表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アーモのネイルサロンへようこそ  作者: 夏八木 瀬莉乃
70/109

35-2 十四日目の問題解決済 詳細

 

「まったく、人間が異空間に入ることは禁止されてるのに、わざわざ連れていく奴がいれは、わざわざ行かせる奴もいて、挙句の果て、異空間内で、桧山は逃げまわる犯人にエネルギーを使われてぶっ倒れるし、セイジツは厄病虫の毒にやられて、恋愛エネルギー含めた感情エネルギーまで吸い取られるし。

 今回はどれだけ報告書や始末書を書かなければならなかったか、わかるか!」


 目の前に座っているミシュエルを真っ直ぐ(にら)むと「先崎が連れてったから、行く先が異空間だとわからなかった」と言い返すので「それで、他に言うことはあるか?」

「……ない」


「だから戻ってくるのが遅かったんだ」納得する千奈津が、お替わりのお菓子を持ってくると「アモニスチーフと、イヤというほど提出書類を作りましたよ」受け取るリエルは食べはじめ「最後のほうはお腹が空きすぎて、指に力が入らなくて大変でしたよ」


「チィ、私にも何かくれないか?」アモニスが声を掛けてくるので「マカロンがまだ残ってるけど」

「それでいい」

「わかった」キッチンへ行くと、箱ごと持ってきてアモニスに渡す。


「それで、桧山君は大丈夫なんですか?」心配になってくるあやね。

「そうだな。体力を使い果たしてたから、どんなことが起きても、しばらくは起きないだろう」

「寝続けるってことですか?」

「そうだ。動けるエネルギーが溜まるまで、しばらく掛かるだろう」

「そうですか……」


「心配するな。今はあやねの友達その一が付きっきりで見てる」ミシュエルから意外なことを聞き「その一が?」

「なんだ、知らなかったのか? あやねたちが見舞いに行った翌日から、その一が桧山のところへ行ってたんだぞ」

「本当ですか! 全然わからなかった」


「まあ、途中から、またしても邪魔に入った奴がいて、桧山がガッカリしてたからな」

「その事は解決しただろう。蒸し返すな」文句を言うアモニス。

「エッ? アーモチーフが?」


「リエルといいアモニスといい、どうして私の業務の邪魔をするんだ。そんなに自分がいい男だと見せつけたいのか?」


「そんなことするわけないじゃないですか。純粋に先輩のサポートに入っただけですよ」おいしそうに千奈津が持ってきたお菓子を食べているリエル。


「私がモテるからといって、やきもちを焼くのはやめろ」

「このナルシストぶりがすごく腹が立つ。誰がお前に焼きもちなんか焼くか!」


「なんだ、違うのか?」

「どうしたら、マカロンの箱を抱えて食べてる奴に惚れるんだ」


「かわいいじゃないですか」とあやねに言われ「……かわいいと言われたのは初めてだ」どう(とら)えていいのかわからず、複雑な顔をするアモニス。

「あやね、気を遣うことないぞ」

「遣ってません」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ