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百合奈は思う

百合奈は思う


6時間授業が終わりクラブ活動のない俺は帰宅しようとするのだが、クラスメイトである米田に引き留められる。


「なあろぼ 俺たちもクラブ作らないか?」

「おいおいオタクは帰宅部が普通だって言ってなかったか?」

「誰が言ったそんな事」米田

「米田だよ」青山

「お前もそんなこと言うのか」

「俺も聞いたぞオタクは帰宅するのが仕事だって」青山

「うっ…」

「で 自分の言った言葉さえ曲げて、どうしてクラブなんだ」

「それは…」

「女子」青山

「正解!」

「もしかして木下さんを巻き込みたいのか」

「正解!」

「それは無理だぞ、委員長もついてくる」

「ぶ~~、でも体育で若ちゃんも言ってたじゃないか、大学進学に有利だって」

「それは陸上部や体育会系のクラブに入った場合だろう」

「え~ダメなのか」

「多分陸上部だとしても成績を上げないとプラスにはならないぞ」

「それで何のクラブを作るつもりなんだ」

「アニメ同好会、もしくはフィギュア愛好会」

「どっちもダメだろう、勉強からは程遠い」

「アニメ同好会はすでにあるぞ」青山

「そうなのか?」米田

「ああすでに10人ぐらいの部員がいるが半分が3年生だ、但し昨年映像研究会に吸収されたと聞くぞ」

「残念」


高校のクラブ活動には5人以上の初期設立人員が必要になるもちろんしっかり勉強に対して有意義なクラブでなけれならないのは当然だ。

まさかオタククラブなんてものが作れるならば世の中はすでにとんでもないことになっているだろう。

進学校で作れるクラブは文科系ならもっと学問に則したクラブ活動でなければいくら人数がそろったとしても認めてはもらえないだろう。


「それじゃあアプリ研究会はどうだ?」

「それなら通るかもしれないが、漠然としすぎていないか?」


アプリと言ってもその数は現在数千にも及ぶ、ジャンルも様々ゲームもアプリの一つとなるため先生には遊びとみられる可能性も高い。


「パソコン研究会と同じレベルだな、それならばそっちの方がいいだろう」

「パソコン研究はすでにあるな」


結局米田が作ろうとしているクラブにふさわしい形のものはできないと言う結論にたどり着いた。

だが彼は多分諦めないと思う、それでも次々に代替え案を出してくるのだから、そのバイタリティを勉強に向ければ良いのにと思ったのは俺だけではないだろう。

放課後になり帰り路は先日と同じように5人で帰ることになったが、もちろん本日は訪問もお泊りもない。

委員長は手前の駅でオタクメンバーは二つ先の駅へと俺たちは見送ることになった。


「そうちゃん、え~と今更な質問だけど」

「何?いまさらって」

「あの日の事なんだけど」

「あの日?」

「うん助けてくれた日、空を飛んでたよね」

「そうだっけ」

「もしかして言いたくないのかな…」

「言いたくないと言うか二人の秘密にしておいてもらえると有難いんだけどな」

「やっぱりそうなんだ、分かった誰にも言わない約束する」

「ありがとう」

「でもあれってどういうマジックなの?」

「あ~それ聞いちゃう?」

「言いたくないなら良いけど…」

「いつか分かる時が来るけどそれまでは聞かないでくれないかな」

「理由があるのね」

「それを聞いちゃうといずれ大変なことになるから」

「そうなんだ、もう聞かないわその代わり今度一緒に勉強しましょ」

「何それ口止め料?」

「違うわよ、でも一緒にいた方が安心でしょ」


なんかうまいこと彼女に乗せられているような気がするが、別に中間試験の勉強を一緒にするのは問題ない。

問題なのは彼女がまだ昨日の出来事を知らないと言う事。

多分母も話していないと思う、知っているのは妹ぐらいか、多分今日母と妹それに2名の宇宙人は服を買いに近くのアパレルショップへ出かけたはず。

俺たちが帰った時には2名の宇宙人が居間でしれっとくつろいでいたりするだろう。

もちろん父が帰るとさらに驚くのは確実だ、一応親戚の子として母は説明するだろうけどね。


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