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アーモのネイルサロンへようこそ  作者: 夏八木 瀬莉乃
81/109

40-1 まだ終わっていなかった

 

「人ぞれぞれ引かれる個所は違うから、一概(いちがい)にどれがいいとは言えないけどね」

「リエルさんは、どんな女性が好みなんですか?」


「僕?」

「はい」


「あやねちゃん。前にも言ったけど、リッ君たちは仕事でこっちに来てるから、恋愛対象外だよ」

「千奈津さんはそれで納得したんですか?」

「しない」

「……言ってることがメチャクチャですよ」


 三人が駅近くまで戻ってくると、行きにアモニスに声を掛けてきたチャラい兄ちゃんが、今度はリエルを見付けて声を掛けてきた。


「そこのカッコいい外国人のお兄さん。かわいい女性を(はべ)らせていいね!」近寄ってくると肩をたたく。


「なにも用事はないですから、他を当たってください」

「そんなこと言わないで、いい店あるんだ。どう?」

「けっこうです」きっぱり言うと、あやねたちを連れて足早に立ち去る。


「まだ客引きしてるんだ。景気悪いのかな?」後ろを見る千奈津。

「あまり景気に左右されないんじゃないのかな? ああいうお店は」

「そうなんですか?」


「あやねちゃんにはかなり早いから、気にしなくていいよ」

「千奈津さんは、早くないんですか?」

「私は二十代の大人ですから」


「フフッ、そうだね」

「リッ君! なんでそこで笑うの?」

「ああ、ゴメン。深い意味はないから」


 その後、座山駅の南北連絡通路を通ってモノレールの高架下まで来ると「じゃあ、チィちゃん。僕はこのままあやねちゃんを自宅まで送っていくから」


「今日はご馳走さまでした。出発前にサロンへ遊びに来てね」

「もちろん。じゃあ、気をつけて」

「あやねちゃん、明日、部活が終わったらサロンへ来てね」

「はい。おやすみなさい」


 ここで千奈津と別れると、リエルが座山駅へ向かって歩きだすので「タクシーならこの大通りで拾えますよ」後ろ姿に声を掛けると「ちょっと、一緒に来てほしいところがあるんだ」足を止めて振り返る。


「これからですか?」

「だから、親御さんに電話して、友達の家に泊ると連絡してくれないかな?」

「そんなに時間が掛かるんですか?」

「ちょっと今はわからないんだ」

「そう、なんですか」


「心配しなくていいよ。早く解決した家まで送るから」

「どういうことですか?」

「とにかく、時間がないんだ。電話してもらえるかな?」


「ああ、はい」あやねはカバンから携帯電話を取りだすと母親に電話をかけ、遅いから友達その三の三条の家に泊ると言い、了承を取った。


「じゃあ、急ごう」リエルはポケットから紙切れを取りだすと内容を読み、通りがかったタクシーを停めると「さあ、乗って!」

 あやねが慌ててあとから乗り込むと「救急医療病院へお願いします」リエルが行先を告げる。


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