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アーモのネイルサロンへようこそ  作者: 夏八木 瀬莉乃
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28-2 十三日目の予想外

 

 あやねたちは座山駅のロータリーからバスに乗ると目的の病院前でおり、広いエントランスに入るとエレベーターへ向かったが、エントランスホールの先で、先崎たちのグループが集まっているのに気が付いた。


「先崎君」あやねが声を掛けると「あれ、華河さん、友達の二人も。どうしたんだ?」

「桧山君のことが心配で、みんなで様子を見にきたの。それで、桧山君の状態はどうなの?」

「どうって、アイツならかなり良くなって、さっきまで、一階の食堂で一緒にドーナツ食べてたよ」


「エエエエッ! ちょっと! 何言ってんの!」

「どういうこと?」

「あんたがラインを交換した友達に、桧山君が今朝から病状が悪化して、集中治療室に入ったから、すぐ来てくれって送ってきたんじゃないか!」


「そんなライン送ってねえよ。しかも昨日、携帯を無くしちまって、今、お袋の携帯借りてんだ」ポケットから、かわいい犬のシールが貼られた携帯を出して見せる。


「じゃあ、誰がラインを送ってきたの?」

「それより、友達が先にここへ来てるはずなんだけど、会ってない?」


「会ってねえよ。みんな、見掛けたか?」

「一番背の高い彼女だろう? いたら目立つからすぐにわかるけど、ここでは見てないよ。なあ」他の男子生徒に聞くと、みんな首を横に降る。


「ちょっと待ってよ。じゃあ、今、何処にいるの?」心配になってくるあやね。


「私、電話してみる」友人の一人がカバンから携帯を取りだして電話するが、コール音がするので充電切れではないのに、一向に出る気配がない。「ヤバいよ。出ない」


「電話に出られない所にいるのかもしれない。例えばバスや電車の中とか」


「じゃあ、ライン送ってみる」もう一人の友人が送信するが、しばらく待っても既読にならないので「念のため、メールも送ってみる」友人二人で送信するが「返信が来るのを待つしかないの?」苛立ってくる。


「とにかく、ここで立ち話は目立つから、食堂に行って状況を確認しよう」

 落ち着きを失くすあやねたちに声を掛ける先崎が、グループのメンバーに「みんなは病院内を回って、例の彼女がいるか捜してきてくれないか? 一通り回っていなかったら、食堂に来てくれ」


「了解!」グループの五人が見にいく階を相談すると、それぞれ散っていく。


  彼らを見送ると「じゃあ、俺たちは食堂へ行こう」

「ねえ、桧山君の病室へ行ってみていい?」あやねが声を掛ける。「もしかしたら、部屋に行ってるかもしれないでしょう?」

「ああ、そうだな」


 三人は奥のエレベーターに乗ると、桧山の病室へ向かった。


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