到着した先で待ち構えていたのは
到着した先で待ち構えていたのは
約5時間の空の旅、ほぼ全員が目を閉じ眠ろうとしている中、座席中央に設置されたモニターには本日のニュースが表示されていた。
寝られずに起きていた乗客数人が座席の前に設置されているモニターに映し出された緊急ニュースを見て騒ぎ出した。
「なんだ?」
「あれってベジュン空港?」
そこに映し出されたのは飛行機の事故、空港の第二滑走路で旅客機が爆発炎上。
原因は滑走路に放置された荷物運搬用の荷物車が原因だった。
「ポーン」
「お客様に申し上げます、当機は順調に飛行しておりますが着陸いたします空港にてトラブルが発生した模様です」
「ガヤガヤ」
「おいおい」
「やばくね?」
「別の空港に降りるんじゃないか?」
「そうらしいな」
またもやトラブルに遭うとはついてない、だが今回のトラブルはそれほど悪いものではなさそうだ。
急遽その手前位にあるティンジュン空港に着陸することになった。
「当機はティンジュン空港に着陸することが決まりました、後1時間で到着いたします」
「一時はどうなることかと思ったけど一安心だな」
「そうするとティンジュンからは電車か車だな」
本来着陸する空港からは200k近くの距離がある、ベジュンにはいくつもの大学があるが。
一行が向かうのはその中でも工業系で最高峰の大学であるベジュン工業大学。
「そろそろ着陸するみたいだな」
「これより着陸いたします席についてシートベルトをしてください」CA
そこからはどこかの空港みたいにミサイルが発射されるようなアクシデントなどは無かった。
本来の空港とは違うが何の問題も無く宗助たちを乗せた旅客機は無事着陸した。
「忘れ物はございませんか?」
「大丈夫です」
「足元に気を付けて進んでください」
「アッ」リー
「おっと」
「よろけてしまったわ」
これはわざとではなさそうだが、宗助がとっさに手を出すとまるでしがみつくかのように抱き着いてきたリーさん。
「大丈夫ですか?」
「はい大丈夫です」
「それより予定が狂いましたね」
「ここからなら高速列車が早いです」
昔は色々と問題があった高速列車、今はそのような不安は無くなったときく。
日本ほどではないが到着時間は正確になり、わざと列車を止めるような乗客もほとんどいなくなった。
安全のために定められたスピードで事故は減りここ数年は無事故を誇っている。
そのスピードが遅いと考える人は国内線の飛行機に乗ることになっている。
「へ~色で分けたんだ」
「北部は赤、南部は緑、中部は青で車両の色分けをしています」
空港からバスで一路ティンジュン西へ行きそこから新幹線に乗りベジュンへ。
思っていたよりスムーズに事が運ぶのが宗助には少し気がかりだったが、なぜか行く先々で問題が起こるのだから面倒なことこの上ない。
高速列車に乗る駅へ到着し改札を出て歩き始めた一行、高速列車の乗り場へと向かう途中の通路にはゲートが設けられており、そこには数名の警官が待機していた。
「なんだか列ができてるな」
「並んで待つしかなさそうだ」
長蛇の列と言うほどではないがすでに20人以上の列ができていた。
空港から電車に乗ったのは宗助たちだけではない、そもそもベジュンへ到着するはずだったのだ、という事はその飛行機に乗っていた全員が同じ行先だという事。
「あなた方はどこから来たのです?」警官
「日本からですが」
「お荷物を拝見します」
「なんだ?」
「検査だって」
「普通の旅行者なのに?」
「空港でも検閲受けたのにか?」
「日本人か」
「そうですが」
「私はリー家の者です、これからベジュンへ向かうところです」
「リー家の、少し待て」
警官は4名ほどいて、通路を封鎖していてなんだか物々しい雰囲気。
「中国人は行ってよし!」
「なんだかおかしいぞ」
「私が何とかします」
そういうとリーさんが警官と話し始めた。
パスポートを見て宗助たちだけがなぜか留め置かれてしまったようだ。
そこにリーさんが話を付けようとしたのだが、なぜか宗助だけがさらに文句を付けられてしまう。




