ESP学徒兵
ESP学徒兵
ESP部隊と言うのがあるのならそれを教育する機関があるという事。
そしてその能力が期待されることになれば、学生と言う若いころから訓練を施そうと考える。
そして当然のことながらその力を制御し国の利益になるよう使おうと考えるのは至極当然の成り行きだ。
研究はまだ始めたばかりだが超能力の発症、なぜか若い年代に多く現れることが分かってきてから。
この国の政府は超能力を持つ学生に対して様々な検査を強要するようになっていた。
日本に来たESP部隊も本国では厄介者だったが、学生のほとんどは真面目な者が多く。
どうせなら若いうちから育てた方が良いと思うのは当たり前の事だろう、この国では今でもそれを強制的に行えてしまう。
だがそんな中にいても抗う者が出て来るのは当然のことだ、利己主義に嵌まり未来を良くしようと考えないのだから残念でならない。
今でも人口の数ではTOP5に入るこの国は生まれて来る超能力者の数も日本の比ではないはずだ(2051年調べ)。
「ドドン」
「バキン」
「撃て!」
「パパパパパン」
「ヒューン」
「ドドン」
殺傷能力が大きい機関砲やロケット砲、学校へ向けて放ってよいはずのものではない。
だがその武器がいくつもの火を噴き、一つの建物へと向かって何度も解き放たれる。
だがその建物は数百の弾丸やロケット砲の攻撃を受けても、全く無傷なのだから宗助も自分の目を疑った。
【あれはバリア?】
【もしくはダメージ無効化です】
【15・6人ぐらいか?】
【立てこもっているように見えますね】
【行ってみよう】
兵士たちの上空を光学迷彩を纏った宗助が飛ぶ、どうやら今の所兵士の中には超能力者がいないようだ。
「スタッ」
「コンコン」
(堅そうだな、壊すのは難しそうだ)
【屋上からは入れないかな】
【少々お待ちください、建物の中の座標を調べます】
【了解】
「パパパパン」
日本ならば攻撃の合間にマイクを使用して投降を呼びかけるのだが。
銃器の音やミサイルの爆発音に消されて人の叫び声は殆ど聞こえない、だが宗助が建物内部へ侵入すると攻撃音がピタリと止んだ。
「胡兆莉聞いてるか!今すぐ投降しろ」
「うるさーい」
「今なら間に合う、仲間を見捨てたくはないだろう」
「なんだと!裏切ったのはこの国の上層部だろうが!」
スピーカーの音量がそれほど大きくないのは外に音声を洩らしたく無いのかもしれない。
どうやら学生のまとめ役、リーダーらしき人間がこの立てこもりを計画したのではなかろうか。
「後5分待つ、投降しなければ強力な爆弾を使用する」
士官らしき兵士がそういうと、今まで建物に向かって機関銃や砲弾を発射していた部隊が撤退を始めた。
どうやらより威力のある武器を使用するようだが、果たしてそれで建物全体に張られたバリアを破ることができるのだろうか。
それともその1発で終わらなければさらに何発ものミサイルが撃ち込まれるだろうか。
既に周りの建物はほとんどが崩れてしまっている。




