文化祭は
文化祭は
サバイバー2名が去った後は何事もなく文化祭初日は過ぎて行った、午後3時には岩田夫妻が帰りの挨拶をしに訪れ、次のリモート会議で会う約束をした。
「それじゃ又後日、ところで午前中の事はあまり話題に出さないで置いてほしい」
「モデルの事ですか?」
「ああ私のせいで目立ってしまったのは申し訳ないが、まさかあんなかわいい子たちが誘いに来るとは」
「売れだしのタレントらしいですよ、多分同じ年の女子が来れば興味が出ると思ったのでは?」
「まあ宗助君ならそう簡単に篭絡されないと思うけど、君はお偉方には有名人なんだから気を付けてくれよな」
「大丈夫ですよ岩田さん」
「そうか、分かったじゃあまたな」
「はい」
軽く会釈をすると隣にいた奥さんも挨拶をして、2人は教室を後にした。
時刻はすでに午後4時近くになり、教室には金山と俺そして他の班の数名が残り、どうやら残りの生徒は本日最後の演劇部の舞台を見に行っているらしい。
母も妹もそして山下さんもそして宇宙人の2人も演劇部の出し物を見に行っている。
そんなに人気ならば明日は少し見てみようかなと、少し興味が湧いてきた。
【宗助様ビデオで見ることができますよ】
【え?どこかにカメラでも仕掛けたの?】
【はいお母さまと宇宙人2名には目の位置に】
【それは後でまずくはならないか?】
【なぜです?】
【母に知られたら抗議されると思うんだが…】
【ですが私の目にカメラを設定しておいてご自分は嫌だと言うのはつじつまが合わないのでは?、それに何かあった時にすぐ対応できるようにするにはこれが一番ではと思いますが】
確かに母は置いといて宇宙人2人はカメラを仕込んでおいた方が安全だと言える、最初にカメラを設定したのはフィギュアのリリーだけだった、だがそれではもう対応できないのも事実。
【分かったじゃあ母のカメラは抗議されたら解除すると言う事にしよう】
【了解しました】
「呂方は木下さんと仲が良いんだな」金山
リリーと脳内通信している最中に同じ時間ペアを組んだ金山から思ってもみない質問が。
「ああ、米田から聞いてないか?」
「チンピラからの救出劇だろ、それは聞いてる」
「たまたま彼女がチンピラに絡まれていたのを見つけて助けただけなんだよ」
「でも同居しているのは何故だ?」
「助けた後彼女の家までそいつらに見張られて、仕方なくうちにかくまう事になったんだよ」
「それって後で問題にならないか?」
「あの惨劇の後で、今の状態がダメだって言うなら言ってくるだろう、それにずっと同居するかについてはまだこの先分からないし」
「そうか、確かにそうかもな」
「金山も木下さんが気になるのか?」
「え?あ 俺は別に…」
(全く青春だな、別に彼女を好きになるのは自由だからいいけど)
「呂方は彼女の事、なんとも思わないのか?」
「う~んそれに答えろって?」
「まず彼女はいい子だ、それにスタイルもいい、優しいし勉強もできる」
「ああその通りだ」
「だれでも好きになるよな」
「そうだろ」
「そういう事じゃないか?」
「答えになってないんだが…」
「金山はどうなんだよ」
「お 俺は…」
「自分にも言えないことを、他の奴に聞かない方が良いぞ、俺たちはまだ子供なんだ気持ちはどうあれ相手に伝えたところで自分の思った通りにはならないことの方が多い、まさか告白するつもりじゃないだろう」
「それはしない」
「彼女は父親を失ったばかりだ、ようやく最近になって笑顔が戻ったんだ、俺たちの気持ちを押し付けるのは迷惑になるだけだと思うぞ」
「そうだよな、なあんだお前いいやつじゃん」
「金山~、今まで俺の事どう思っていたんだよ」
「うらやましい奴」
「それは否定しないが、俺だって今の情況に苦労しているんだからな」
「そういえば今のマンションも、前の家が壊されたからだったな」
「普段の生活が壊れるのはあっという間だ、俺もお前も親に依存している状況は同じだろ、いつまたこの暮らしが壊れるかもわからないんだ、今自分にできることを考えて頑張ろうぜ」
「ああ そうだな」
えらそうなこと言ってごまかしたが、特に木下さんとの同居を歓迎しているわけでは無い。
思春期という年頃なのに、我慢しなけりゃいけないことが多すぎる、ロボ化によってホルモンの制御が楽にできるようになったからH関係はかなり楽に自制できるが、だからと言ってこの状況が良いのかは疑問だ。
ちなみに体をロボ化しているので身長175センチからは全く伸びて居ない。
リリーの話によると俺の体はロボ化を解けば後3センチは身長が伸びるとのことだ。
宇宙人の脅威を無効化出来たらロボ化を解いてある程度まで年齢を重ねないと、まずいような気がしてならない。
母は多分10年以上今のままでいたいと言うだろうけどね。




