男の中心でアイを叫ぶ事件①
振り返れば、ありえない修羅場ばかりの人生だったように思う・・・
何でこんな貧乏くじばっか引いてしまうんだ・・・
神の悪戯にしては、これはひどすぎる・・・
そんな事ばかりの人生・・・
もはや、燃え尽きたと言ってもいい。
もはや、鼻くそをほじる力すら残ってないと言っても過言ではない。
しかし、見方を変えればその経験はかけがいのない思い出であり、笑い話にしてこそ意味があるように感じた。
そうだ、爆笑させてこそなんぼじゃいと思えるようになってきた。
この小説はそれらを紐解いた笑いの事件簿です。
基本的には、短編集のように一事件を書いていきます。
体験した時期などはバラバラで紹介されますので、現在の話から、次は中学生の頃に体験した事件を書いたり・・・
言い訳に近いですが、
皆さん一人一人笑いの壷は違います。
受けない話もあるかと思います。
あと、下ネタがクソ多いです。
下ネタ無理という方にはきつい話もあるでしょう。
以上のことを踏まえて、コレ以上ない愛で包みながら見てくだされば幸いです。
遅れましてですが、こんなあられもない私小説を見にきていただいてありがとうございます。
それは忘れもしない。
小学四年生の夜だった。
『お兄ちゃん、これ剥いたり出したりしてるとなんか気持ちいいで。』
風呂場で自分の一物を見せびらかし、ニタニタしながら弄ぶ愚弟。
実に楽しそうにいじくりまわしている。
そのパフォーマンスは今考えれば本当に狂ってるとしか思えない。
しかし、彼には当時エロいという感情はもちろん無かった。
本当に無邪気な感想だったんだろう。
弟のあられもない姿を自分も、へぇ、そうなんだ、ぐらいの気持ちで見ていた。
湯船には、腕を組みながら、すべてを悟りきった表情で眺めている親父がいた。
『お兄ちゃんもやってみ。マジで気持ちいいでw』
『いや、いいわ。』
実はそれなら試したことがあった。
なおも、弟は行為をやめようとしない。
『ほらほら、なんかおっきくなるねん!!凄くない!!?』
少しだけ大きく真っ直ぐになったソレが確認できた。
おお、ほんまや・・・。
これには驚いた。
こんなこともコイツには可能なんだと悔しさが込みあげていた。
それを見た親父がいきなりバシャ!!と立ち上がった。
『・・・・・ヨウスケ、お前もやってみろ。』
謎にド真剣な顔で問い詰める親父。
『え?なんで?』
『いいから、やってみなさい。』
その姿に圧倒され、思わず自分の男の中心を眺めてみる。
『あぁ、なんでやろな!!なんで気持ちいいんやろこれ!!』
隣では、更に行為を加速させる弟。
まさしくカオスとしか言いようがない、この状況。
オレはおずおずと自分の一物を持ってみた。
『さぁ、やってみなさい!』
『嫌や!』
そう、試したことはあった。
『痛いから無理。』
だが、少しでも剥こうとすると激痛が走り、
とてもじゃないが愚弟のような行為が行えそうにないのを俺は知っていた。
『どうしてもか?』
『いや・・・・・。』
このままでいいのか?と思った。
『やってみる!!』
兄というものは、いつだって弟の前に立っていなきゃいけない。
全てにおいて、勝利しないといけない。
弟のほうが成長が早いわけがないのだ。
『弟よ、見ておけ。これがお兄ちゃんの・・・・・・。
オレは勢い良く、一物を剥き上げた。
『めっちゃイテェエエエエェ!!』
それはとてもとても過保護に中身を見せようとはしない。
風呂場の床を転がりまわりながら、泣き叫んだ。
激痛に耐えながら、これはまるで栗だと思った。
針で包まれたソレを取ると、更に甲殻が身を守っている。
これを落とすのはそうたやすくない。
やはり無理なのだ。
もう少し成長を待つしか無いのか・・・・。
親父はため息をつきながら、湯船に浸かり直す。
その顔は深刻そのものだった。
俺はそんなことより、弟に負けたことの悔しさで呆然としていた。
弟も一体何をしていいのかわからずオロオロしている。
しばらく謎の沈黙が続いた後、親父はつぶやいた。
『ヨウスケ・・・・・明日病院に行こか。』
『え?・・・・』
『お父さんと一緒に病院行くぞ。』
もちろん明日は学校でもあり、親父は仕事でもあった。
ただ、当時の自分は事の深刻さを何もわかってはいなかった。
え?何?俺けっこうやばいん?・・・・
次の日、彼は人生で一番の地獄を見る日が訪れる。
今だから、言える。
弟、見たか・・・・・・・。
これがお兄ちゃんの、真性包茎だ・・・・。