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アーモのネイルサロンへようこそ  作者: 夏八木 瀬莉乃
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19-1 九日目の途中経過

 

「ところで先輩」ミシュエル対あやね・千奈津の(にら)みあいに割って入るリエル。「これから先はどうするんですか?」


「ン? ああ、そうだな」


「こちらの予定もあるので、その点をすり合わせておきたいんです」

「そっちの要望には(こた)えられたと思うが、どうだ?」


「はい。その点は感謝してます。これで若干のスケジュール変更で進められます」

「では、こちらの修正だけだな。明後日、修正プログラムを組みたい」

「承知しました。では、本日同様のスケジュールで動きますが、それでいいですか?」


「大丈夫か?」

「もちろんです」

「そうか。では頼んだぞ」


「はい。では、失礼します。ああ、チィちゃん。お茶とクッキー、ご馳走さまでした」立ち上がると「もう帰っちゃうの?」千奈津が寂しそうな顔をする。


「戻ってスケジュールの修正をしないといけないからね。また来るよ」

「いつでも来て。おいしいお菓子たくさんあるから」


「ありがとう。えっと、あやねちゃんだっけ?」左側に置いてある横長ソファに座るあやねを見る。

「は、はい!」立ち上がると「立たなくていいよ。まだ先輩から話があるだろうからね」


「あ、はい」座り直すとリエルはあやねの隣に座り「先輩は少しスパルタなスケジュールを組むけど、最後は必ずうまくまとめてくれるから、心配しなくていいよ」


「リエル! 早く帰れ!」

「先輩、邪魔しないでくださいよ。今、彼女の不安を取り除いてるんですから」

「そんなことしなくていいから、早く帰れ!」


「ミシュウ、あやねちゃんはお客さんだからね。忘れてない?」千奈津が口を挟むと「わかってる!」


 イラついているミシュエルを見て「あんな態度しか取れないけど、ちゃんとあやねちゃんのことを考えてるから」リエルがフォローすると「じゃあ、また会うと思うけど、無理しないで頑張ってね」


「ありがとうございます」間近で笑顔を見て(また会えるんだ)嬉しさで満面の笑顔になる。


「じゃあ」リエルは付き添う千奈津となにか話しながら玄関へ行き、ドアを開けると「先輩! このプログラム終了後のミーティング、忘れないでくださいね!」


「忘れる」

「ワン!」


「あ、お帰りなさい」リエルが足元のアーモに声を掛ける。


 アーモは散歩から帰ってきたらしく、玄関に置いてある足拭き用の雑巾で器用に足の裏を拭くと、部屋に入っていく。


「じゃあ先輩、また」

「いいから、早く帰れ」


「ワン?」部屋の真ん中で振り返るアーモが、首を(かし)げるので「ああ、心配しなくても大丈夫ですよ。今日は変更に伴う打ち合わせに来ただけですから」


 すると今度はミシュエルを見るので「打ち合わせだ」ぶっきらぼうに答えると「……ワン」納得はしていないようだが、いつものミシュエル用のソファ横に置いてある専用クッションへ行くと横になる。


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