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テロリストのアジト

テロリストのアジト


EU各国には今も昔のお城がいくつも存在する、日本のような木材で作成されたものではなく。

頑丈な石を使って作成されたいわゆるキャッスルと呼ぶにふさわしい御城だ。

その中の一つに最近中東の組織が手に入れた物があった、かなり古く半分以上崩れていたのだが。

補修をするという約束である組織が手に入れた物だった。

現在はその修復を担当する職人が出入りしているのだが、中には材料を運ぶ人足に紛れてテロリストの仲間も入りこんでいた。


「娘はどうだ?」

「おとなしいぞ、ちゃんと飯は食わせてるんだ、文句はないだろ」

「お前の顔が怖くて文句言えないんじゃないのか?」

「違いない」

「うるさい、こりゃ名誉の傷だ!」


その男の顔には3つの傷があり、片目は義眼だった。

どこかの戦線で負った傷ではあるが、一応彼はその戦いで生き残り敵を10人以上天国へと送っている。

怪我のせいで傭兵からテロリストへと落ちぶれたが、それなりに戦いを経験した強者ではある。

他の2名も同じような傭兵上がりではあるが、彼らは金で雇われた組織の工作員である。


「シュン」

【ここか?】

【車が何台か留まっていますね】

【あれは城だな】


テロリストのリーダーの記憶から座標を割り出し、できるだけ邪魔な物が無い場所へと瞬間移動してきた。

駐車場とまでは言えないが、城に隣接する空き地であり。

すぐそばでは作業員と思しき人間が外壁の修復をしていたりする。


【城の修復中か、テロリストは中かな?】

【そのようです】リリー

【行こう!】


光学迷彩で姿を消し修理中の城の中へと入っていく、石造りの階段を下りていった先に数人。

動きのない人影が赤外線探知機に引っかかった。

お城を修復する職人ならば作業中に動かない訳がない、しかもその3人は赤外線探知モニターでは緑色に発色して見える。

ちなみに温度が高いほど赤く変色して表示される、要するに地下にいる3人は働いていないことになる。


「トン トン…」階段を降りて行く


ゆっくり素早く、音をできるだけ立てないように階段を降りて行くと。

光が漏れているドアがいくつか見える。

そのうちの一つから男たちの無駄話が聞こえてくる。


「あそこでこいつがドジを踏んだから逃げる羽目になったんだろ」

「あれは俺がやったんじゃない、急に子供が出て来るから行き過ぎるまで待ってただけだろ」

「ガキなんか振り払えばいいだろ」

「俺には子供がいる、少し待てばうまくいったはずだ」

「仕方ないだろう、あそこでもたもたしていたら警察に捕まっていたはずだ」


何の話かは分からないが、悪巧みの結果を話していることだけは分かった。


「コンコン」

「なんだ!」

(いたずらかよ)

「誰もいないぞ」

「バタン」

「おいどうした!」

「バタン」

「くそ何が起こった」

「バタン」

「はい終わり」

【人質は奥の部屋の様です】


スキルロボで眠らせて彼らのデータを少しいじって置く、これから悪いことをすると腹痛を起こすように。

そうすれば二度と悪いことなどできなくなるだろう。


「ガチャ!」

「助けに来たよ」

「え!」

「今鍵を壊すからね」

「バキン バキャン」

「ゴトゴトン」


手錠に鎖それが手足に嵌められ赤い痣になっていた、誘拐されてからすでに10日が過ぎ。

一族全員で探しまわっていたのだが、まさか遠く離れた異国で監禁されているとは思わなかった。


「えーと君の服は?」

「全部取られてしまって」

(下着だけってまずいよな)

【外の男から取りましょう】

【そうだね】


上着とズボンを皇女に渡し少し待つ、もちろんドアの外で。

既に下着姿を見ているのにと思うが、女子の着替えを見るなんて後で百合ちゃんに知られたら何を言われるかわからない。


「できました」


ズボンは裾を折り曲げ、バンドを紐代わりに縛る。

靴は無いようだが宗助が背中におぶって行けばいいだろう。

10日も縛り付けられていれば歩くこともままならないはずだ。

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