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研究材料

研究材料


そしてその後どうなったかと言うとなぜか全員でうちに来ることに。

(かんべんしてくれ~)悲鳴!

もちろんこの人数に飯を出すなどと言う事は無理に等しい、レストランじゃあるまいしこんなことがちょくちょくあるなら見学料を取ることも考えなければ、まあ母に言えば何とかしてくれるとは思うがあまりにも図々しすぎる。

それに若干名はこの状況を意図して作り出しているのが見え見えだった。


「それで、なんで皆で俺の家に来ることになったんだよ」

「それはだな」

(おいばらすなよ)東山

(だってしかたないだろ、もう話しちゃったんだから)米田


ひそひそ話などは全て聞こえるため俺のオタ友である米田と東山が、俺の家の事を吹聴して回ったと言う事が分かった。

しかも百合ちゃんが同居している事までばらしやがった!


「それで?なんでそうなったのか教えてくんないかな~」長野

「長野さんあのね宗助君が助けてくれたのよ」百合奈

「もしかして長野さん妬いてる?」委員長

「そんなわけないでしょ!」


いやそんなわけだと言わなくても分かるぐらい動揺している。

ちなみに長野さんは結構リーダー的な存在なのだが、少し恩着せがましいところがある。

もちろん頭は良いので班長であればこなせて当たり前、彼女は1学期の委員長選挙でも立候補したが足立さんとの一騎打ちをして僅差で敗れたという過去を持つ。


「じゃあどんなわけ?」

「え~とあれよサバイバルに興味があったのよ、それに百合ちゃんのことも心配だったし」

「違うでしょ、興味があるのは宗助君の事じゃないの?」

「違うから 絶対違うからね」


否定すればするほど顔が赤くなり、自分で自分の首を締めるとはこのことなのかと思考を巡らせる。


「そんなことは俺にはどうでもいいが、クロームリリーはぜひ見たい」金山淳


金山は米田の誘いで班員になったガタイのいい奴だ、米田の誘いと言う事はやはりオタクと言う事なのか。

彼はアニメと言うよりフィギュアに興味があるらしい。


「ふ~ん、なかなか興味をそそるね」石井京香


班員のもう一人は委員長に誘われた石井さん、わが道を行くと言うようなタイプ。

口数は少ないが成績はかなり良い、そしてもう一人は5班の班員 筑紫実美。


「あ~いい気持ち~」


筑紫さんはおっとりしていて考えていることが読めない不思議ちゃん、だが彼女は百合ちゃんと同じような雰囲気がある、身長は1メートル55センチと少し小さめだがそのプロポーションはかなり良い。

学校を出てから9人で向かうのは宗助と百合奈が住む億ション、だが9人と言う事もあり宗助が母に電話すると今回はお菓子の購入のみ用意することで話が付いた。


『ああそうする、ごめんね母さん』

『大丈夫よ、それじゃ支度しちゃうわね』


9人もの人数が入るとなれば俺の部屋も百合ちゃんの部屋も小さいし話し合いなど出来そうもない。

だからリビングを使って時間を決めて話し合うことになった。

タワマンの最上階ペントハウスには今9人以上がひしめき合っている、テーブルには8人まで座れるがどう考えても、リビングのソファを足さなければ人数的には一部屋に収まりきらない。

宗助が住むペントハウスには広いリビングダイニングがありそこは中々広い空間になっている。

全員が何とか椅子に座り語り合うことは可能だが、そこには母も妹もいるので少しは遠慮してほしいものだ。

だが初めて訪れたクラスメイト達には遠慮をすると言う考えはあまりなさそうだ。


「はい注目、これからクラスの出し物の一つサバイバル術について皆さんの意見を聞きたいと思います」長野

「いつの間に3班の仕切りが長野さんに代わったんだ?」米田

「え?ああごめん私は5班だっけ」

「まあいいや長野さんが今言った通りサバイバル術なんだが、基本的にはネットで検索するのが一番だ、でもそれだと簡単すぎる気がするんだよな」宗助

「ああ確かにネットで調べればすぐだな」米田

「でも今回のサバイバル術は地震や火災によって生活できなくなった場合だよな」東山

「ああそうだ、そこが基本だがそこに戦争が含まれてくる」

「でも通常ネットで調べた場合のサバイバル術って無人島とかじゃないの?」石井

「文明とか便利物の機械とかを使わないで生活する方法でしょ」百合奈

「それだと調べるとたくさん出てくるんじゃない」委員長

「そこでだ、いくつかに絞って出そうと思うんだけど、どうかな?」宗助

「いくつかに絞る?」長野

「そう、機械を使わないってことは生身のままで生活する方法ってことだよね、原始人に戻るってことだから、初めに考えるのは衣食住だ」宗助

「ああそこか」米田

「確かにそうすればまとめやすいな」金山


サバイバル術と言うと無人島や密林でたった一人1週間以上生き抜く、なんていう状態を考えてしまうが、そうなるとナイフや火起こしなどはできて当然と言う認識が強くなる。

本来のサバイバルは知識だと言って良い、食べられる草や魚、罠の仕掛け方や水を作る方法などだ。

そして着るものを作ったり住む場所を確保したりと言ったことが本来のサバイバルではないかと宗助は考える。

そこには便利なマッチやナイフはあり得ないが、確かにそれらが全くない場合を想定はするのだが、現代社会においてそれは考えづらいのでまずは原始時代のサバイバルを提案して、そこに現代の便利物が加わった場合を見比べて取り入れると言う方式を提案してみた。

今現在我々人類の生活が全て壊されたとしても、そこには何らかの便利ものは必ず残るはずなのでそこは素直に便利物を取り入れた場合の思考も入れ展示物にしようと考えたのだ。


「確かにそうすれば、何が必要なのか段階的に分かり易いわね」委員長

「それでだ、衣食住3つについて分かれて研究するのはどうかな?」宗助


男4人女子が5人総勢9人この人数を3つに割る、均等に割ると男子が1人女子に混ざらないといけなくなるが3つの情報を調べるにはちょうど良い形になる。


「じゃあ3つの情報だけど一番難しいのが食だと思うからこれは男子4人で担当しようと思う、それに長野さんと足立さんそれに筑紫さんは途中で抜けることも考えないといけない」

「ああ~そうか途中で私は展示方法を考える班に戻んないといけないのか」

「私も~」筑紫

「そうなると一番簡単なのは一人でやることにならない?」委員長

「そこは俺が兼任するよ」宗助


つまり宗助は全部を兼任し男4人で食を研究、衣を百合奈、住を石井さんに割り振ることにした、この振り分けには異論が出なかった。


「仕方ないわね」委員長

「まあ途中で分からないことは俺が聞くから、その都度教えてくれればいいよ」

「わかったわ」長野


研究内容そして担当が決まり、何とか文化祭の出し物に必要な研究を進める道筋ができた。

だがそんな日々が果たして問題なく進むのだろうか…


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