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第127話 一生後悔するし引きずる (陽菜視点)

 ああっ……やっちゃったよ……思わず言っちゃった……


 私はベッドの中で何度も寝返りを打ちながら考える。

 しずくちゃんが恭介くんのことが好きなのは分かりすぎるくらいに分かってる。

 だからしずくちゃんが望んでいない相手と結婚させられるかもって思ったらしずくちゃんに好きな人がいることを琴乃おばあちゃんにばらさずにはいられなかった。


 しずくちゃんと小烏こがらすさんと私の三人でお弁当を作るようになった時点で自分たちが好きな人が恭介くんだということはもう私たちの共通認識だった。

 恭介くんが自分以外の誰かのものになったらそれは本当に死ぬほど嫌だし苦しいけどそれでもしずくちゃんがこういう形で諦めるのは絶対にダメだって思ったからしずくちゃんの想いを琴乃おばあちゃんに伝えることにした。


 もしも気持ちを抑えたまま琴乃おばあちゃんの考えに従って他の人を選んだなら、私だったら一生後悔するし引きずる。

 こっちの世界のしずくちゃんは中学校で再会したころから貞操逆転世界の女の子らしく男性への興味は強かったけど、特定の男の子に夢中になるということはなかった。恋に恋してるけど本当の恋を知らない女の子だったのだ。


 そんなしずくちゃんが初めて好きになったのが恭介くんだったから、同じ人が好きな私は素直には応援は出来ないけど気持ちは分かるのだ。

 恭介くんと他の男の人は全然違う。誰も恭介くんの代わりになんてなれないし人を人の代わりにしちゃダメなのだ。


 はぁ……何度目になる分からないため息をついてベッドで寝がえりをうつ。今夜は寝られそうにない。

 私は()()()()()()()()の代わりにしちゃっていないだろうか。

 これからの恭介くんをめぐる恋のライバルのしずくちゃんと小烏こがらすさんのことだけじゃなくて、私は自分自身の心とももっと向き合わなくちゃいけないんだと思う。




 翌日の日曜日、寝れないまま朝の7時のランニングの時間になってしまった。

 鏡に映る自分の顔は一晩一睡もできなかったせいでくまが酷くて見れたものではなかった。

 こんな顔で恭介くんの前に出たくないけど約束だからと頑張って自転車を出した。

 そうしたら恭介くんも寝られなかったのか目にくまを作った顔で家から出てきて苦笑いしながら「今日は走るのを止めよう」って言ってきた。


「昨日は岩清水の事ありがとうな。俺じゃどうにもできなかった」と言いながら頭をなでなでされて家に帰って寝るようにと命令された。心配かけちゃったかも。


 あれだけいろいろと悩んでいたはずなのにその後は夢も見ないほどぐっすり眠ることが出来た。

 ありがとう……恭介くん……おやすみなさい……

しずくお見合い編のエピローグでした。

しずくちゃんと結婚すると逆玉? この世界だと玉の輿?

作者もよく分かりません。貞操逆転世界にお住いの方おられましたらコメント欄にて教えて下さい。

物語的には勘違いが加速しつつも女の子達はどんどん積極的になってきます。大丈夫かな?

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