表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
485/505

パーティ会場にて

パーティ会場にて


会合は約2時間、まあ後の1時間は殆ど雑談になった。

本来ならば公式な訪問としてニュースになるのだが、超能力者の場合それらの情報遮断を含め。

できるだけ国民には不安を与えないように配慮しての事だろう。

ちなみに今でも一般国民には政府の要人がSVRサバイバー超能力者であるという事は隠されている。


「ついた、ここだ」


約1時間と少しの会合、その後本日宿泊する予定のホテルにて着替えをし。

その後タクシーに乗りこみ晩餐会が行われるという会場へとやってきた。

今度は晩餐会、とはいってもどうやら立食式のパーティとみられる。

かなり広いダンスホール、壁際には料理や飲み物がずらりと並ぶ。

一段高くなった場所には生のオーケストラが軽快な音楽を奏でていたりする。


「それでは開宴いたします」

「おー」

「知ってるか、このパーティ戦勝記念だって」

「宇宙人撃退のだろ」

「ああEU全体でこの日にしたそうだぞ」


そういえばそのようなことをニュースで聞いたような。


【ちゃんとニュースで伝えておりますね】

【日本でも?】

【いいえ日本では戦勝記念はやらないと決まったようです】


EUやUSAは勝った時の祝いは盛大にするそういう歴史がある。

だが日本は勝った歴史は封印されてしまった、今あるのは被害者をどうするかと言う事であり。

悲しみに暮れる方々を尻目に戦勝祝いなどと言う気にはなれないという事だ。

どちらが良いとか悪いとかではなく、これが国の違いであり個性であると認識している。


「やあマドモアゼル」

「はい」

「私と踊りませんか?」

「えーと」

《断っても構わないよ》

《ソウスケお願いします、あなた以外には触られたくないのです》

「すまない彼女は踊れないんだよ」

「オーソーリー」


その星では一度異性に触れられれば好意があるとみなされ、2度目の接触でその意志を決定しなければならない。

そして極めつけは肌と言っても接触する場所によっては即婚約、いや娶ることが義務付けられていたりする。

それをここで言っても仕方のないことではあるが、本人が嫌がっていることを無理強いするわけにもいかない。

たぶんダンスの類はネットで手に入れた情報で、ある程度は理解していると思われるのだが。


「壁の花にしては美しすぎるんじゃないのか?」


声をかけてきたのはパワータイプのエスパー、カミュ・サザーランド。


「やあ」

「今回はまた違う女性を連れてきたね」

「お久しぶりです」

「さすがもてる男は違うな」

「そんなつもりは無いですけど」

「謙遜しなくてもわかるよ、君には何かオーラみたいなものを感じるからね」

「そう見えますか?」

「ああ俺はパワータイプのエスパーだから、他のエスパーの強さが気になるからね」

「そう?」

「今日はメアリーがいないのは残念だ」

「彼女は?」

「仕事だよ、せっかくのパーティなのにかわいそうだよな全く」

「そうですね」

「聞いてないのか?」

「特になにも」

「てっきり宗助が恋人だと思ってたんだが、違ったか…」


実は今回この場所に彼女は来ていない、現在彼女は仕事で北欧へと出かけているらしい。

もちろん今も独身である。


「彼女は友人の一人ですよ」

「そうなのか?」

「何か彼女から聞いたんですか?」

「あれから彼女にアタックした男は両手でも足りないくらいだ、だが一人として夜を共にしたやつはいないと聞いた」

「そうなんだ」

「てっきりすでに心に決めた男がいると思っていたんだがな」

「僕はまだ学生ですからね」

「ここではそんなこと無意味だってことぐらい知ってるだろ」


学生の身と言ってもSVRサバイバーとしての考えはUKではかなり確立されている。

もちろん年齢的にはまだ若く未成年であればその年齢は尊重されるが、宗助のような国家を揺るがすような超能力者に普通の考えが当てはまるのかと言われればそれは否である。

この国ではそういった能力者には大人以上の対応が求められる、誰もがその能力を狙って接近するのだから。

彼に手を出すのは禁止だと言っても、それを守る人間いや能力者はいないと言って良い。


「そうでしたか?」

「そうそう、そういえばミランダが話があると言ってたな」微笑む

「今日ではなく?」

「用事で今日は来れなくなったらしい」

(話って何かな?)

【留学の事だと思われます】

【え?ミランダも日本に来るって話?】

【前回の接触以降連絡は来ておりませんが、それがあきらめたという事ではないようです】

【確かにUKのサキュバスがおとなしくしているとは思えないよな】


魅了スキル、それも少しHな方法で誘惑し相手の自由を奪い誘惑するという。

確か19歳になった彼女は有名大学の大学生になっているはずなのだが。

宗助に会う女性はほぼ全員と言っていいぐらい好意を抱くようだ、本人は全くそんなこと気にしないのだから見ようによっては相手がかわいそうになるが。

それは超能力ではなく持って生まれた資質と言って良い、興味が無いわけではないが下手に相手をして面倒ごとに発展するよりは、そっけない素振りで無視した方が後々面倒にならなくて済む。

それを彼の資質が本能で感じているらしい、父譲りのスキルと言ってもよさそうだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ