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アーモのネイルサロンへようこそ  作者: 夏八木 瀬莉乃
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46 戻ってきたセイジツ

 

 その時、病室のドアが開いでセイジツがヨロヨロと入ってきた。


「セイジツ! お前無事だったのか!」桧山が駆け寄ると「大丈夫か? メッチャ顔色が悪いぞ」先崎が支え、近くの椅子に座らせる。


「セイジツ君、大丈夫?」あやねが傍にいって声を掛けると「……みず」

「水? 水がほしいの?」


「私、買ってくる!」その三が病室から出ていこうとすると「水ならここにある」アモニスが入ってきてペットボトルを差しだすので「アーモチーフが助けてくれたんですか?」

「まあな。とにかく、水を飲ませたらベッドに寝かせろ」


 あやねはペットボトルを受け取るとセイジツに飲ませ、桧山と先崎が両脇から支えてベッドへ連れていくと寝かせる。


「華河さん……だい、じょうぶ?」

「セイジツ君……私は大丈夫だよ。ありがとう」

「そう、か……よかった……」安心したのか、すぐに眠ってしまった。


 セイジツが戻ってきたことで全員一安心するが、先崎が「アーモチーフさん、真犯人は捕まえたんですか?」

「ああ。リエルたちが逃走先に先回りしてたから、すぐに捕まえることができた。これでこの事件は終わったから、心配するな」


「本当に終わったんですか?」心配な桧山。

「先ほど、孵化した幼虫も捕獲所の職員たちが捕獲して持ち帰った。もう、騒動が起きることはない」


「本当に終わったんですね。よかった」ゆっくりベッドに腰かけると、あやねたちも近くの椅子に座りなおす。


「それにしても、今回の動機が何だったのか、聞いたんですか?」先崎が不満そうに聞くと「それはこれから追求していくことになる。君のサポートには別の担当を付けるから、今までどおりの活動を続けるんだ」


「こんなことが起きたら続けていけねえよ。なんか、みんなにも申し訳ないし」

「なんで先崎がそんなふうに思うんだよ。お前は何も悪い事してねえじゃん」

「でも、真犯人は俺のサポートに付いてた奴だからさ」


「それは先崎君が気にすることじゃないよ」あやねがフォローすると、その二が「これからも、孤立しちゃう奴の居場所を作ってやってよ」

「私たちも手伝えることがあったらやるから、声かけてよ」その三が続けると「先崎君。私も、手伝いたい」


「その一……ありがとう。ありがとう、みんな……今だから、言うけどさ。俺、本当は潰れそうだったんだ」

「エッ? どういうこと?」一斉に先崎に視線を送る。


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