ROBOスキルで調査
ROBOスキルで調査
15人全員が能力者、日本でこの数の能力者を探そうとすれば数か月を要する。
そんなことを1日でやってのけてしまうのも超能力のなせる業。
問題なのは彼らがどんな能力を発症しているかだが…
「部屋が決まったら後で行くからカギは開けておいてくれ」
「分かった」
「ねえ大丈夫?」
「彼も能力者だ しかも瞬間移動、カギはいちいち瞬間移動が面倒だからだろ」
「鍵かけても無駄ってことさ」
「確かに」
「おとなしくしてればいいってことさ、研究所にいた時よりはましだろ」
「そういうこと」宗助
ここからは一人ずつROBOチェックを入れさせてもらう、まずは彼らのリーダーであるコチョウリ。
胡兆莉22歳、音操作と思考解析の超能力で相手の考えが分かってしまう。
このタイプの能力者は既に何人か存在が確認されている。
「まずは俺からか」
「リーダーから始めないと仲間が従わないだろ」
「それでどうするんだ?」
【精神感応をキャチしました】
【テレパスか】
【先ほどまではガードしましたが】
【そのままガードしておいてくれ】
【かしこまりました】
「読めないだろ」宗助
「お前はそういう能力者か?」チョウリ
「そうかもしれないしそうではないかもしれない」
(くそ 考えを読めないなんて)
「瞬間移動に精神防御、まさかまだほかにあるのか?」
「そうかもね、それより手を出してくれるかな」
「手を出す、こうか」
ベッドに腰かけてもらい椅子を一つ向かい合わせにして宗助が座る。
手を取った時点でスキルを使用すれば、そのまま倒れてもケガをすることが無い。
「バタン」
【思考解析と音操作、それ以外には危険性は無いようだな】
【相手の考えが分かって反乱を起こしたみたいですね】
【彼には下手な嘘は付けないってことだね】
【どうします】
【悪いスキルはなさそうだ、でも面倒だから思考解析には足枷を付けさせてもらおう】
【了解です】
【それと日本で行動するのに言語スキルの種を入れておこう】
言語スキルの種、異世界や異国の言葉もいくつかのジャンルがある。
今でこそ宗助は世界中の言葉を理解し話すことが可能だが、それはAIを仲介してリリーさんがうまくやってくれているからだ。
この仲介する言語スキルが頻発に行われると、言語と言う物は自然と仲介しなくても理解することが可能になる。
何もなかった所に種を植え込むだけで、いずれ流暢な日本語を話すことが可能になるのだ。
【あとは倫理規定に善行スキルの種も入れておこう】
【かしこまりました】
善行スキルの種と呼んでいるが、これが無いもしくは有っても活動していない場合は自己中心的に行動するようになる。
だがそこに善行スキルの種を入れておくと、自分の為だけではなく他人の事も考えて行動するようになってくる。
それは人助けこそが善行だからに他ならない。
「ん?」
「終わったよ」
「俺は 寝ていたのか、おまえ俺の体に何もしてないよな」
「してないとは言えないかな、調べるためにはしかたないよな、でも服はそのままだろ」
「うそだろ」
(何された!)
「おいおい別に体には何もしてないぞ、俺はノーマルだ」
「あんた、人の考えも解析できるのか?」
「よくわかったな、できるし阻むことも可能だ」
「俺の頭の中を読んだのか」
「いちいち聞くより早いだろ」
「くそ」
(これからの行動も読まれたのか?)
「怒るなよ、そうしないと後で大変なんだぜ」
「全部お見通しってやつか」
「そうでもない、俺には予知能力は無いからね」
「フーン」
「あとで感謝すると思うぜ」
(俺らと歳は違わないのにこいつ随分落ち着いているな)
「じゃあ次の部屋に行くから、よろしく」
この行為を15回、全て終わるまでに3時間を要したが。
危険だと思われる能力者は2人ぐらい、一人は情報収集と情報創作と言う能力持ちで放って置くと世の中が混乱してしまう。
今の所そこまでの被害は出ていないが、その彼にも制約を付けさせてもらった。
もう一人は威力反射と言う変わった能力、その能力が危険なのはまだ制御できないから。
制御できない反射能力、放って置くと周りに被害が出てしまう。
今の所その力を使用するかしないかだけは制御できるらしいが、使用するならば力を完全に制御できなければならない。
その他には精神感応の能力者が2人、物体操作能力者が3人、透視能力が1人。
テレバスが2人、風変わりなのが絶対防御と言う能力を持つ慈州雲と言うやつ。
後の4名は肉体強化2名と獣化能力が2名ずつ。
全員に善行スキルの種と日本語スキルの種を植え込んでおいた。
これで成長すれば全員が日本で暮らすのに何の障害も無くなるという寸法なのだが。
それは机上の空論でありここ日本で暮らすには、いくつもの面倒くさい規則と言う壁が立ちはだかっている。
日本で問題なく暮らすにはパスポートやら健康保険やら国籍やらと言うハードルがいくつもあるのだから。
一応、織神さんが調査官を派遣してくれるので、俺からの取り調べはこれくらいにして、もう一度ベジュンへと戻る宗助。
買い物と言う事で外出してきたので繁華街にてお土産を買わなければならなくなった。
「こんなもんだよな」
【宗助様、グッジョブです】
【そんな言葉まで使うようになったんだ】
【毎日勉強しておりますので】
【そろそろホテルに戻らないとならないな】
「おい」
「ニーハオ」
「お前どこから来た」
「日本ですが、何か?」
「金をだせ!」
【スキルロボ】
【典型的な詐欺スキルです】
【全部消して善行スキルに変えておこう】
【かしこまりました】
たまたまだ、繁華街に一人で身なりのよさそうな外国人、外見は中国人と言っても見分けはつかないのに。
なぜかばれてしまうのだから不思議だった。
【何だこのスキル?】
【貧乏か金持ちを見分ける能力です】
【それでか、そんなのあるんだ】
まさかそんな能力持ちがいるとは思わなかった、確かにその能力があれば貧乏人か金持ちかがすぐわかる。
【判断方法が匂い?】
【そうですね匂いでの判断です】
【中国 恐るべし】
匂いと言うやつそれは確かに判断材料の一つとしては、かなり確率の高い選別方法ではある。
まさかそんな超能力がいるとは思っても見なかった。
普通はせいぜい個人を特定することができるぐらいだが、金持ちと貧乏人の判断など犬にでさえ難しいだろう。
いくつかの問題を無事にクリアし、皆が泊まっているホテルへと帰ってきた宗助。
既に時間は夜の12時を回っていた。




