42-2 招かれざる客
「桧山とセイジツは寄生されてて、乗っ取ってる幼虫に意識を乗っ取られてるんだ」
「エエッ!」と言って、慌てて口を押える。
「あやねは何をしてるんですか?」その三があやねの後ろ姿を見ると「セイジツの動きを押さえてもらってる」
「そうなんだ。そういえばセイジツ君はあやねのこと……」
セイジツはあやねと一対一で話ができているので満足しているらしく、アイスティーを飲みながら大人しく話をしている。
「あやね、大変そう」
「でも、あやねの好きな人も彼だったんじゃなかった?」その二がその三を見ると「ああ、そうだよね?」
「でも、あんなふうになっちゃったら……」
「とにかく、ここに来るまで、誰とも会わず、見付からなかったな?」アモニスが確認すると「見付かったら追い出されると思って、注意して上がってきました」その三が答えると「そうか。では、部屋の隅で大人しくしてろ」
桧山とその一が腰かけているベッドの対角線上の部屋の隅に椅子を持っていき、二人並んで座っているよう、場所を指定して移動させる。
するとまたドアがノックされて、今度は先崎が部屋に入ってきた。
「なんだと!」驚くアモニス。
「あれ。あんたは確か、この前、超美人と一緒に来たイケメンだったよな?」
「先崎君」その三が呼ぶと「あれ、その二とその三じゃん。こんな夜中に二人そろってなんでここにいんの?」
「それはこっちの台詞だよ。なんで来たの?」その二が睨みながら聞くので「な、なんだよ。俺は桧山に呼び出されてきたんだよ。内緒で話したいから、病院の裏口から入ってこいって暗証番号付きでさ。だから来たんだよ」
「そのメールはいつ来たんだ?」アモニスが聞くと「エエッ。なんで?」
「いいから、答えろ!」
「……あ、ラ、ラインがきたのは、四十分くらい前だけど」
「それは確かか?」
「疑うのかよ。じゃあ、ラインを見せてやるよ」ポケットから携帯を取りだすと、モニターにラインをだす。
「あれ? 携帯買ったの?」その三が携帯を見ると「いや」
「だって、この前携帯失くしたって言ってたじゃん。出てきたの?」
「あ、ああ、そうなんだ。カバン替えるとダメだよな」
「それ、わかる。私も時々やる」
「あ、これ、桧山から送られてきたライン」アモニスに見せると「アカウントは桧山のものか?」
「それがさ、違うんだよ。だから気になって来てみたんだ。普通なら、こんな時間に病院に来いなんて、ましてや、裏口から入ってこいなんて言わねえし。メッチャ変だからさ」
「呼び出されたな」
「エッ? 呼び出された? 俺が? 何のために?」