表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アーモのネイルサロンへようこそ  作者: 夏八木 瀬莉乃
71/109

35-3 十四日目の問題解決済 詳細

 

「ミシュエル。少しは上司を(うやま)え。今回もお前のミスをもみ消してやったんだぞ」

「あれはミスじゃない。想定内だ」


「先輩の想定内は危ないから、もうやめてください。いつも肝を冷やします」

「なら首を突っ込まなければいいだろう」

「突っ込みますよ!」


「でも! これで事件は解決したんですよね?」あやねが話に割って入ると「まだだ」即答するミシュエル。


「まだ終わってないんですか!」

「当たり前だろう。後始末があるじゃないか」

「後始末ですか? アッ、厄病虫がまだ逃げてるとか?」


「そうだったら、みんなここでノンビリしてないだろう」

「ああ……そうですね」ヘヘッと笑うと「まだ憑いててほしいか?」

「絶対イヤです!」


「あやねちゃん。厄病虫は捕獲所の別の職員数名が来て、蜘蛛採りカゴという小さな虫カゴでアッサリ捕まえて、帰っていったよ」

 リエルの説明を聞いて「なんですかそれ? じゃあ、厄病虫とわかった時点で呼べばよかったんじゃないですか!」


「呼んだ相手が犯人だった」

「……シクシクシク」

「泣いちゃダメだよ、あやねちゃん!」大袈裟にティッシュを渡す千奈津。

「泣きたいです!」ティッシュを握りしめるあやね。


「僕もその事を知ったときはドッと疲れたよ」苦笑するリエル。「わざわざ犯人に状況を伝えて、みんなを危険な目に遭わせるようなことになったなんて、アホらしいことしちゃったんだから」


「リッ君のせいじゃないよ!」フォローする千奈津。

「そうだよ! リエルさんは一人で私を助けに来てくれたんだから」続くあやね。

「モテていいな、リエル」

「先輩。その言い方はやめてください」


「でも、リエルさんからの情報で、犯人は隠してた厄病虫が逃げ出してたことに気づき、こっそり人間界に来て、桧山君の中に入ることになったんですね?」

「そうだ」だるそうに答えるミシュエル。


「ミシュウさんは、どこで桧山君の中に犯人がいるとわかったんですか?」


「奴のケガの治りが異様に早かったのがキッカケけだ。通常、あのくらいのケガなら一ヶ月はベッドから出られない。

 しかし、一週間足らずで歩き回ってる。これはイレギュラーな何かが起きてる証拠だ。

 そこで、発するエネルギーの質を調べたら、人間が持たない、天界の者が放つ微量なエネルギーを検知したので、あたりを付けた」


「こういうあたりの付け方が、先輩にしかできない技なんですよね。普通、エネルギーの質なんて調べたりしませんから」

「誰でも何かしらの特質を持ってる。別に珍しいことではない」


「何か言ったか? アモニス」

「上司を呼び捨てにするな」

「する」

「減点対象だぞ」

「やめる」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ