第一話 『百合ハーレムって逆ハーレム?』
ある日、魔族の中でクーデターが起こった。
護衛の魔王軍の奮戦も虚しく、反乱軍は魔王の目の前までたどり着いた。
勿論魔王もなんとか応戦はしたものの、敵の無数の兵力とアーティファクトの力によって盤面を返す力は残っていなかった。
魔王の魔力は次第に尽き、敵が徐々に勝利を確信してきた時、魔王は生き延びる為、残る全魔力を用いて空間転移魔法で遥か彼方の人族領へと飛んで行ったのだった。
♢♢♢♢♢
皆さんは失恋をした事がありますか?
私は今さっき、友達に「好きだった」と告白してフラれたところです。
まあ、何となくそうなるんじゃないかなぁ、とは思ってたんです。
そもそも女の子同士だし、あっちは貴族で身分が違いますしおすし。
「はぁ~」
やっぱ、私みたいな人って少ないのかな?
まあ確かに、同性を好きになるって生物的におかしいよね、繁殖できないんだから。
美少女なら誰でも良いって訳じゃ無いけど、どこかに私の感性を分かってくれて、性格が良くて、頼りになる可愛い女の子はいないかなぁ。
ハーレムを作って、女の子(17歳くらいがベスト!)をはべらせたい。
そんな事を考えながらボーっと路地裏を歩いていた時の事、突然目の前に長い桃色の髪を持った美しい女性が現れた。
「うわッ!!?」
突然目の前に人が現れた衝撃で、思わず尻もちをついてしまった。
身長は私より1,5頭身程大きくて、なによりボンキュッボンで、顔が私の好みにドストライク。
「あ、ああ、すまない。驚かせてしまったね。立てる?」
彼女は尻もちをついている私へ手を伸ばす。
咄嗟の事で、私は受け答えも出来ずにただ彼女の手を借り、立ち上がった。
そして、立ち上がった私と彼女の目と目が合う。
「なッ!」
私たちが顔を合わせた瞬間、彼女は目を大きく見開いとんでもない衝撃を受けた様に立ち尽くした。
あまりの豹変ぶりに、思わずこちらもたじろぐ。
「あの、どうしたんですか? 私の顔に何か付いてましたか?」
そう尋ねると、彼女はわなわなとその整った唇を震わせながら言った。
「か、可愛すぎるッ!(ボソッ)」
「ん?」
何て言った?
「何てことだ! 今すぐにでも半壊した魔王軍を助ける為に戻らないといけないのに! あ゛~~、まさかこんな場所でこんな可愛い子と出会ってしまうなんて!!」
体をくねくねさせ、興奮しているのか呼吸を荒々しくしながら私へ近寄ってくる。
どうやら変質者の様だ。
「いや待てよ、私は今魔法が使えない。つまり転移の魔法も飛行の魔法も使えない訳だ。これは仕方ない!」
何か自身に折り合いを付けたのか、彼女は私の肩をガッシリ掴み、問いかける。
「あ、貴方、私と結婚しまs......いや早い」
綺麗な顔でそんなにじーっと見つめられると、流石に目のやり場に困る。
見つめ返すのが正解ですか?
「貴方、名前を教えてくれないだろうか?」
何故に名前!?
こんな顔をして、真っ当な変質者?
ま、まあ、この人に攫われるのも犯されるのも、悪くはないけど。
答えるくらい、何てことないよね。
「私の名前はシグレ・ウイカです」
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