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CNの高速列車

CNの高速列車


約1時間の留め置きだったが、何とか逃れることができたようだ。

あのまま宗助が何もせず黙っていたとしたら、大使館経由で保釈の話し合いをしなければならない所だった。

横で事の成り行きを見ていたリーさんが少しかわいそうだったが、宗助の中国語でも何とか通用したようで良かった。


「ソウスケの中国語が完璧でした、横から変な言い訳をしなくて済みました」

「いえいえ、あのままだとリーさん親のコネを使うつもりだったのでは?」

「そこまでわかりますか?」

「そのぐらい僕にも分かりますよ」

「そうです、私の父は一応この国の一角を担っています」

「やっぱり」

「隠していたわけではないですよ」

「それは分かっているから心配しないで」

「ハイ」

「あ 戻ってきたぞ」

「どうだった?」

「どうやらパスポートの渡航記録が引っかかったらしい」

「なんで?」

「USAとかUKにも行ったからなんだって」

「そうなの?」

「俺は今回海外旅行始めてだぞ」

「おれもだ」


要するに10人中でUSAやEU各国そしてUKにも行ったことがあるのは宗助だけ。

教授はUSAにも渡航歴があるのだがそれ以外は中国だけだった。

要するに渡航歴で怪しいと思われたに過ぎないのだが、そんなことぐらいでスパイ容疑を掛けられてしまうのは勘弁してほしい。


「そろそろ次の電車が来ます」

「一時はどうなるかと思ったよ」教授

「あれれ、教授って心配症でしたっけ」

「私はだ な」

(まだ中国は3回目だというのにナビ代わりのリー君がいないと分からんじゃないか)

「リーさんがいなくなるかと思った?」

「う そ そんなことは無い」

(図星か)


どうやら何度か中国へは来ているが准教授はそのたびに誰かのサポートで来中していたらしい。

確かにリーさん以外は全員日本人であるし現地の案内人などは雇っていないらしい。

時間通りに到着した中国の高速列車、乗り込むにはスマホに専用アプリを入れて使用するのだが。

宗助のスマホはAIリリーさんが作成した改造アプリによって、どこの国の改札でもフリーパスになるよう設定されている。


「ここにしましょう」


10人が座るには自由席では開いている席が無い、なので指定席がある車輛まで移動することになった。


「結構歩くな…」

「車両の長さが長いから?」

「沢山運べるように作成されているらしいよ」

「ようやく特別指定席車輛に着いたみたいだ」

「中にも改札があるのか?」

「追加料金を支払うことで指定席になる仕組みよ」


指定席は半分ほど埋まっていたが、それでもまだ20席以上の空きがあった。

入口のドア手前に指定席予約用の端末が用意されており、そこで追加の料金を支払うシステムだ。

スマホをかざして開いている席をタップすると、その場で支払いを済ませた人物の上半身が画像で記録される。

他の人が後から座ったとしても席のモニターと車掌の端末ですぐに確認ができる仕組みだ。

今ではほとんどの高速列車で導入されている。


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