭りの間ステージでは終日、ダンスやご当地アイドルの歌などのイベントが盛りだくさんに予定されていて、俺たちはちょっとしたコネで急遽参加させて貰うことになった。
そう、地元の名士である西園寺琴乃刀自……つまり岩清水の祖母のコネを使わせて貰ったのである。
もっとも神社としても神事を執り行って貰えることはありがたいということで、今週の午後は小烏が毎日神社に通って巫女舞に関して神職から指導を受ける予定だ。
挨拶に行った日に軽く動きの確認があって小烏の芯の通った立ち居振る舞いと体を動かすことに関する天賦の才には神職の方も驚いたという話だ。
ステージイベントについては小烏に任せてこちらは今は放課後の水泳部のトレーニング中だ。
今日で終業式で午前中で終了だったのでトレーニングの時間はたっぷり取れる。
4月になったらプール掃除をして温度調整用のボイラーが稼働するので、水温を高めて泳ぐことが出来るようになる。
4月のプールは正直外気温が冷たくて楽しいばかりではないがやっと泳げると思うとワクワクしてくる。
「はい、それじゃあ二人一組になってストレッチ!」
体育館の隅でトレーニングしている俺たちに水泳部部長の北野ゆかり先輩が声を上げている。ゆかり先輩は髪を金髪に染めていてショートカットにしている美人の二年生だ。来年三年生として俺たちを指導してくれることになる。水泳をしているにしては巨乳なので先輩の水着姿を秘かに期待している俺がいるのはみんなには秘密だ。
今日は体育館でのトレーニングなので北野先輩もゆうきもみんなジャージ姿だ。
「じゃあきょーすけは僕とパートナーだね。最初は僕が背中を押すからきょーすけは股を開いてくれる?」
ゆうきに腕をぐいぐい引っ張られてマットを敷いてある片隅に連れてこられた。また裂きで背中を押してくれるらしい。
じゃあと……グゥーと体を前に倒していくがゆうきが俺の背中に体重をかけてくる。
ちょっと待て!? 後ろから抱き着くようにして体重をかけるやり方なんて聞いたことがないぞ?
やっとゆうきのターン!
ちなみに期末テストの順位ですが
岩清水>>陽菜>恭介>小烏>(越えられない壁)>ゆうき>(とっても高い壁)>藤岡>丸川
となります。丸川あたりまで来ると赤点が一つ二つ出てきます。
あと小烏は英語が赤点ギリギリ、英語がなければ陽菜といい勝負かちょっと勝てそう。
でも学内で見ると成績優秀なグループですね。顔の偏差値は確実に学内トップ。