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体力測定

体力測定


通学路でまたもやクラスメイトの米田と東山のペアと合流、もちろん駅の改札で委員長も待ち伏せをしており。

いつの間にか5人での登校が日常化してきそうなのだが。

金曜日、本日は普通に6時間授業となった、そして今日は体育がある日。

もちろん授業には強化レベル10段階中4で臨むことにするのだが、汗が出ないと言うのが少し不安な状況だ。

避けたいのはマラソンと球技かな、この2つは50分やると汗をかかない訳がない授業だからだ。


「6時間目体育かよ」東山

「そうだな」

「なんだよおまえ前はいやがっていたじゃないか」

「そうか?最近はそれほどでもないけど」

「もしかして女子がいる手前鍛えているとかか?」

「あ~まあな」

「ずるいぞ、自分だけ」

「いや仕方ないだろう、もし何かあったら逃げ足だけは必要だろう」

「そうだぞ」米田

「そういうお前はどうなんだよ」

「俺は最近これで鍛えている」


そこには百均で手にはいる握力訓練用具。

昔のねじ式の奴ではなくビニールのドーナツ状をした奴だ、ご丁寧にイボイボまでついている。


「それは手だけじゃないか?」東山

「それでもしないよりはましだぞ」

「うむむ…」

「さ~みんな体育の授業よ更衣室に行きましょう」委員長


女子の授業は本日バスケットだそうだが、男子は外で体力測定と言う話。

いや特にそれを不振がるわけでもないが女子と男子で違いすぎるのではと思わざるを得ない。

まるで俺の能力を図るために変更したのではと勘ぐってしまう。


「あ~今日は体力測定を行う」若竹

「え~球技じゃあないの~」

「今日はなまったお前らの体力を測定する、球技より楽だろうそれとも球技前のマラソンから始めるか?」

「せんせ~すいませんでした~」

「くすくす」

「ではまずは準備体操から始める」


俺の体もかなりロボ化の後いろんな設定を加えたので今はかなり柔らかく動きもスムーズになった、柔軟体操は何とか普通にこなせるが、問題なのは徒競走か…


「次!」


先生の合図で100メートル走を3人ずつ走らされる、生徒が二人交代でストップウォッチを持ち先生と3人で測っていく。

そして俺の番なのだが。


「次!」

バッ!

タタタタタ


最初の1歩目、飛び出しで3メートル飛んでしまった、慌てて次の足から小出しに修正する。

結論から言うと先生に怪しまれてしまった。


「おい呂方、お前手を抜いたよな」

「そんなことないですよ先生」

「そうか~顔は正直だぞ」

「顔?」

「まあいい11秒5だ、お前陸上部に入れ!」


まさか100メートル11秒5も出ていたとは、失敗してしまった身体能力レベルをわざわざ4に落としたにもかかわらず11秒5だと、通常13秒前後が進学校に通う学生の数値なのだから、かなり足が早いと言う事になる、しかも俺は手を抜いたスピードなのだから。


「すいません勉強で忙しいのでその申し出はお断りさせていただきます」

「良いのか大学行くにはそういう活動で成績を上げるのも有利だぞ」

「はあ…」

「まあいいまだ1年以上あるからな」

「はい」

「じゃあ次」


何とか乗り切ったがやばいところだった、その日はそれ以降も鉄棒懸垂やら垂直飛びやらをやらされて、最後に砲丸投げときた。


「よし次」


もちろんレベルは現在3にまで落としておいたそうしないと砲丸は100メートルぐらい飛んでしまうと思ったから。

その目論見は大きく外れてまたもや先生の気を引いてしまうことになった。


「次、呂方」

「はい」


6kの砲丸を渡され首の横に付ける、ラインから内側であれば有効、足が出れば無効になる。

だが正式ルールの通りには行うが記録は記録で今日は競技会ではない、だから数値にはあまりこだわらないはずなのだが。

それは普通の数値だった場合であまりにも秀でてしまえばその限りではないだろう。


「フンッ!」


体を半回転回し手に持った砲丸を斜め45度にまっすぐ突き出す、その放物線上の先を見た時、シマッタと言う言葉まで出てしまう。


「シマッタ」


結果25メートル27センチ、だがおれはわざと足を白線の向こうへと出す。


「おお飛んだないくつだ?」

「25で~す」

「あ~惜しいな白線から足が出てしまった」

「ああ本当だな、まあいい時間もないから1メートル引いておく」

「はい」


【ピンポロンパンポン呂方宗助君・呂方宗助君面会のお客様がおいでです、至急職員室へおいで下さい】


「だれだ~授業中に~」

「多分先日の自衛官の方だと思います」

「そうかなら仕方ないすぐに行ってこい」


校庭からも道路わきに止まった軽装甲車が見えたので多分、そうなのではと思ったが案の定、一度下駄箱脇入口から入ると2階教室へ行きUSBを持ってくる。

階段を急ぎ足で駆け降りると岩田陸尉の姿ではなく、今回は女性自衛官の姿が目に入る。


「こんにちは」

「呂方君こちら自衛官の高月若葉さんよ」事務員 高橋京子

「初めまして呂方宗助です」

「初めまして陸上自衛隊の高月若葉准尉です」

「え~と、岩田さんは?」

「ああそうよね、本日は岩田陸尉に代わり私がUSBを受け取るように仰せつかりました」

「そうなんですか」

「本日は岩田が他の仕事でこちらへ来れなくなりましたので」

(ああもしかして宇宙人の調査かな)

「もしかして宇宙人がらみですか?」

「私からは申し上げられませんが、今忙しいようですので」

「ああそうですよね、ではこれをお渡しください」


そう言って高月准尉にUSBを渡すと彼女は深々とお礼をして立ち去った。

外見はかなりキレイ目だったが、仕事に忠実で表情はあまり変わらず彼女をロボットのように感じたのだが、それは後で間違いだと築かされることになるがその話はまた今度書こうと思う。

それからは又体育の授業に戻ったが、体育教師に何度となく陸上部に入れと言われたが、ことごとく断りを入れたのは言うまでもない。


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