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中国は自己主張の国

中国は自己主張の国


その昔日本人は彼らのいいように扱われてきた、おとなしい日本人騒がない日本人。

今は少々違ってきてはいるがこの国の中に入れば、まだ昔のしきたりが残っていたりする。


「私たちを止める理由は何!」

「上からの命令です」

「上って誰の?」

「それは言えません、あなたに言う理由も無いでしょう」

「おいそっちの奴」

「誰の事だ」


パスポートを見て何かに気が付いたらしい、そういえば宗助のパスポートにはUSAとUK。

さらにポーランドやフランスと言った地域への渡航履歴がある。


「おまえだ、ロホウ」

「おれ?」

「いっしょに来てもらう」

「なんだ なんだ」

「騒がないで、私も付いていくから」リー


まさかこんなところで足止めを食らうとか勘弁してほしい。

だがこの頃に発令された新しい法令とやらが宗助たちを縛り付ける理由になっているらしい。


【ROBO化しますか?】

【詰所迄行ってまずいことになったらね】

【了解です】

「連行するおとなしくついてこい」

「逆らわないで」リー

「大丈夫ですよ」


2名の警官に連れられ宗助とリーは彼らの詰所、臨時待機所へと歩いて行く。

そこには交代の警官が2名いて、中に入ると尋問タイムが始まった。


「この渡航履歴はなんだ?」

「旅行です」

「UKだけならいいがUSAには何のために行った?」

「IT技術の開発者として公演してほしいと言われたからですが」

「ITの技術者、お前が か?」

「あータブレット出していいですか?」

「何をする」

「こちらの話も聞いてください」リー

「タブレットを出してどうする気だ?」

「聞いてやれどうせこいつは本署に連れて行くんだ」

(弁解も無しか)


タブレットにはいくつかの映像が記録されている、宗助がUSAの大統領と固く握手しているシーンやUKの首相とハグをしている場面。

それ以外にも日本の首相と握手しているシーンなどが有ったなら、中国とは言え所轄の警察官がどんな顔をするのか見ものだ。


「我らに映像を見せてどうする?」

「言葉で言っても分からないでしょう、とりあえず見てください」

「まあいい、交代が来たらお前は引き渡すからな」


まるで初めから処遇が決まっているかのような言い方だが、タブレットの映像を見て目を丸くする2名の警官。

だがそれを見て映像が本物なのかを疑ってくるのだから困ったものだ。


「これはUSAの大統領か?」

「見たことあるんだ」

(なんどか見たが…)

「一度我が国の首相と握手しているのを見た、これは本物か?」

「わざわざフェイク動画まで作るなんてしませんよ」

「今度は日本の首相じゃないか、これも本物なのか?」

「はいそうですよ」

(おいこのまま連れて行って適当に手柄立てるとまずくないか?)

(だが条例でおかしな日本人は逮捕送検しろと言われたぞ)

(本物なら俺達は世界中から非難されるのか?)

(どうする)


まあどちらにしても宗助は捕まらない、ROBOスキルで逃げることも可能だが。

収監されたらUKやUSAからのホットラインを使用し、最近手に入れたアプリの利用を停止させてもらう。

それだけでこの国の首相から解放しろと言う命令が下るはずだからだ。


「どうです?」

「まあ、あれだ 条例で仕方が無かったのだ」

「くれぐれもこのことは誰にも話すことが無いように な」

「分かりました、そう言うことにしておきますよ」

「ではこれで失礼しますね」


少し時間は食ったがどうやら融通の効かない人達ではなかったようだ。

いくら宗助が世界中で絶賛されていたとしても情報を規制している場合は、いくら説明しても取り合う事すらしない場合もあり得るのだから。

それでも昔と比べれば今はまだましな方だと言える、末端の警官でも海外の情報を少しは見ることができるようになったのだから。


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