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また一人増えた

また一人増えた


授業が一通り終わると下校時間となる、授業再開初日の今日は全部で4時間の短縮授業となった、午後1時半からは職員室隣に作られた臨時相談所での被災した生徒からの相談のため早めの授業終了となっていた。

そして帰りの道なのだが…いつの間にか5人で帰ることに、それは何故か?木下さんのお友達も付き添うことになったからだ。


「ところで委員長は何故に?」

「あらゆりの友達なんだもの当り前じゃない」

「ごめんね呂方君」

「いやそれは構わないけど」


少し離れて米田と東山はついてくる。


(おいおいどういうことだ?)

(朝もビックリしたが、さらに一人増えたぞ、しかも委員長だと!)


後ろのこそこそ言葉がロボ化した耳にはよく聞こえる、俺もその通りビックリしている。

ただし木下さんと足立さんはクラスでもいつも話している昔からのお友達なのも知っており。

こうなることは予想がついていたのだが、木下さんがこの成り行きの少しを話してしまうのもなんとなくわかる気がする。

もし俺が一緒に帰らないで、委員長と二人で帰るとすると、もし借金取りが仕返しをたくらんだ場合2人の女子はどうなるかという話だ、そして木下さんは俺の存在を肯定してもらうために成り行きを話さざる負えなくなる。


「で王子様?」

「だからその呼び名は止めてほしいのだが」

「だって百合から聞いたらまんまじゃない、うらやましい」

「え?」

「あ 違うわよ百合の危ない場面に、私がさっそうと登場したかったと言う事よ」汗

「それじゃ2人して乱暴されるだけじゃ」

「なによ、それでも私はね」

「きみちゃん、わかったからありがとう心配してくれて」


いつの間にか2人は俺の両隣を歩いている、そして俺を真ん中に言葉を交わすのだ。

言葉を交わすたびに彼女らのいい匂いが鼻をくすぐる。


【宗助様モテモテですね】

【リリーもそんなこと言うのか】

【応援しております】

【ありがとう】

(は~マジか)


駅から先も女子二名のお話は留まることなく続きそのまま電車に乗りこむ、そして俺の意見は全て無視されて何故か全員が俺の家に来ることになった。

もちろん事前に母へ電話でこのことを告げると…


(かんべんしてくれ~)

『あ 母さんまた友達連れていくことになったんだけど』

『あらら、じゃあまた買い物たのんじゃお』


米田と東山は女子と俺をけん制するために委員長は木下さんの今の状況を把握するためと俺の住まいに興味があり同行することに。


「言っておくけどあまり期待すんなよ」

「呂方君何を?」

「だから家だよ」

「それは期待してないわ、私はあくまで百合のおうちに遊びに行くんだから」

「俺たちは呂方の家に遊びにだな」

「は~じゃあまたスーパーに寄って買い物してから帰るから」


今回はこの間のさらに倍の買い物、そしてこの人数をこなす食べ物と言えば。


「お~カレーか」

「本来お前らに食わす飯はないのだが」

「いやいや俺も本当は帰って勉強したいのだけどね~」

「俺はまたフィギュアを見たい」


買い物は2組に分かれることになった、俺は肉と野菜そしてカレー粉。

女子2名はスウィーツと飲み物、そしてその他お菓子の買い出しをすることに。


「ゆり、なんで呂方君なの?」

「なんでって仕方ないじゃない、彼が助けてくれたんだもの」


そういいながら顔を赤くする。


「私も狙ってたんだけどな~」

「それは知ってた、良いよねって話してたもんね」

「まあそれだから何って話なんだけどね、でも彼が百合にそこまでしてくれるなら応援するよ」

「な 何言ってるのよまだそういう関係じゃないからね」

「いやいや、百合の話じゃもう彼をべた褒めなんだもん、嬉しそうに話されれば誰でもわかるでしょう」


それぞれに買い物を終わらせそして荷物の運搬は男性陣が受けもつ。

そしてマンションの前にやってくると。


「こ ここなの?」

「そうよ」

「2回目だけどうらやましい」

「あこがれるよな」


その言葉に宗助も百合もなぜか恥ずかしくなる。


『もしもし宗助だけど』

『お帰り今開けるね』


そして自動ドアがスーっと開くと3人は鼻をひくひくさせる。


「いい匂い」

「今週はレモンライムとグリーンノートらしいよ」

「へ~」


そして最上階のボタンを押したときも同じように委員長が絶句する。


「なんで最上階!うちの学校にブルジョアがいるとは思わなかかったわ」

「委員長の家も良いとこじゃなかったか?」

「うちはただの公務員よ一応父は課長だっていうだけ」


それでも彼女は一戸建てに住んでいるという話を前に聞いたことがある。

彼女には弟が一人いて今受験勉強中でピリピリしているという話も。


「あーあー本日は晴天なり」

「おかえりなさいませ」

「ほ~指紋認証に音声認証ですか…」

「宗ちゃん百合ちゃんおかえり~」母

「あ~また来たんだオタクたち」愛

「お邪魔します…」米田

「お邪魔しまーす」委員長

「おじゃま…」東山


「とりあえずご飯ができるまで部屋で ってオイ!男性陣はこっちだ」

「ばれたか」

「何どさくさに紛れて百合ちゃんの部屋に行こうとしている」

「お約束だろう」

「どうせ委員長に出てけって言われて終わるだろう」

「それもお約束だな」


男は俺の部屋へ委員長は百合の部屋へとそれぞれに入っていく、そして数分後おやつのケーキが運ばれてきてくつろぎながら話し出す。


「で、なんでお前の家にマドンナがいるんだよ」

「成り行きだよ」

「成り行きじゃないファンクラブの一人としては詳しいことを知りたい」

「先週の水曜日だ」


事の顛末はよくある話だが、俺がどうやって助けたかは全て作り話を織り交ぜた。

あの日チンピラに襲われそうになっていた彼女の腕を取り大声で叫びながら逃げたと、そしておまわりさんに人さらいだと告げ後を任せた、さらに借金取りが彼女の家に居座ったため家にかくまうことに決めたのだと。


「まじか…」

「俺が大人4人を相手に喧嘩なんかするわけないしできないし」

「それは俺でも無理だ」

「ああ、でもよく彼女を助ける気になったな」

「見ちゃったものは仕方ないだろ」

「そうかお前はヒーローになったんだな、讃えようわれらがヒーロー」

「お前に言われるとなんかおちょくられているような気がする」

「俺たちの仲間になるのは嫌そうだな」

「俺はできることをしただけだぞ」

「謙遜するなよ、俺は誇りに思うぞ、今度泊まりに来ようかな」

「ぜってー泊めねー」


一方、百合奈の部屋では。


「本当なの?」

「うん」

「そりゃあハート持っていかれるのは仕方ないわね、だからあんなに自信にあふれて見えるんだ」

「きみちゃんもわかる?」

「うん、彼事故前と全然雰囲気違うでしょ」

「私はそこまでわからなかったけど」

「百合ちゃんはお父さんがなくなって大変だったからね、私はちゃんと彼を見てたわよ」

「ごめんね心配かけちゃって」

「いいのいいの問題を解決してくれる王子様が現れたならその方が良いし」

「それでキスは?」


そんな話が各部屋で時に馬鹿笑いが聞こえ時にはシーンとするそれぞれの思いとそして普通に過ぎていく時間がそこにあった。

だがそんな緩い毎日がこの後も続くかというとそれほど世の中は甘くはないとだけ告げておこう。


第一章 完結


宗助の身の回りには次々と問題ごとが起きだすが、彼の精神はすでにロボ化されたのか難なく問題をこなしていく。

まさかクラスメイトの救出まですることになるとは思わなかった彼も、次の章では敵の偵察隊との戦闘を経験することになる。

そう科学力が4千年も進んでいるという宇宙人がUターンしてくる宇宙戦艦の情報を手に入れない訳がない。

座標空間転移装置は転移先の座標さえわかれば何でも転送できる、宇宙戦艦が撃墜された理由や戦闘を終了させて帰還する理由なども、小さなチップに情報を入れて母星に転送している。

日付けこそ2・3日の差があるが後日宇宙人の住む星から、撃墜された理由と戦闘をやめて引き返す理由を探りに偵察隊がやってくるのだ。

但し、偵察隊と言っても大人数ではなくたった2人だ。

それじゃあ大して心配することは無いと思うなかれ、そう彼らは超能力の保持者。

それに彼らから見れば地球人など虫けら同然。

第2章はその2名が地球にやってきてどんな戦いをするのか、そして宗助はこの2名とどう戦うのか。


心配な人は次章もぜひ読んでいただきたい。


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