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母と宇宙人

母と宇宙人


後には母と宇宙人2人が残ることになるが、この間母が何をしているのかは俺にもわからない。

だが前の家でも母はしっかり主婦をこなしていたし、掃除も洗濯も鼻歌交じりでこなしていたのを覚えている。

もちろん元小説家である母は想像以上に順応性が高く、SFや転生物そしてスキルや魔法と言った各種特殊能力にも詳しいらしい。


「さてと今日は3人でお部屋のお掃除をしましょうね」

「お掃除とは?」

「掃除機と雑巾を使って床やテーブルを拭くのよ」

「何故そんなことを?」

「床やテーブルの上は何もしないでおくと埃や汚れが溜まっていくの、そのままにしておくとその埃が舞い上がり口や鼻から肺に入るのよ」

「アレルギーの事ですか?」

「そうよその埃の中に細菌やウィルスが付着すると病気にかかりやすくなるの」

「そうなのか…」

「そのあたりは教えてもらっていないのね」

「私たちの星では全て機械が行います」


聞くところによると、部屋は個室を与えられるが、その部屋にはほぼ何も置かれておらず。

仕事をしている間に丸ごとクリーニングするようだ。

天井や床から特殊な洗浄液が部屋中に撒かれ、その後スチームを使用して殺菌消毒。

そして温風で乾かせば部屋ごと掃除が完了する、その代わり部屋に私物があるとその私物はぐちゃぐちゃになる為、ほとんどの市民は私物を持たない。

もちろん他の星に占領戦争へ出向いている戦士はその限りではないが、それにテレキネシス(念動力)を使える彼らはその力でごみを処理することも可能なので、自らの手や足を使用して掃除を行う事はほとんどない。

着るものも全く同じ服を1週間でローテーションするので、ファッションなどと言う感覚も皆無。


「ああ平太ちゃんはこっちの掃除機を使って」

「これですか?」

「そうそうこのボタンを押すと動くから」


平太ことベータは掃除機を渡され廊下からリビングキッチンと掃除機かけを任される。

そして朱里ことアルファは母と一緒に各部屋の中を雑巾がけする。


「いいわ朱里ちゃんそうそう、雑巾が汚れたら洗面所で手でしごいて洗うのよ」

「はいお母さま」


もともと格上の人物からの命令には従順な2人は、反抗も疑いもせず次々と掃除をこなしていく、そうして約1時間半が過ぎようやく全部屋の掃除が終わり次は洗濯の時間。


「こちらの機械ですか?」

「そうよこれがこの時代の洗濯機で、ここに洗剤を入れてここに柔軟剤を入れるのよ」

「ああ 集めてきてくれたのねありがとう」


アルファ(朱里)は母に頼まれ各部屋に入り昨日着ていた汚れ物を集めてきていた。


「じゃあ中に入れて」


人数が増えたこともあり、一日分の洗濯物でも1回では終わらない。

やはり2回に分けることになり、2回目の分はまだかごに入っている。


「2回に分けるのですか?」

「そうよ、一回でも済ませられるけどそうするとしっかり汗汚れが落ちないのよ」

「そうなのですね」

「後で又3人で買い物に行きましょう、洗剤も買わないといけないし」

「はいお供します」


惑星リズでは着ていたものは出勤時に部屋の前にあるボックスに入れるだけ、そのボックスは自動でクリーニング工場へと運ばれ自動的に洗濯される。

クリーニングされた部屋には自動的に次の日着るウェアがセッティングされる。

サイズは5段階あるが伸縮性もあるため市民全員で着物をシェアする形だ。

形や色は選べない、着ると外見的には全身タイツと呼ぶことだろう、一応ジャケットもあるがこちらは戦闘市民用になる。

地下の生活は季節などなく殆ど同じ気温のため服を交換したり厚着をすることもない。

何なら全裸で暮らすことも可能だが、そうすると仕事をするときに必要な防御力が得られないと言う。

洋服には超能力を補助する繊維が使われており、特にテレパシーを受け取るアンテナの代わりも果たしているらしい。

洗濯が終わると今度はサンルーフになっている部屋で物干し台に洗いたての服を干していく。

この場所にはリールのようなワイヤーが設置してありそこに洗濯物を干すことができる。

使わないときはリールをしまって夏場などは甲羅干しもできる、温室としての使用も可能だ。

母の指図で籠に入れられた洗濯物は次々とワイヤーに干されて行く、3人でやればあっという間に終わってしまう。


「さてと、これで終わったわね」

「太陽の恵みと言うのはありがたいですね」

「あなたたちの星ではこういう事をしないの?」

「私たちの星では全員地下で暮らしています、地上に出ると有害なガスがあるために数分で息ができなくなるのです」

「大変そうね」

「慣れれば快適ですが…そうですね快適の概念が違いますね」

「僕はこっちの方が良いです」ベータ

「あら久々に自分で話すのね」アルファ

「そのうちあなたたちの星も普通に暮らせるようになるわよ、私と宗ちゃんがいるんだから」

「そうでしょうか」

「生活を自然寄りに戻せば何とでもなるはずよ、地球より科学が発達しているのだから」

「そうなら良いのですけど」

「次はお買い物ね、みんなで用意しましょ」

「はい」アルファ

「お供します」ベータ


地球でさえ一時期公害で息をするのさえ苦しい時期があった、ある時から自然と共生を目指し自然を守りながら発展する方向へ舵を切ったのだ。

そのため科学の発展はゆっくり進むようになったが、それでもまだ自然を守りながら生きていくには足りない状況なのだ。

多分惑星リズは自然との共生を全く考えないで開発を進めてきたのだろう、確かに彼らには超能力があり。

その力を使えば無理なことは大抵カバーできる、だがその代わり星を転々と移らなければ自分たちが暮らすことができなくなるぐらい星は汚れていく。

それこそが無駄だと気付かないぐらい自らの力におぼれてしまったのか、それともそれこそが自らの未来を機械に託して得た最大のデメリットなのだろうか、いくら宇宙は広くとも自分たちが住める星は無限とは言えないのに。


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