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第109話 恭っちが撮ってみない?

 藤岡が小烏こがらすのメイクをしている。

 よく分からないけど今の俺はプロデューサー的な立場なので、藤岡と小烏こがらすの二人からは「多々良P」と呼ばれている。


「ねぇ、プロデューサー、ここはもっと明るい方が映えると思うんだけどプロデューサーはどう思う?」

 藤岡が聞いてくるので小烏こがらすの顔を覗き込む。まだ途中なのにそこには美少女剣士がいた。


「おう、いいんじゃないか。凄いなみお、あの美人の小烏こがらすをさらにツーランクぐらいアップさせるとか本当にお前は天才か? メイクアップアーティスト目指してるっていうのは伊達じゃないな」

 元々SRくらいの小烏こがらすがSSSRくらいになっている。これなら勝てる!

 美人と言われた小烏こがらすが照れているがそれもまた可愛い。


「メイクはこれでいいとして、今日は道着と竹刀で小道具を済ませて……撮影場所をどこにするかだな」

 俺がつぶやくと「隣の部屋はスタジオになってるから使ってい~よ」と藤岡の軽い言葉。


 マジで……そこまで藤岡におんぶにだっこになるのは悪いけどマジでありがたい。

「よし、メイク完了! あーしのカメラも久しぶりに出すか……」

 藤岡はいつもはスマホで撮影を済ませるのであまりカメラを使わないらしい。


 自分のベッドの下からボックスを引っ張り出してカメラを取り出そうとしている。どんな高機能のカメラが出てくるのか興味津々で藤岡の後ろからのぞき込んでいた。


「あ、間違えた。そっちの箱だ」

 と言って藤岡が開けた最初の箱の中には電動マッサージ機やら小さな卵型のマッサージ機(ローター)男の形をした張り子バイブとかディルドとかなどがたくさん詰まっていて、慌てて蓋を閉めているが藤岡の耳は後ろから見ても分かるくらい真っ赤になっていた。


 流石に突っ込んでいいのかスルー推奨なのか分からないけど一応突っ込む。

「みおはおっちょこちょいだなぁ~」

 アハハハ……二人で笑うが一人空気が読めない刀剣女士がいた。


「今の箱の中はいったい何なのだ? 私が見たことのない道具が沢山あったのだが何に使うものなのだ? 肩こりに使う電動()()()()()機だけはかろうじて分かったのだが……」

 止めてあげて! 藤岡のライフはもうゼロよ!





 パシャ! パシャ! パシャシャシャ!

 ひどいフレンドリーファイアーを食らっても藤岡はしっかりと写真撮影してくれている。

 藤岡のギャルメイクが涙でにじんでいるのは見ないふりをするのが優しさだろうか?


 藤岡のマンションの一室の撮影スタジオは中々立派なものだと思う。正直言って知識がない俺にはどこが凄いのか説明できないけど。


「う~ん……プロデューサー、どうも風紀こがらすちゃんの表情が硬いんだよね。

 確かにカッコいいんだけどいまいちインパクトが足りないって言うか()()()()手ごたえが違うんだよね」

 藤岡がつぶやく。


「ちょっち恭っちが撮ってみない? 金曜日にみっつーパイセンに教えて貰ったから一眼レフ扱えるようになったしょ?」

 と言って藤岡のカメラを渡してくる。


「まだオートフォーカスでしか撮れないけどな。じゃあ小烏こがらす俺の方を向いて笑ってくれ」

 ムチャぶりだと思いつつカメラを向ける。緊張した硬い顔。

「いきなり笑えと言われても笑えるものではないだろう()()()()()()()


 ファインダーから顔を上げて小烏こがらすに微笑みかけてやる。

「大丈夫! 今のお前は俺が今まで見た中で、いや多分世界中で一番きれいでカッコいいから。だから自信を持ってくれ。俺を信じてくれればいいから」


「ぷっ……アハハハ……流石に世界一は言いすぎだ、多々良。私をお世辞で気持ちよく乗せようというのだろうが、多々良は本当にお世辞が下手なんだな」

 その顔に見惚れそうになるが慌ててシャッターを切る。シャッターを切ることが出来た自分を褒めてやりたい。


 俺が手に持ったカメラには世界で一番きれいでカッコいい女の子の笑顔が……UR写真が写っていたから。


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 童貞の家に来た好きな女の子に床に転がしてたシリコン製のおもちゃ(オナホ)を踏んづけられてなにこれって摘まみ上げられたくらいのダメージ。

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