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アーモのネイルサロンへようこそ  作者: 夏八木 瀬莉乃
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34-3 十四日目の問題解決済


「単刀直入に言うと、犯人は天界の捕獲所職員。盗んだ動機は、やっと付き合うことができた恋人へのプレゼントを買うための資金が欲しかった、というのが動機だそうだ」


「……人間ぽい理由ですね」

「天界も人間界も、大して違いはない」

「じゃあ、厄病虫は、逃げたんじゃなくて盗まれたんですか?」

「そうだ」


「そんなに高値で売れるんですか?」

「そうらしい。使いようによっては利益を生むからな」

「研究者とかかな?」


「奴は、盗んだ厄病虫の隠し場所として、昔からの知り合いがサポートしてる先崎に憑りつかせたが、その先崎が入院してる桧山の見舞いに行ったとき、偶然妹の里緒奈が来てて、二人の恋愛エネルギーに引かれてオスメスそれぞれが先崎から移動したらしい」


「なんで先崎君から移動したんですか?」

「その時、先崎に好きな人がいなかったからだろう」

「じゃあ、今はいるんですか?」

「そんなこと、本人に聞け」

「そうですね。で、続きはどうなったんですか?」


「同じ体に二匹ずつ憑りつてたから、それぞれ一匹ずつが新たな宿主を探したところ、桧山に付いてた奴は、やはり見舞いに来たセイジツに。妹の里緒奈に付いてた奴は、あやねを見付けて憑りついた」


「そんな経路で私に憑りついたんですか!」

「そうらしい」

「でも、セイジツ君に憑いたってことは、セイジツ君にも好きな人がいたってことですよね?」

「そうだろうな」


「誰なんですか!」

「あやね。今までの話を聞いてて分からないか?」

「何をですか?」


 すると、ミシュエルが眉間にしわを寄せて怖い顔をするので「あやねちゃん。セイジツ君は君に想いを寄せてたんだよ」小声でリエルが理由を話すと「エエッ! 本当ですか!」


「あやねちゃん。うるさく言うけど、ここは集合住宅」注意する千奈津。

「アッ、すみません。でも、あまりにも衝撃的なことを言われたので……」

「だから、あやねの代わりに厄病虫に食われたと言っただろう」


「アアッ!」と言って、慌てて口を塞ぐと「セイジツ君、本当に大丈夫なんですか?」

「ああ、心配するな。アイツがくたばることはない」

「どうしてそんな事がわかるんですか?」

「さあ、どうしてだろうな」


「私が便宜を図ったからだ」隣のアモニスが説明する。「天界の者が人間界の者に危害を加えた場合、その者を救済していいルールがあるんだ」


「だから、セイジツ君は大丈夫だと」

「そうだ。それに、彼はミシュエルが契約している君の契約目標だ。支障をきたすわけにいかないからな」


「ありがとうございます。それで、盗んだ犯人はどうなったんですか?」

「もちろん、投獄した」

「……ミシュウさんが、ではないですよね?」

「当たり前だろう」


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