49-3 アモニスからの説明
「それと、昨日は大変な思いをさせてしまったが、ミシュエルを責めないでほしい」
「……ああ、はい」
「昨日のことは苦肉の策だったんだ。今日、お前が来るのがわかってたのに、ミシュエルが外出してるのは私の指示だ」
「さっきそんなこと言ってましたよね」
「ミシュエルは、君たちに合わせる顔がないと言って落ち込んでたからな」
「ミシュウさんが?」
「今回の事は私の責任だ。なので、私は責任を取って降格することになった」
「それって、どういうことですか?」
「チーフの座から降ろされるということだ」
「エエッ! そんな!」
「今日が、ここにいる最後の日だ。だから、君に説明をするためにミシュエルには外出を命じた」
「いやです!」
「ん?」
「アモニスチーフ一人が責任を負う必要ないです!」
「そう思うのは、君が社会に出ていないからだ」
「そんなの関係ないです! どうしたらチーフを続けられるんですか?」
「……手はない」
「あるはずです! ミシュウさんに聞けばわかりますか?」
「さっき、手はないと言ったはずだ」
「あります! ぜったいあります!」
「……あやねちゃん」黙っていた千奈津が声を掛ける。「ミシュウもいろいろと考えてたから、何か対応策を考えてると思うよ」
「ミシュウさんは、アモニスチーフが辞めなくてもいい方法を知ってるんですか?」
「たぶん、何か対応してくれると思う」
「わかりました。ミシュウさんから連絡来たら聞いてみます」
「やめろ」
「いやです! やめません!」
「言うことを聞け!」
「聞きません!」
「記憶を消されるぞ」
「エッ?」
「無茶な事をしたら、記憶を消されると言ってるんだ」
「……」
「だから、私のことは忘れろ」
「……いやです」
「私の言うことが聞けないのか?」
「聞けません……」目に涙をいっぱい貯めるので「私の言ったとおりジャン」千奈津が涙声でアモニスに言う。「みんな、アーモ君にいてほしいんだって」
「……その気持ちだけで十分だ」
「やです!」
「心配するな。すぐに私のことは忘れる」
「絶対やです! セイジツ君やその一たちだって、チーフが責任とって辞めたと聞いたら悲しみます!」
「しかし、降格は決定事項だ。私にどうにかできることではないんだ」
「ミシュウさんが何とかしてくれます。リエルさんだって、黙ってないと思います」
「二人には、余計なことをするなと釘を刺してある」
「意味ないです」
「……どうだろうな」
「そういえば、セスという人はどうしたんですか?」あやねが聞くと「セスは辞表を出して、すでに天界から降りてる」
「……どこに行ったんですか?」
「それは、私も知らない」
「……捜さないと」
「手掛かりはない」
「ダメです。絶対見付けないとダメです」