広い校内
広い校内
約20分自動運転のバスに乗りたどり着いたのは広大な敷地面積を誇るこの国最高峰の大学。
敷地面積は5k四方、町が一つ入るぐらいの広大な場所にいくつもの学び舎が建っている。
正面の入り口には大きな門があり、そこにはなぜか警察官とみられる者が数人学生達を呼び止めては何やら情報を聞き出している。
「はいそうです」
「ではこの人物は知らないというのか?」
「知りません」
どうやら学生一人一人に事情聴取を行っているようだが。
「あーそこの学生、待ちなさい」
「なんですか?」
「まってこの人たちは日本からの交換留学生です」リー
「交換留学?」
「お知らせがそちらへも届いていませんか?」リー
そう言われ警官と思しき人物は腰からタブレットを取り出し、本日訪れるはずの訪問者欄にある注意項目を調べ出す。
「これか、なるほど日本人11人と引率のリーシャオン、君の事だな」
「そうです」
「分かった、行っていいぞ」
「ありがとうございます」
(美人だな)
「さあ行きましょう」
大きな門を後にして一行は1kほど歩いて行くと、そこには校内専用の移動ビークルが数台おいてある。
こちらも全自動で動くタイプではあるが、学生たちはほとんど使わないようだ。
「高坂教授、これを使いましょう」リー
「そうだな…」
ちなみに校内で利用できる乗り物は時速10k以下であり、行先を告げるまでは動かないようになっている。
もちろんこのCMVと言う乗り物、構内以外では動かない仕組みだ。
「俺らも」
「恥ずかしいからやめて置け」
「なんで」
「確か歩くスピード以上は出ないって聞いたぞ」
「見てみろCMVを使用しているのはある程度年配になった人や荷物を抱えてる人だけだ」
※CMV
さすが工業大学、他にもいくつかこの大学ならではの工夫がありそうだが。
この大学、全部を見て回るには1か月では足りないとSNSでは噂になっている。
この情報は中国国内のSNSでのみ語られている情報であり日本では得られなかったりする。
徒歩で移動する事約30分、いくつかの建物を横目で見ながらCMVの後をついていく。
「ここだ ここだ、思い出した」
目の前にそびえたつのは電子工学科の建物であり、中にはコウミンホ教授の研究室を含め少なくとも20以上の研究がこの建物の中で進められている。
「来たなリー君」
「お久しぶりです教授」
「高坂教授も久しぶりですね」
「コー教授」
教授同士が挨拶を終えると今度は学生たちの挨拶が始まる。
出迎えたのはコー教授だけでは無い、彼の弟子(学生)達も数名日本からの交換留学生を待ち構えていた。




