表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
112/331

第112話 自分で恥ずかしいぐらいだ(陽菜視点)

 月曜日、お昼休みになったのでお弁当を持って恭介くんのいる1年5組を訪れる。

 今日はテストの返却日ということで1限から6限まで全部テストが返ってきて答え合わせというハードスケジュール。


 まあ先生達の方が大変だと思うけど。国語の谷垣先生なんて採点で楽をするために記述問題を徹底して避けて設問を作るため国語なのに問題が選択式ばかりの上、一度()()()()()()()をしたことで有名になっている。


 何と採点しやすさだけを優先して全ての問題で選択肢の一番最後の記号が正解という前代未聞のテストを作ってしまったのだ。

 谷垣先生が新任だった数年前の先輩たちが受けさせられたテストだったらしいのだが、ちゃんとした解答を導き出せる生徒ほど自分の目を疑ったことだろう。()()()()()()()()()()()()()って解いてる自分が信じられなくなりそうだよね。


 閑話休題



 そんなこんなでお昼休み前の4時限目までですでに4教科が返ってきているが今のところ92点から81点と平均85点をキープできる点数で答案用紙が返ってきているのでほっと一安心している。

 私は体が弱く、小さい頃からお父さんとお母さんに心配をかけて来たのでせめて勉強くらいは出来るのだと安心させてあげたいと思っている。

 お母さんは陽菜が元気でいてくれればそれでいいのよと言ってくれるが、入れ替わってこの世界に来た私だから、産んでくれたお母さんじゃないのにそうやって本当に私のことを思ってくれるから逆に頑張りたいって思う。


 恭介くんの教室に入るともうみんなが席を並べてくれていた。

 今日の私の担当はオカズの日だったので恭介くんの好きなハンバーグを作ってきている。

 煮込みハンバーグにして冷めても美味しいお弁当用のハンバーグだ。


 この前、家で晩ご飯を食べたときに親子丼が大好きといっていたから作ってきてあげたいけど冷めても美味しい親子丼はまだ研究段階だし、素直に保温のお弁当箱を買った方がいいかもしれない。

 それともまた家に呼んで親子丼を食べて貰った方がいいのかな? でもうちに来るとお母さんがおかしなことをしようとするし……


 ん?……皆が並べている机を見るといつもは席の取り合いでワイワイやっているのに今日はなんだか雰囲気が違う。いつもは落ち着いている岩清水さんもメガネの向こうの瞳を驚きでシパシパ瞬きさせている。


 恭介くんを挟むようにして小烏こがらすさんと藤岡さんが座っているのだが、三人の距離が異常に近いのだ。

 三人で恭介くんのスマホを覗き込むようにして凄く盛り上がってる。


「すごいぞ、ひよりの写真。今日の朝からもどんどんイイね! が増えてるし、ハッシュタグの「刀剣女士」もプチバズりして急上昇キーワードに入ってる」

 恭介くんが興奮してる。ん?……ひよりって小烏こがらすさんのこと? 恭介くんって小烏こがらすさんのことを名字で呼んでなかったっけ?


「ああ、特に恭介が撮ってくれた写真は自分とは思えないくらいだ。それにコメントが可愛いで埋まってしまって自分で恥ずかしいぐらいだ」

 スマホを覗き込みながら小烏こがらすさん。小烏こがらすさんも恭介くんのことを「恭介」って名前呼びしてる? それになんだかうっすらお化粧してるみたい。


「まあ、プロデューサーが一眼レフで撮った写真も良いけどファミレスにいた時にスマホで撮った写真もかなり評判がイイよ。

 それにひよりっちに触発されてハッシュタグ「刀剣女士」で写真をアップしてる剣道してる女の子が結構いるから、これは刀剣女士ブーム来るって。

 アクセス解析したら女性からも男性からも支持されてる。今のところ男子の方が応援してくれてるけど女子の支持も予想以上に多いよ」

 藤岡さんがすごくテンション上げてる。プロデューサーってなに?

 疑問符を浮かべた私と岩清水さんが眼鏡越しに同じ目をしているのが分かる。

 え? なにこれいったいどうなってるの?

 

一日学校を休んだら新しい遊びが流行っていた時の置いて行かれた感

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ