召喚状
召喚状
いや予想はしていたが岩田さんの話だと近く内閣府からの召喚状が俺にも届くという話。
あれから各方面へ打診するのに結果として自衛隊の判断だけでは済まなくなり総理官邸および内閣総理大臣からの正式な召喚状が発令されることになったらしい。
そしてその顔ぶれだが先に俺が話した大学教授2名はもとよりエレクトロニクス部門からさらに3人。
そして政治家が4人、当然のことだが総理大臣と大臣クラスが3人、もちろん陸海空の幕僚長も参加する会議を行うことになった、総勢25人。
「うわ~それ断われないですか?」
「宗助君それは無理だと思うよ」
「もしかしてTV放映されちゃいます?」
「いやまずは全容を明らかにしてからマスコミに出すか出さないかを決めるらしい」
「できればマスコミには出たくないんですが」
「もちろんそこは善処するよ、情報の出どころはできるだけ隠すし、君が手に入れた情報も実は偶然であのアプリの実験で手に入れたとあげておくことにしている」
「ああそれならば矢面にはあまりでなくて済みそうですね」
「だから君はインベーダーの話はあまりしなくていいよ、じゃないと一般人が何故知っているのかという話になるから」
要はハッキングアプリに関してのみ召喚したと言う事にしたらしい、ただし総理大臣や幕僚長クラスにはすでに俺が全て知っていることは知らせてあるらしい、なので会議終了後に改めて呼ばれると言う事になっている。
まあたかが高校2年生に何故そこまでの話が伝わったのかも知りたいわけで、日本のトップもできればUSAより早く全容が知りたいはずだ。
そうでなければこれから国家規模で座標空間転移装置の開発をするのだから、予算もそこがちゃんとしていなければ降りるわけがない。
もしかすると自衛隊の管轄からも転移装置は離れていく可能性もある、考えているとなぜか冷や汗が。
【冷却機能の不具合が発生しています】
【いやこれは違うよリリー、冷や汗というやつだ】
【これが冷や汗ですか、わかりました記憶しておきます】
ロボ化したはずで汗は掻かないはずだが、なぜか発汗していたらしい。
まあそれでも微量ではあるが。
「正式には後日令状がおうちの方に届くと思うけど」
「わかりました、かくごしておきます」
「あ それで例のアプリのコピーは出せないか?」
「出せますよ、じゃあもらったUSBの残りにコピーしておきますね」
「頼んだよ、また対価は振り込んでおくから」
後日またもや丸6つの金額が振り込まれていたことは言うまでもない。
ちなみに100万円+税で110万円。
翌日、岩田陸尉が家に来て用意してきた各種書類にサインをした、日付は1か月前に設定、そうしないとつじつまが合わないからという話。
「それじゃ」
う~んこの話電話でも良さそうなものだが…
後で聞いた話だが、すでにUSA側が少し疑い始めているとのことで、電話やラインを使用した場合情報が漏れてしまうらしいとのこと。
なんでもデジタルになってきた昨今、情報交換に一番安全なのが口頭だというのが少し笑えるが、確かにUSA側にとっても空間転移装置の情報は喉から手が出るぐらい欲しいだろう。
実はすでにその情報はUSA側も把握していたりする、だがいまは足踏み状態、その理由は異星人の言語がまだ解析できていないという話。
そうUSAより先に和訳ができてしまっているのだから、この話は後々軋轢を生んでしまうことにつながっていく。
何故ばれたかというと、今回の令状の話は各関係に出された時点でUSAの情報部に漏れていたからに他ならない。
何故日本が空間転移装置のことを知っているのだと、そうUSAからはその情報は日本側に出されていないからだった。




