ペジュン西駅
ペジュン西駅
大きな駅舎だった、ティンジュン西駅から約40分という距離。
途中の停車駅は1駅だけだったが、景色は全部普通の街並みであり、ペジュンの都市は日本と殆ど変わらないぐらい建物が沢山立っていた。
「着きましたね」
「また改札が有ったりして」
「やめてくれ、また時間が無駄になる」教授
「あはは」
だが駅の改札を出たところで目を疑うような状況に落ちいった。
「おいそこの」
「え 俺達の事か?」
「なんですか?」リー
「俺達は国家安全教化部隊の者だ、現在この町は戒厳令を敷いている」
(またかよ)
「ではどうすれば?」
「この駅からは誰も出せない」
「マジかよ!」
駅の改札の向こう側には臨時のバリケードが張り巡らされており。
10メートル置きに軍服を着た兵士が配置されている。
その手には武器のような物を持っているのだが、通常の銃器とは違うようだ。
「どうする?」
「待つしかないだろ」
幸いにもこの駅は駅ビルとして機能しており、レストランやブティックなどと言った店が40店舗以上出店している。
「とりあえず5階にあるレストラン街へ行ってみよう」
10階建ての大きな駅舎とショッピングモールをくっつけたような巨大な建物。
そこにはホテルも併設されているのだが、ここの宿泊費は宗助たちが止まるはずのホテルの3倍以上と言う。
「おいおいペジュンは今どうなってるんだ?」
「何があったのかこれでは分からんな」教授
【パッション(リリーズ)外の様子はどうだ】
【一般人の姿がほとんど見られません】
【あ!】
「ドドーン」
「今何か音がしたぞ」
その音はかなり離れた場所から聞こえているようだ、窓の少ない建物からは外までは見えなかった。
宗助達はレストラン街の休憩椅子に腰かけ情報を得ようと、全員がスマホやタブレットを手に検索をかけてみる。
だが中国国内の検索エンジンは空港の事故以外何も伝えてはいなかった。
【宗助様、学校らしき場所で火の手が上がっています】
【マジか!】
【映像を見せて】
【はい】
ROBO化したフィギュアの目を通して4kほど離れた場所に目をむける。
そこでは沢山の兵士が武器を手に取り、建物に向かい攻撃を仕掛けている様子が。
宇宙からの侵略も一段落しガイアギアも殲滅兵器もすでに元の星へと帰還したはず。
ならば何に対して攻撃しているのだろうか。
【現地へ向かいますか?】
【それしかなさそうだな】
「ちょっとトイレ行ってくる」宗助
「あ 俺も」
「じゃあ僕も」
(おいおいそれじゃ一人で抜けられないじゃないかよー)
トイレはかなり端の方にあり、個室にはドアが付いてはいるが足が見えるタイプだった。
「バタン」
「なんかやばそうだな」
「大丈夫だろ」
「飛行機事故って本当か?」
「分かんねーよ」
「でもよ、あれから2時間近く経ってまだ爆発音が聞こえるっておかしくねえか」
「そんなこと言っても調べる術はないだろ」
「そういえばこっちの学生だけで参加してるSNSがあったな」
「そうなんだ、でもおれ中国語わかんねーし」
「翻訳アプリで何とかなるだろ」
トイレに同行した友人達は学生だけで参加しているSNSに参加して情報を得るつもりなのだが、そこでも情報規制が入っていたりする。
宗助は個室に入るとすぐにスキルロボで簡易モニター機能とマイクおよびスピーカー機能を壁やドアに設置する。
自分には光学迷彩機能をONにして姿を消すと、誰にも知れないように駅の外へと出ることにした。
【タイムリミットは10分前後だな】
【ばれないことを祈りましょう】リリー
【サイクロンエンジン起動、重力制御装置起動、ロボ発進!】
約4k離れた場所にはこの国の最高学府である、超有名大学がいくつも点在している。
だが今現在は学生がいる場所とは思えないぐらい、何かを阻止するためかこの国の兵士が集まってきていた。
それが何なのか?遠くからは分からなかったのだが、近くへ寄ってみるとそれが超能力者の暴動だという事が分かった。




